田園都市の風景から

筑後地方を中心とした情報や、昭和時代の生活の記憶、その時々に思うことなどを綴っていきます。

初めての台湾旅行(1日目) その2

2016年12月17日 | 日々の出来事

  国立中正紀念堂の4階に来ました。このフロアには蒋介石の大きなブロンズ像があります。中正は蒋介石の名です。彼の像を眺めながら台湾の歴史について思いを巡らしました。

 その時は気がつきませんでしたが衛兵が立っています。後で調べると毎正時に衛兵の交代式があるようです。衛兵の交代式は3日目に訪れた忠烈祠でもありました。

 

 紀念堂から中正紀念公園を望みます。公園の面積は25ヘクタールあります。向こうの正面にあるのが自由広場門、その右にあるのがコンサートホール、左手が歌劇場です。

 本では知識を得ていても、現地の空気に触れるとその国の歴史や風土を肌で感じます。 壮大な公園を見ながら、この大きな階段を下りて行きます。

 

 公園ではお年寄りが将棋をしています。昔、中国に行った時も公園で寛いだり太極拳を舞う人々がいました。歩道での飲食など、屋外も生活の場になっているようです。

 日本でも私が子供の頃は大人たちが道路に縁台を持ちだして将棋をしていましたし、外で多くの時間を過ごしました。 

  近くの地面に置いてあった将棋盤です。どのようにして遊ぶのでしょう。 

 その後、台北を後にして十分へ。十分は山間にある小さな町で、十分大瀑布と天燈上げで知られています。この日は天燈上げ体験です。

 天燈はビニール製で、墨汁の様なもので願い事を書いて空に飛ばします。火種に火を付け、暖まったところで手を放すと空に上がっていきます。運気の種類によって天燈の色が違います。多色の方が値段が高いそうです。

 

 旧暦の1月15日にはランタンフェスティバルが行われ、夜空に1000個もの天燈が上がるそうです。

 ガイドによると天燈は回収されて、綺麗なものは再利用されるそうです。しかし毎日のことなので回収作業も大変だろうといらぬ心配をしました。 

 写真を撮っていると笛が鳴りました。何事かと思ったら列車が来ました。天燈上げは鉄道の線路上で行われているのです。ここは平渓線といって山の中を走るローカル線です。列車が来るのは1時間に1本なので、その時だけ避ければ済みます。 

 もう夕方近くになりました。この日の食事は、十分からほど近い九份という町です。

 九份訪問は今回の旅行で一番楽しみにしていました。ここは映画「非情城市」の舞台となった街なのです。この映画は、日本による統治が終った後の1947年に起きた2・28事件を背景に、外省人と本省人との軋轢を描いています。

 九份は金鉱山で働く鉱員たちの夜の遊び場として賑わっていましたが、閉山になって寂れてしまいました。しかし映画のロケ地となったことから観光客が訪れるようになり、賑わいを取り戻しました。

 豎崎路という、100段以上もあるような階段を上ります。この道は映画の場面に何度か出てきます。観光客もその雰囲気を味わうため、ここを歩きます。写真は手振れでボケています。

 この先が食事会場です。ガイドを先頭にツアー客は階段を上っていきます。私は家内とゆっくりと上っていましたが、ふと気がつくとガイドと他のツアー客がいません。家内をその場に残し、急いで上っていきましたが、人も灯も途絶えた場所まで来てしまいました。

 こんな所で迷子になってしまったと、一時は途方にくれました。食事をする店の名前も聞いていないのです。取りあえず家内と合流しようと階段を下りていくと、同行していた家内の弟が道に出て私を待っていました。

 先ほど横の路地でツアーの小旗を持ち、こちらですよと言っていた女性は私達が食事をする店の人だったのです。日本語で叫んでいるので、別のグループのガイドだろうと思っていました。私達のガイドはしきりに悔やんでいたそうです。 

 下の写真は九份を紹介するガイドブックには必ず登場する「阿妹茶樓」です。ここは撮影スポットになっていて、横の路地では多くの人がスマホを構えて撮影していました。私達は向かいの酒飯店で食事をしました。この写真は酒飯店の2階から撮っています。実際はもう少し赤みがかった色合いです。 

 この店は「千と千尋の神隠し」の「湯屋」のモデルとなったと宣伝されていて、ガイドブックでも紹介されています。店の入り口には「神隠少女 湯婆婆的湯屋」という赤い張り紙があります。私は映画を見ていませんが、宮崎監督はインタビューで否定されているそうです。

 階段の豎崎路と交差している基山街という道には、土産物店と食べ物の店がびっしりと並んでいます。時間がなく、ちょっと目にしただけで九份を後にしましたが、本当はこの道を歩きたかったのです。土産物の店をひやかしながら、お菓子などを試食して歩くのは旅の楽しみです。九份は事前にネットで調べていました。ここで陶製のオカリナを買い求め、孫への土産にする積りでいましたから心残りでした。

 

 この日の宿泊は桃園市でした。ホテルで荷物を解き、ビールを買うためすぐ近くのコンビニに出かけました。途中の道は5車線もあるような大きな道路でしたが、そこだけ歩道が無かったのでちょっと怖かったです。

 空港からのバスでガイドは、台湾は車優先ですから横断歩道は手を挙げて渡って下さいと言っていました。司馬さんの「台湾紀行」でも、懇意になった「老台北」から「台湾は車優先の国です」と言われた話が紹介されていました。

 そう思って歩いていると、すぐ先の横断歩道を数人の人が手を挙げて渡ってきます。本当だと妙に感心しました。でもよく見ると同じツアーの人達のような気がします。ガイドの話を真に受けているのでしょう。

 台湾では手を挙げて渡る人は見掛けませんでした。逆に自己責任で、信号待ちをしている車列の間を縫って道路を渡る人もいました。ただ歩道脇の信号機器に次のような張り紙があると、少し用心する気になります。 

 

 (この記事続きます)

 

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2 コメント

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平渓線 (tango)
2016-12-17 09:02:40
思い出しています
九分は匂いが強かったのですがあちらをキョロキョロ
しながらかなり楽しみまhした
平渓線・・・これは見ていません
写真では見ていましたが見学していませんから
残念!
衛兵の交代は見ましたよ・・・
目が動かないのに驚きました
台湾も見どころは多いですよね
しかも都会です
台南までは新幹線で行ったり高雄まで飛行機で
いったり楽しい旅行を経験しました
九州様の記事を読みながら思い出しています
続きを待ちますね~~(^_-)-☆
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今晩は (九州より)
2016-12-17 18:09:27
九份は印象に残りました。
今度行く時はゆっくりと歩きたいですね。
十分は九份からそう遠くはありません。
線路の上でランタンを上げることは日本ではとても出来ません。
間近を列車が通るなど、良い経験でした。
台湾は親しみの持てる国です。
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