愛の讃歌
もっとピアフみたいにサラリ
と哀愁もってうたえないのか
ね、このおっさんは(笑)。
岩谷時子さんの詩でうたうの
は不本意ですが、途中から
原詩の歌詞忘れてしまったの
で日本語の岩谷版に。
私の翻訳の歌詞もあるのですが、
ここは突如岩谷+こーちゃん版。
なぜ岩谷歌詞が不本意かという
と、国家反逆罪をもいとわない
ピアフの原詩が全く不在だから。
そして、ピアフのように「向か
う心」ではなく、「求める心」
に岩谷版は変容しているから。
岩谷時子の歌詞はあのフランス
で国も友も捨てるとさえした
ピアフの心境が全く存在しない。
フランスで国と友さえ捨てる、
というのは戦時中も解放後に
あっても、あり得ない事なん
です。
でも、そうまでしても自分は
貴方を求める、という向かう心。
死刑になるかも知れない最大の
背徳をも恐れないで向かう心。
それがこの曲の本来の姿なんです。
だからこそ、人々の感動を呼んだ。
単なる恋愛歌じゃないんです。
岩谷さんの歌詞は、単なる熱愛
の恋愛譚にしてしまってるのよ
ね。すごく良い詩を書く人だけ
ど、この曲のこの岩谷版の歌詞
だけは何だかなぁ、なんです。
命をかける抜き差しならない
心の在りかが存在しない。
この曲は、原詩のフランス語で
うたうのが正解かと思う。
歌詞忘れてりゃ世話ないけど。
私の訳はこんな訳。
愛の讃歌 ~Hymne à l'amour~
青い空が消えて 大地が崩れ去っても
かまわない あなたを愛せるならば
朝日にいだかれて あなたにいだかれて
ふるえるよろこび それさえあればいい
お望みならば このブロンドも
泥に染めるわ
お望みならば あの月さえも
盗みに行くわ
お望みならば 友も祖国も
捨ててみせるわ
あなたが望めば 辱めさえ
受けてもいいわ
あなたが死ぬ時も 私は泣かないわ
あなたが死ぬ時 それは私も
二人で天に行き 青い空の中で
一つに溶け合う 永遠(とわ)の愛
誓うの
Dieu reunit ceux qui s'aiment.
ピアフを超えるこの曲のうたを
聴いた事が無い。それはミレイユ・
マチューでさえも。
「歌」は多くあります。
「うた」はこの曲はピアフのみ。