uncolored wind

私に吹く風
アートとモノづくり

現実を受けとめる逃避思考

2008-12-31 18:51:05 | 映画

パンズ・ラビリンス 通常版 [DVD]

「パンズ・ラビリンス」…「永遠のこどもたち」っていう映画に興味があった。

まだこちらでは公開されていなくて(T-T)

仕方なく、制作した方が監督した「パンズ・ラビリンス」を見る。

時代背景がスペイン内乱の頃で、母親が後妻に入ったところがファシストの巣窟。

子どもって、置かれた環境を受け入れて生きていかなくてはならない。

どんなにひどい仕打ちにあっても、希望を失わないで生きていく。

自分の不運を幻想に置き換えて。

ファンタジーと切り離して流れを詠むと、踏んだり蹴ったり虫けらのごとき生き様でしかなく、

子どもの内面であがく不幸を回避する思考が加わると、観ている方も何となく救われる。

さすがに「ヘルボーイ」や「ミミック」を手がけた監督らしく、

あらゆる部分に、同じ傾向の画面があって…、

私としては勘弁してほしかった。

ファンタジーでありながら、R-12というのも残念だけど、

大人社会のドロドロの描写があってこそ、作品が深まっているんじゃないかな。

「魍魎の匣」…京極夏彦。彼はすごいねえ。

キャストも阿部寛、堤真一、椎名桔平、宮藤官九郎…と、豪華。

人間の深層心理。ともすれば、誰にでもおこり得るも魍魎世界。

生きながらえる事への執着とカニバリズム。

戦争という集団心理的で閉鎖的で、生命に優劣を付けられる異常事態。

そんな人間のエゴが伝わってくる。

椎名桔平のずっこけキャラと、宮迫の熱血小心キャラが、

から揚げについてくるレモンとパセリのような役割を果たしている。

これ、いいんじゃないかー。


細く長く…

2008-12-31 08:47:32 | 食・レシピ

細く長く…
年越し蕎麦を食べに行こう!と、

大掃除(大片付け)の手をとめて、近所のチェーン店へ。

私の住んでいる地域は、手打ち蕎麦屋がたくさんできたから、

更科タイプのこの店には、すっかり足も遠のいていた。

でも、ここのカキ蕎麦をたまに食べたくなる。

以前は、厚岸産のカキがゴロゴロと、一面のワカメの上に乗っていて、

まるで海でくつろぐラッコの群れのようだった…。

カキはまだコロコロと入っているけど、風貌は変わってしまった。

仕方がないか。

私は幼い頃、この本店に行っていた。

まだ、ご夫婦が二人だけで営む「食堂」で、

バス停の傍にあり、 友だちや親たちと冬に町のスケートリンクへ行くと、

帰りに温かいものをみんなで食べた。

集金が面倒なので、

同じ金額のカレーライスかラーメンかかしわ蕎麦の三品から選んだ。

寒いスケートの後に、この美味しい薫りと立ち上る湯気が何とも言えず、

幸せだった。

今年も肺活量を駆使して、元気にすすった。

量は、相変わらずハンパなく多いわ。

2008年、ごっつぁんです!