uncolored wind

私に吹く風
アートとモノづくり

映画メモ2013秋

2013-11-16 08:39:08 | 映画
アップせずに溜めていた映画メモ発見。 私にとっては映画をみることがあらゆることからの「リセットボタン」。今朝も一本見終えたところ。

「ミケランジェロの暗号」…ナチスドイツと名画。最後が颯爽としていてかっこよく、暗さが和らぐ。
「やがて来たる者へ」…イタリア。1943年、実際にあったドイツ軍による市民惨殺を、子どもの目を通じて画く。弟が自分の腕の中で死んで行ってから、言葉を発しなくなった少女の心理描写が素晴らしい。
「カラウ゛ァッジョ 天才画家の光と影」…自分の表現が社会の地雷を踏む。一方的な価値観と芸術の善し悪し。心の影と社会の影が重なって、彼は表現するほど身を滅ぼしていく。生きて行くために自尊心を売らなければいけない芸術家。常に死臭の漂う時代背景が基盤になっているところが物悲しい。
「フェイトレス~運命ではなく」…戦時中。ハンガリーに住む15歳の少年がバスに乗ったことから、アウシュヴィッツ収容所へ。終わりに電車を選ぶ心理。怒りを持ってはいけないことを叩き込まれ、夢を語らなくなる。描写が繊細。
「MW」…手塚治虫原作漫画の実写化。玉木宏・山田孝之。
「希望の国」…原発事故と故郷と家族と介護…いろんな関わりの中で人間は生きている。夏八木薫の遺作。彼の「砂の器」や「人間の証明」、良かった。
「夢売る二人」…阿部サダヲが出ているので、おちゃらけかと思った。松たか子の名演技。実際にあったことがベースとか。夫婦間で腐っちゃいけない道徳的警告を感じたのは私だけだろうか。
「東ベルリンから来た女」…欧題BARBARA。あの時代背景が1980年代なのだから、人間社会の薄っぺらさが感じられる。思想統制や拘束。なんでも疑われ自由が許されず、自分の言動が国家主義にどこかで触れていないか…政治的活動になっていないか…怯えて生きる世界。これが現実のこと。主人公はレジスタンスで体制に刃向かう存在でありながら、実は独りよがりな逃げ腰だったことに気付く。その葛藤描写が素晴らしい。


久しぶりに映画UP 。

2013-08-19 19:46:00 | 映画
久しぶりに映画UP  。
今夜は雨上がりで月も綺麗。
わが家の庭、上呂に住み着いている主、カエル殿。
今日は黒茶色。

昨日、貴重な休日をスタートさせるつもりで、早朝録画映画をチョイス。
気分が上がるような題名…と選んだのが「パーフェクトセンス」。
パーフェクトというからにはハッピーに違いないと。
ところが主題は五感が損なわれていく感染病。
病理学者とシェフの愛情を通して恐怖を描く。
その謎の病、進行のきっかけは感情の起伏。
たぶん7つの大罪を節目にしている。
嗅覚と味覚を失った世界のシェフ。
人間は備わった感覚で、表現することとそれを感じることに楽しみを見出だしていくのが素晴らしい展開。
悲観し貪欲になり、怒りに支配され、温もりの大切さに気付いたときには…。
こんなにも酬いを強いられる現代人の刹那。

朝に見るには重過ぎた。
考えたら、「表現」は癒しと希望を創り出す宝物なんだろう。
だから私は絵を描く。


豆本と私の中のStory

2012-08-05 16:37:56 | 映画
豆本と私の中のStory
画像は豆本。
ワークショップで教えてもらって自宅で作ったよ。
雑誌の広告デザインページ。
きもかわいいとはこのことかな。
ピースマークが申し訳なさそうに入ってる。
今回は、短篇映画を中心に、ミニマムに残したい記憶メモ。

「おもちゃの国」…短編20分。
ユダヤ人である隣人家族。
子どもはユダヤ人の友人が連行されることを理解できず、母親は「おもちゃの国へ行くからサヨナラしなければ」と諭す。
でも子どもは一緒におもちゃの国へ行くといい…。
すごく深い描写がされている作品。

「落としもの」…オーストラリアの短編。
絵本作家のショーン・タンがキャラクターデザイン。
生物を落としものと呼ぶ価値観。
それをマスコミが回収を呼び掛ける。
でも隔離された場所に彼らの楽園があって…。
ほんの15分ほどの中に深い描写がある。

「クロエ」…人間不信にも程がある。
一番恐ろしいのは人間。
妻から夫への誕生祝いはスコッチのラフロイグ。
ヨードのような強烈な香りを思い出しながら…、途中で出てくる手首のローションも香り。
最後まで香りがついて廻り、そのイメー ジで見ちゃった。


7月…早いって

2012-07-01 23:07:04 | 映画
7月…早いって
2時間前に原発が強行駆動したって。
少しでも節電…と思ってキャンドル。
まずは20時まで凌げばいいらしい。
個人的には停電は仕方がないけれど、医療や福祉の面では安定供給を信じて来ちゃってるから、できることをしないと。

7月…早いって
庭は水不足。
冬にあんなに降っちゃったから…。
程々っていうことを知っている生き物は少ないから。
温暖化の報い!?

映画、最近メモしてなかった(>_<)

「赤ずきん」…グリム童話って、毒々しい大人の話を子どもにごまかすように編集された感が強い。
画面が美しくまさにそんな感じ。

「ソルト」…アンジェリーナ・ジョリー。
何々??と思ったけれど、ああいう思いも寄らない展開は大好き。
誰がみかたで誰が敵かわからない。
人間不信の時は見ないほうがいい。

「MY BACK PAGE」…松山ケンイチ・妻夫木聡。
1960年代からの学生運動とジャーナリストの話。
憧れと狂気。命の価値。
露店商の子兎を死なせた自分の代わりに報いを受けてたつ男と、自分の理想実現のために殺人を犯した人間を、プロのメンツのために庇う自分。
その器の小ささに気付く男。
妻夫木聡は「涙そうそう」の時もそうだったけれど、泣きの演技が抜群にうまい。

「デビル」…クリスマスキャロルのような悔い改め成敗物って、どうなんだろうね。
良い行いをしていれば災いも近寄って来ないなんて、気休めな感じもする。
悪いことをすると早く人生を閉じれて嬉しいなら、無差別殺人を犯す人と同じレベル。
生きる苦しみも受けてたつから生命なんだ。

「ずっ とあなたを愛してる」…フランス。
実子殺害の罪で15年服役した姉と、妹の話。
ああいう心理表現はさすがに仏。
私も愛すべき兄弟がいて良かった。



生きるにはそんなに先送りはできません

2012-05-13 18:34:07 | 映画
メモは溜まる一方。
「I Come With The Rain」…木村拓哉・イビョンホン。
絵画構成の参考にあさって観た。
猟奇殺人と肉体的精神的苦痛を癒す青年。
サイコものが苦手なので、全編観るのが苦痛でした。
美しい映像観なきゃ。
ヒントは大いにあったよ。

「パッセンジャーズ」…航空機事故のカウンセリングをすることになった女性。
いつ人生が終わってもいいように、悔いが無いように人に接しているつもりだし、自分にできることを受け入れているつもり。
人生って、何て刹那いのでしょう。

「水曜日のエミリア」…ナタリー・ポートマン。
愛情の形は、その人との純粋なつながりを考えるに限る。

「ブラック・スワン」…ナタリー・ポートマン。
母役にパッセンジャーの祖母役の女優さん。
自分を追い詰めて表現をすることや、自問自答の苦悩だとか、実は制作者が一番破綻する場合が多いのは理解できる。
一番恐ろしいのは、生身の人間。

「アイロン」…カンヌ映画祭短篇映画。
殺人よりアイロンでしわを伸ばしきる方が難しいという男の話。
「頭のない男」…カンヌ映画祭短篇映画 。
頭のない男が自分に合う頭を探す。
表情も何もかもぴったりのものを探したが…。人は誰しもマイノリティにはなりたくないんだ。
「Next Floor」…カンヌ映画祭短篇映画。
とにかく食べつづける。
何があっても飽食。
稀少動物さえも…。エゴイズムの強さが気持ち悪い。
「ベリック」…カンヌ映画祭短篇映画。
実在のベリックは顔面が腫瘍に覆われ、視力もない。
地域の核実験の犠牲者。安全なはずが。
幼い子どもがみせる生活模様。
「メガトロン」…カンヌ映画祭短篇映画。
母子家庭の少年が、誕生日にマクドナルドのハッピーセットについているメガトロンというロボットおもちゃを母にねだる。
虚無感がせつない。