渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

映画鑑賞 『野蛮なやつら』(2012)

2021年01月17日 | open
やっぱ、映画観るときゃこれにポップ
コーンだよなあ。
 
ひゃーいいとこ。


とか思ってたら、のっけから、麻薬組織
に首チョンパされた死体がゴロゴロ出て
来る映画だったぁ〜。
しかも、ナレーションの白人女がとんで
もなくへったくそ。
これは超弩級のZ級かも・・・。
しくったか。


シェー・ウィガムがマイケル・J・
フォックスにしか見えない(笑)。


まあ、オリバー・ストーン監督とジョン・
トラボルタの悪役ぶりに期待して最後
まで観ることにしよう。2012年作品。
オリバー・ストーン監督作品ならば、
『プラトーン』(1986年)は絶対に
見逃すなよ、映画ファン。
って、もう観てるだろうけど。
おいらも何度も観た。『ハスラー』程
ではないにせよ。
くっそリアルすぎるのがなんともアレ
だったが。
『プラトーン』で注目すべきは、デビュー
間もないジョニー・デップだ。
主役を食いまくりの天才的演技だった
ので、セリフシーンはすべて大幅に
カットされた。
このベトナム戦争映画は、アメリカでは
黒人が高校に行くのも珍しかった時代
を舞台としていた。
1964年、全米初の大学進学した黒人
女性は白人たちから「猿が人間社会に
来た?」と猟奇的に扱われていじめら
れて自殺した。黒人たちは高校にさえ
進学できないのがアメリカ社会だった。
大規模な公民権運動が起きたのはその
後だが、「公民権」である。黒人はまだ
奴隷の延長と米国白人は見ていたのが
私が子どもの時代のアメリカだ。アメリカ
インディアンなどは奴隷どころか虫以下
の扱いだったし、これは今でもそう
であるのが米国社会だ。黒人大統領は
出たが、アメリカインディアンで大統領
が登場した時、初めてアメリカ合衆国は
民衆の国家となったといえるだろう。
ベトナム戦争の時代。アメリカ合衆国
とは虚飾の「民主主義国家」だったので
ある。
それは今でも全く変わらない。
トランプ大統領を見てみるがいい。
この映画の題名「野蛮なやつら」とは
まさに、トランプのような種族の事だ。
栄誉あるアメリカ合衆国大統領にあり
ながら、暴力で民主主義体制を破壊する。
あれがアメリカ人のアメリカ人らしい
もっともアメリカンな姿なのだ。
彼こそがUSA。彼こそが大統領である。
あんたが大将よりも上だ。
あれを大統領にした米国人民たちは
大いに恥じるべきだろう。
そもそもアメリカ人は恥じることを知ら
なすぎる。
それは、暴力でしか国家を運営できない
未熟で野蛮で粗野で未開な国家作りを
北米人がやったからだ。
アメリカには夢がある。
すべての人種、国家を超えた人々を
受け入れて、そして互いに助け合って
築く国の姿をアメリカは素地として
持っている。
だが、それを壊して我が物顔で専横を
決め込もうとする人間たちが多すぎる。
それがアメリカ合衆国に巣くう「野蛮な
やつら」だ。

1986年、『プラトーン』でアメリカ合衆国

の真の姿を描き切ったオリバー・ストーン
監督は、骨のある映画監督だと思う。
『プラトーン』がなぜ歴史的な作品か。
それは、アメリカの「悪」と「罪」を
アメリカ人自身が描いた初めての戦争
映画だったからだ。
それまでのアメリカ産戦争映画は、
インディアンに襲われた市民の窮地に
騎兵隊がやって来てインディアンを皆
殺しにしてヒャッハ~!いいぞ~!
拍手喝采!の戦争映画ばかりだったから
だ。
すでに西部劇では、その見直しがされた
作品は少数ながら出てきていたが、
アメリカが行なった国家戦争は、アメ
リカによる戦争賛美の作品しか(「しか」
である)存在しなかったのだ。
それは、真実を描くと困る連中がいる
から。その連中が国家的軍需産業を
動かしているから。
アメリカという国は、構造的に10年おき
ごとくらいに国家的戦争をしないと
成立しないシステムになっている。
戦争を起こして参戦できないような
状況ならば自国民を大量に殺害して
でも戦争理由をこしらえる。
そういう国がアメリカ合衆国なのだ。
これは映画ではなく、現実世界の話だ。

そのアメリカに戦争で負けた日本国は

アメリカのポチとなった。
現政府与党、とりわけ自民党をはじめ
とする保守陣営層は、売国奴であり、
全員米国のポチなのだ。
民主主義者ではない。
そして、社共は、旧ソ連・中国の手先
だ。社共のうち「社」は風前の灯だった
が、過去日本では二度政権与党となって
いる。
戦後アメリカが作った疑似民主主義体制
の「予定調和」の体制の中で。
 
ということで、『野蛮なやつら』を観た。
存外面白かった。
しかし、最後が抒情的過ぎる。
「野蛮なやつら」は感傷的な良い意味で
使われていた。
がっかり。
しかし、映画は映画としては面白い。
あくまで映画として。
 

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