渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

1983年の薬師丸ひろ子 映画『探偵物語』

2023年08月16日 | open
 

 























 




















映画『探偵物語』から。
薬師丸ひろ子が滅茶苦茶可愛い。
この作品は公開時に映画館で
観たが、やはり演技派二人の
出演なので、かなり映画とし
ても良い。
リアルで玉川大1年生になった
薬師丸ひろ子が初めて女子大生
を演じた。田園調布の豪邸に
住むお嬢様役。
大学のシーンのロケは立教大学
だ。
 
何だか、薬師丸ひろ子が一番
薬師丸ひろ子らしい役だった
ように感じる。
ウブなのに背伸びして大人ぶ
る揺れる18才から19才の境目
の女の子を巧く演じていた。
スレてない女子大生の1年生は
こんな感じだった。
いや、ほんと。
18から19になり、大学生活の
中で次第にだんだん女に変化し
て行く。
人は新しいものを得る時、何か
を捨てる。
その微妙な端境期を薬師丸ひろ
子は役になりきって演じている。
台詞のない表情だけの演技も
実に冴えていて良い。








最後の空港のシーンはいいね〜。
優作もやるやる。本気の演技(笑
いや、演技が本気。
ライトな角川恋愛映画にしては
なかなか良い映画だ。
 
この映画は、センセーショナル
を起こし、漫画『ストップ!ひば
りくん‼︎』でもパロディで描かれ
た(笑
 
本作は『時をかける少女』と併
だった。
渋谷で大学の後輩の女の子と観た。
映画館は大入満員で立ち見だった。
まあ、その2作併映というのは、
かなり贅沢。
両作とも出来が良い作品でどちら
メインか分からない感じだった。
娯楽作品としておすすめ。
原作は赤川次郎。
 

台詞無しでも演技派薬師丸は
存分に役者の真骨頂を見せる。
良い。
 
どんどん劇中で大人になって行く。
これは主人公の成長を描いた物語
でもある。
その演技を薬師丸ひろ子が見事に
演じている。
年齢は少女なのに身体は大人。
そして心は少女と女の間で揺れ
動く。
それを描いた物語だ。
演技派女優薬師丸ひろ子、最高。
ストーリーは、赤川次郎なので
クライムミステリーである。
ラスト前の探偵辻山(松田優作)
の部屋でのシーンが絶品だ。
ずっとワンカットで長回しで
松田優作と薬師丸ひろ子の演技
が続く。
映画だ。
良い映画は良い監督、良い役者、
そして、役者に演技をさせる、
役者が演技をする確かな映像を
如何にキャメラに収めるかだ。
この作品は、良作。
 
どんどん大人になる変化を見せ
る薬師丸ひろ子の演技が見逃せ
ない。
凄いね、この人。18か19だよ。
たっぷりと女優してます。
 





















 
ラストシーンは、新井直美が
父の待つアメリカに旅立つ。
もう日本には帰らないかも
知れない。
いろいろあったが、彼女は処女
のままで日本をあとにする。
そのタッチの絶妙さ。
最後の空港での別れのシーンも
ワンカット長回しだ。
ただし、台詞は一切無い。
薬師丸ひろ子と松田優作に表情
と仕草だけで演技させている。
それがまた、目を離せない見事
な演技なのだ。




































たっぷりと映画してます。
まるでフランス映画のように。
本作、映画作品としておすすめ
です。

この作品の薬師丸ひろ子は演技
ではなくてまるで素のように
感じる。リアル薬師丸も北青山
のお嬢様だったからだ。
最初の結婚の時は、玉置浩二に
姓を薬師丸にするように両親が
希望して結婚生活がうまくいか
なかった(婿養子制度は戦後は
無いので夫の改姓)。
この映画の主人公の役は、素顔の
薬師丸ひろ子に限りなく近く、
また薬師丸ひろ子の出演作品で
一番役柄がマッチしているように
思える。お嬢様なのに運動神経も
良く、冒頭の田園調布の邸宅への
深夜帰りの時の木登りも吹き替え
無しでパッとこなしている。

 



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