稽古なる人生

人生は稽古、そのひとり言的な空間

橋本真也亡くなる。

2005年07月12日 | 剣道・剣術


【プロレス界に衝撃…橋本急死】“破壊王”の愛称で親しまれた人気プロレスラー、橋本真也さんが11日午前10時36分、横浜市内の横浜市立大付属市民総合医療センターで亡くなった。40歳だった。岐阜県出身。死因について、橋本さんの代理人側は「脳幹出血」と発表した。橋本さんはこの日朝、横浜市内で倒れ、救急車で同病院に搬送されたが、すでに心肺停止状態で、間もなく死亡が確認された。フリーの立場で今秋のリング復帰を目指していた矢先の無念の死となった。(デイリースポーツ)

10年ほど前の夏だった。
東京九段の武道館の武道学園の夏休みで、
練習生は毎週三回の自主稽古を行っていた。

ある日、道場に行くと少し妙な雰囲気である。
先輩たちが固まって稽古しているが、
片隅にでっかい大きな男が不愛想に突っ立っている。
垂れには「橋本」とだけ書いてあって所属は不明。

先輩達のほうへ行くと、「彼の相手してくれ」と、
くだんの「橋本」のほうを指差す。

相手の技量がわからないが、ともかく元に立つ。
構えは初心者。でも気迫がスゴイ。
雄叫びを上げながら突進し面に打ち懸かかってくる。
あんなの受けたら怪我するぞと避ける。
瞬間にターンしてきてまた打ち懸かかってくる。

いつまでも避けてばかりも芸が無いので、
タイミングを見て出小手を放った。きれいに入った。

入ったと思った瞬間、橋本の竹刀が左肩に食い込む。
道場の床に身体ごとめり込むかと思った。すごい衝撃だ。
痛みを我慢して右に抜けたが左肩が激痛でしばらく動けない。

先輩たちが避けてた理由がわかった。
これでは格闘技だ。何者だ?この橋本というやつは?

次は、体捌きを早めに行ない完璧な出小手を決めた。
すると橋本の顔つきが見る見る変わっていく。
真っ赤になって目が釣り上がってくる。
先ほどにも増して、雄叫びとともに竹刀が飛んでくる。
命懸けで逃げた。逃げながら出小手を返した。胴も放った。

はっきり言って怖かった。殺されるかと思った。
竹刀を放り投げ「素手で勝負だ!」って言われたどうしよう?なんて思ってた。
最後まで真剣勝負そのものだった。

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これが橋本との出会いである。
稽古が終わってから「彼がプロレスの橋本だ」って聞かされても、
プロレスに興味の無かった小生はただの「怖い妙なヤツ」な印象だ。

それから何回かは稽古した。
無口な人で、とうとうひと言も喋らなかった。
何か得るところはあったのか無かったのか?

後にも先にも「殺されるかも」と思った剣道稽古は、
橋本との稽古だけだった。


【追記】関連記事あります。

故橋本真也(プロレスラー)と稽古した事
https://blog.goo.ne.jp/kendokun/d/20170309
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