稽古なる人生

人生は稽古、そのひとり言的な空間

【昨日の続き】先の気位、崩れない構えについて

2019年11月26日 | 剣道・剣術
昨日のブログで剣友からコメントが届いたので紹介します。
(七段同士の会話として認識してください)

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こんばんは。今日のブログの結論の、
究極のところ、剣道は「自分が崩れなければそれで良し」なのである。
は、私はちょっと違うかな~?

崩れないって思ってやっていると、だんだん凝り固まってしまうと思うんですよね。
よく、いくら打たれても、待っていての迎え付きばかりで「わしは崩れてない」とか
「打たれてない」とか言う人がいますが、それは相手に後れを取っているからで、
心は居着いていると思うのです。

私としては、どんな相手でも自分が先を取って攻め崩して、
相手を使えなければ負けだと思います。
私は、剣道は究極のところ「先」だと思っています。
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それに対しての私の返事。
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同感です。
私より2才年下の範士八段がいるのですが、どう攻めても平然としています。
必要最低限の動きで守り崩れません。崩れないので「あらら、どうしよう・・」
と思った瞬間に上に乗られて面を打たれました。

常に先の気位でいること。そして相手の攻めに崩れないこと。
打つ前、打つ時、打った後すべてに崩れない剣風でありたいと思っています。
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ようするに「先」と「崩れない」は異なる次元です。
常に先の気位を持つことは剣道では大切なことです。
「崩れない」のは構えだけでなく心もそうです。
相手を攻め崩すために自分が崩れては駄目だと思うのです。

相手のレベルによって違います(ここ大事です)が、
先の気持ちだけで理合も無く打ってくるのを迎えて突くこともあります。

「先の気持ちで相手を動かす」ことが重要ですが、
何をしても動かない相手は、かなりの実力をお持ちか、
ただ単に鈍感なだけ、もしくは傲慢な性格の場合があります。
しかし鈍感や傲慢な人は、打たれて平然そうに見えていたとしても、
何回も同じように打たれ続けると心は萎えているものです。(と信じます)

ちょっと図式にしてみました。
縦軸が先の気位、横軸が崩れない構えです。



当然ながら先の中には「先々の先」も「後の先」も含まれるし、
構えの中には「身構え」も「気構え」も含まれます。

私の師匠は「身構え気構え」「先の気位」「鎬を使う」「合気」「自分から攻め入る」
「打つ前、打つ時、打った後が同じ姿勢で」「残心に気を配る」・・とよく言われます。

これはなかなか難しく、同じようにやっているつもりでも、
時に傲慢で、待ち剣に見えてしまう場合もあるだろうし、
また逆に、自分勝手に攻め入って、ドタバタしてしまう場合があると思います。

目指すは、先の気位で、崩れず、合気の剣道である。
というのが今日の結論です。
コメント
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