uncolored wind

私に吹く風
アートとモノづくり

祖母の味

2010-02-14 02:44:47 | 四方山話

祖母の味
祖母は起業家、アイデアがいっぱいの人だった。

私の母方には祖母が二人いる。どちらもやり手で、戦後の混乱を主体的に乗り越えてきた。

ドライイーストを小分けにして売ったり、草しんこを作って競馬場で売ったり…。

どちらも商売がうまかった。

友だちもたくさんいたから楽しそうだった。

そんな祖母の創ったお菓子が「貝殻島」。

珈琲餡のパイ饅頭。パイの層にも珈琲を練り込んで、こんがり焼く。

よく話をしながら個包装の仕事を手伝った。

私が笑って過ごせるように整えてくれて、その年に祖母は他界した。

祖母のことが大好きだったから、兄弟で千羽鶴を作った。

あれから30年。無性に貝殻島が懐かしくなって、似せて作ってみた。

白餡ベースでないので本当の再現ではないけれど、

思わぬところで母が嬉しそうに口にした。

我が家では、あちらの祖父母は、通称「みどりのおばあちゃん」と「みどりのおじいちゃん」。

交通指導をしてたわけではなく、お店の名前が「みどり」だったから。


皆既日食<部分日食

2009-07-26 12:37:57 | 四方山話

22日、皆既日食が話題の日、11時過ぎに妹から電話あり。

看護師をしている彼女が定かではない記憶を確かめたいという。

彼女が言うには、小学生の中学年ごろに、ガラスに煤をつけて(その頃はそれが定番の観測方法)日食を観察した記憶があるという。

それも、あたりが暗くなるような日食。

ニュースでもそんな皆既日食は記録に無く、ドクターも信じてくれないという。

私も記憶にあったので、検索。

すると1981年に北海道で80%ほどの部分日食が記録されてる。

その前は1972年90%ほど。これもかすかに記憶にある。

今回の皆既日食が34%ほどだった北海道の状況と比べると、80%って!

世間が騒ぐ皆既日食よりも、その場所での部分日食の方が私たちにはすごい現象だったんだ。

妹も自分の記憶が、空想の差し替えではなかったとたいそう安心していた。

みんなで見ると覚えているもんだね。

今回の日食は、丁度見える時間があって、子どもたちも前庭に出たり、

理科室から見上げたりして、観察グラスは大活躍だった。

彼らもこの日食を将来覚えているんだろうな。

テレビで見た日食中の映像は闇に包まれていた。

神話とはいえ、太陽の女神が岩戸に隠れたとはいい発想だわね。


よみがえる記憶

2009-03-14 20:40:13 | 四方山話

よみがえる記憶

あるテレビ番組をみていて…

自分と同じくらいの大きさのお地蔵様に抱きついて、

ベロ掛けを結んでいる感覚が残っていたのだけど…。

母に「何十体ものお地蔵様に前掛けを結んだこと…私あるかな?」と聞いてみた。

「あるよ。でも3~4才の頃だよ。」

「蝶々結びしてたんだけど…」

「させてたわー」

とある街のはずれに、沼(○○湖という)があって、

そこをぐるりと囲むように45体のお地蔵様が並んでいる。

その3つ目が我が家の建立したお地蔵様で屋号がつけてあるらしいが、

後にも先にも、そんな事をしたのは、あの時だけ。

母は赤ピンクの前掛けを45枚縫ったらしい。

きっと、私も訳ありで生まれてきて大変だったし、

次に生まれた弟も心配だったし、

我が家の家系はことごとく男の子が亡くなっていたから、

親としては、先々代から建てっぱなしのそのお地蔵様に失礼のないように・・・だったのだろう。

母は生まれたばかりの弟をおぶって、上り下り・・・。

だから、私も少しでも早く手持ちが無くなるように、

落ち葉に足をとられながら、前掛けを掛けて歩いて、泣きそうだった。

紐結びも「やり直し!」と、しかられないように、

自分と等身大のお地蔵様に必死で腕を回して。

どれも、眠っているか、ニンマリ笑っているか・・・そこに腕を伸ばす。

お地蔵様のほっぺたは、ざらっとしていて、ひんやり苔の匂いがした。

今は、その街の保存会が管理しているらしい。

記憶だと、いつも霧がかかっていて、すごくすごく寂しい場所なんだけど、

行ってみてもいいかも・・・。

一人じゃ怖くって行けないな(T_T)

だって、横溝正史の世界そのものなんだよwwwwww。


開けっぴろげ、かつ、こっそりなプレゼント

2008-03-02 11:05:22 | 四方山話

母の誕生日が2月。

一緒に生活するようになって、トータルして13年。実質6年。

共に居ながら、縁の薄さを感じてしまう不思議な親子関係。

それは、母の生い立ちとか、私の生い立ちとか生き方がそうしてしまった。

年に一度は特に気にかける。そのタイミングが誕生月。

毎1月発売のきみまろのCDは発売ごとに購入して渡していた。彼は年配の方のアイドルだ。

母はプチ旅行が大好き。貯蓄しては友人同士でちょくちょく出かける。

旅行が近づくと美容液のサンプルなどを何気に渡す。その、ウキウキしながら準備をする彼女を見ているのが何とも和む。

でも、昨年あたりから、彼女は髪の毛のこしの無さを気にしている感じ。

ヘアセットも何回かしてあげたり、ボリュームに目がいかないようにメイクしてあげたりした。

「今年は旅行かウィッグか、どっちがいい?」

「ウィッグって何?」から始まり・・・。

計画は1月末から始まっていたのに、悪天候や時間やらで、とうとうここまで来てしまった。

やっと購入に付き添った。

デパートの人目につかないところにそのお店はあって、店員さんは服薬の副作用でまだらに脱毛された方用にウィッグを整えていた。

母は、わずかなフィッティング時間中、

旅行に行ったらみんなで見せ合うーとか、みんなのはもっと扱いにくそうだーとか、

他の人と間違わないように名前を書かなきゃだめだーとか、

忘れた人より見つけた人のほうがショックだろうーとか、私と会話しながら大喜び。

良心的なお店の方も「楽しいお母様ですねー」と私に言う。

「はい、とってもわかりやすい人で(^^;;;」(それによる苦労もありまして・・・)

これで、今月の彼女の九州旅行が数倍楽しくなればいい。そう、それでいい。

「娘の私だからできることを」。