群馬横川駅の峠の釜めしは有名だ。
益子焼きの一合釜に入った駅弁である。
子どもの頃は、列車で軽井沢に避暑で
行く時には、峠の釜めしを食べるのは
私たちは「絶対事項」だった。
当時、まだ軽井沢銀座などはなく、別荘
と古いホテルだけがある閑静な避暑地が
軽井沢だった。最高に良い場所だった。
毎年の刀工小林康宏の山梨の日本刀鍛錬場
での合宿においては、刀剣会のメンバーが
横川のおぎのやまで行って参加人数分の
釜めしを買い出しして来てくれる。
これは、かなりありがたい。
刀工を囲んで参加メンバー全員で峠の釜
めしを食べるのが恒例の定番になって
いる。私とおない年同学年のメンバーが
率先してやり始めた企画で、毎年参加全員
に喜ばれている。
横川の釜めしは、そのまま容器を使って
米を炊く事ができる。
これも子どもの頃から何度もやった。
ただ、1合炊きなので飯盒よりも少ない。
ガキンチョの時は、崎陽軒のシウマイの
陶器の醤油注しと同じで、このおぎのや
の釜が貯まるのが楽しみだった。
崎陽軒のシウマイ醤油注しは、なんだか
コレクターまでいるらしい。
あくまで不確かな記憶だが、1960年代
の峠の釜めしの釜は、もっと色が濃い
焼き物だったような気がする。
残念ながら横川駅ー軽井沢間の鉄道は
1997年に廃止された。
こんな残念なことはない。
広島県も可部線が終点までの路線が廃止
された。
この可部線の路線は、景観の良い河川に
沿ってずっと広島県の山間部の奥まで行け
る鉄道だった。
終点は三段峡という紅葉の美しい名所だ。
水も美しくマス族が釣れる。
しかし、廃線になってしまった。
可部線もそうだが、軽井沢までの鉄道が
無くなったというのは、かなりのショック
だ。まるで山手線が消滅した程の衝撃を
個人的には受けた。
しかし、おぎのやの峠の釜めしは不滅だ。
今でも変わらぬ益子焼きのお釜に入った
美味しい駅弁を食べることができる。
これはとても嬉しい。
軽井沢に行くなら峠の釜めし。
そして軽井沢なら万平ホテル。
半世紀前と佇まいは変わってない(笑)。
創業120年を超える老舗ホテルだ。
良い感じ。
(追記)
50数年前の峠の釜めしの釜をまだ母は
持っているらしい(笑)。
しかも、友人家族が欲しがったので3個
あげたが、まだ5個程半世紀前のおぎのや
の釜が家にあるという。
こりゃまた物持ちがよい(笑)。
その1合釜では数えきれないくらい炊き
込みご飯を炊いたそうだ。
そのお釜は大昔に軽井沢に行ってた頃に
駅のホームで買った峠の釜めしの釜なの
だろうなあ。
崎陽軒のシウマイの醤油注しと共に、こう
した容器の形が残るお弁当というのは、
なかなか良いものですね。
この横川のおぎのやの峠の釜めしは、弁当
自体も美味しいのですが、この容器がかな
りお土産アイテムになるのです。
碓氷峠のアプト式のあの山岳鉄道が無く
なったのはこれはもう歴史的な幕であり、
残念の極みだけど、峠の釜めしはこれから
も食うどー!