uncolored wind

私に吹く風
アートとモノづくり

多くの方に読んでほしい

2013-11-16 08:48:05 | 本と雑誌
多くの方に読んでほしい
先週、「いわなび」フェス開催。
女川町物販ブースに足を運びました。
女川町のかあさん・とうさんが生きるために思いを込めた手作り作品を購入しました。
ものを生み出す行為は、存在を刻むこと。
子どももおとなも。

そして、女川町の方から…と1冊の書籍を手渡されました。
ブース担当している方は、「女川町」をいつも真剣に届けてくださる。彼女から気持ちを受け取ったはずの人が、粗雑に機械的に「作業・処理」してしまうことも多い。
余裕の無い社会の何というセンスの無さか…。
私はそんな歯車の一つに成り下がっていないかと、省みながら受け取らせていただいた。
私たちには「子どもの今」に向き合いつづける責任がある。
2年半、自分のこととしてどれだけ寄り添えただろう。
朝からページをめくる。
子どもたちの作文・俳句・絵画・写真が詰まっていて、校長・教頭・教職員…の手記が所々に添えられた、「3月11日と今」が伝わる。
私は、あの時、午前中に終えた卒業式の祝賀会中。
子どもと保護者と共に、あまりにも幸せな時間を過ごし、テレビ画面で地獄を目にした。言葉も出せずに、泣いた。
でも、本を読んで…。
涙が止まらない私は、何て弱いのだろう。

読んで、どこよりも希望がある女川町を感じてほしい。


胸の内

2011-04-23 18:32:36 | 本と雑誌

母~オモニ 母~オモニ
価格:¥ 1,260(税込)
発売日:2010-06-04

姜尚中「母~オモニ」

在日の方々の苦悩と生き様。

新日曜美術館の司会者や、その他諸々で大活躍の著者に興味を持って入り込んだ小説。

淡々と流れる話に、日本という国の残虐さや差別意識、劣等感がサラっと触れられている。

そして、母という存在の大きさがクローズアップされる。

受け継がれる血の濃さが「オモニ」という言葉で強烈な印象を落とす。

ああ、私も人の子。

嫌が応無しに何かを受け継いで誰かに継承するんだなと思う。

そんな社会的な差別など眼中にないけれど、わたしはどこへ行こう。


いつか

2011-03-15 00:59:30 | 本と雑誌

いつか、虹の向こうへ (角川文庫) いつか、虹の向こうへ (角川文庫)
価格:¥ 500(税込)
発売日:2008-05-24

「いつか、虹の向こうへ」…伊岡 瞬。第25回横溝正史ミステリ大賞。

私にしては珍しいハードボイルド小説。

どうにも不運で人間くさい弱さを持つ元刑事。

心に留める物語は「虹の種」の話。

これが小説のスパイスになっている。

他人から見て幸せそうでも比較できない幸福の尺度。

虹の種を蒔いた人によって、不幸な人ほど大きな虹ができるという。

誰かの身代わりなどできやしない。

誰もがその人だから、その人としての存在価値があるのだと思う。

たぶん映像化されても見れない。

暴力描写はやはり苦手だ。


部分的リアリズム

2011-02-21 23:25:11 | 本と雑誌

本については、随分ふれていなかったけれど。

オー!ファーザー

オー!ファーザー
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2010-03

大好きな伊坂幸太郎。

もし、自分に父親が4人もいたら・・・。

どんな人生だっただろう。

それも、ハチャメチャな。

「我こそは父親だ」とけん制し合うって、

どれだけ深い愛情でしょう!

泳ぐのに、安全でも適切でもありません (集英社文庫)

泳ぐのに、安全でも適切でもありません (集英社文庫)
価格:¥ 480(税込)
発売日:2005-02-18

ここに出てくる女性は、みんな凛としてきっぱりしている。

たじろがず、初々しくて、疲れきってはいても愛おしくなる。

ちょっと、はんかくさい。また、それが憎めない。

うんうん・・・と読んでる自分がいた。


彼独自の世界観

2009-01-15 22:26:38 | 本と雑誌

星々の悲しみ (文春文庫)

『星々の悲しみ』(宮本輝)文春文庫

装画・有元利夫

100号の油絵を盗む浪人生。

結核をわずらう青年。

動き出す理髪店の蝶の標本。

・・・

宮本輝の世界は、日常的にして奇抜。

それから、

今日、職場で『愛を読むひと』という映画の話を聞いた。

「ほらほら、タイタニックに出ていた女優さん。デカプリオとまた映画出てたよね。

でも、『愛を読むひと』って言うのにも出てて、そっちの方が見たいんだ。』って。

大まかなストーリーを聞いているうちに、

「???」「それってもしかして、『朗読者』っていう本で出ていませんか?」

それで、調べたらやっぱり、ベルンハルト・シュリンクが原作だった。

朗読者 (新潮クレスト・ブックス)

映画化になったなんて、ステキすぎる。

観たいな。