北海道の友人の高校教師が、最近
の子どもたちは日本とアメリカが
戦争した事を知らない子が増えて
いると20年前に言っていた。
うそお?とか思っていたら、その
数日後、広島県三原駅前で男女の
高校生の会話が聞こえて来た。
駅前を歩く外国人を見て男子が言う。
「あ。基地の人じゃろか」
女の子は尋ねる。
「キチ?なんなん、それ?」
男子は言う。
「米軍基地だよ」
女子はさらに尋ねる。
「ベイグン?なんそれ。意味わか
らんわ」
男は言う。
「米軍知らんの?」
女は答える。
「知らんわ。意味わからん事言わん
でくれる?」
しまいには女は怒りだした。
びっくりすると同時に、友人が
言ってたのはこれか!と思った。
こうした例は特異な例だろうと
勝手に思っていたら、さらに実
態は追い討ちをかけた。
ある玉撞き者がいた。
私より14才年下だ。つまり1974年
生まれ。広島県内の私立大学を卒業
している。
一緒に数人で玉撞きをしていて、
休憩タイムに時事問題の話になり、
先の大戦についての話題になった。
その時、外国人二名もいた。
すると、その日本人の1974年生ま
れは、日本とアメリカが戦争した
事を知らなかった。
「嘘でしょ?ネタでしょ?」と
外国人は言う。
だが、どうやら本当に知らない。
それで受かる大学とは何なのか。
また、広島県に育ちながら、ど
んな教育を親や学校から受けた
のか。
広島県に生まれ育って戦争を知
らない?
日本人なのに日本がやった事、
やられた事を知らない?
原爆が落とされたというのは何と
なく知っていると言う。
「聞いた事ある」と言う。
でも、落とした国を確実に知らな
い。
そんな事ってあるのか?
あるのだ。目の前で起きている。
1945年の本日に広島市に世界初
の原子爆弾が落とされた事を知ら
ない日本人は何人いるのだろう。
もしかすると、何百万人もいる
のかも知れない。
ヒロシマ、ナガサキで死んだ人
たちよりも多いかも知れない。
日本人などは、存外そういうもの
で、同じ国の人がいくら死のうが
知ったこっちゃない、という人間
がワンサカいる。たまにではない。
そういう族に同調する人間もかな
りいる。
そんな国だ。
他国に侵略してそこを占領統治し
ようがおかまいなしの筈だ。
誰か自分とは関係ないとこで関係
ない人たちがやってる関係ない事
とか思っている。
日本が始めた戦争は日本がやった
のである。
無論、戦争を知らないという信じ
難い種族たちは、自省の念も何も
無い。はぁ?知りませんが何か?
てなもんだ。質すと怒りだす。
日本人にもそういうのがいる、
ではなく、そんなのがウヨウヨい
る。
死んで行った人たちは浮かばれな
い。全く浮かばれない。
ただ、そうした自分の事のみに
しか生きている興味がない種族
たちも助からないだろう。救われ
はしない。
77年目のきょう、広島県東部の
空は一面雲に覆われている。
あと45分で8時15分だ。