渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

共走り

2024年04月01日 | open
 


20代前半の若者は、私と走
ている最中も、走り終え
た時
も「とても面白いです」
と何
度も言っていた。
「大変勉強になりました。
これからも宜しくお願いし
す」とも。
免許歴は数年あるが、変な
がついていないのでネガ
部分
のみの矯正でグイグイ
曲がれ
て止まれて走れるよ
うになっ
た。
それは道中、休憩のたびに
「ここはああなってるから
そうなるんだよ。だからこ
うやるとこれになるよ」と
噛み砕いて物理的にカラ
クリ
を説明した。
そして、複数の選択肢から
みと感覚に合うものを選
るようにした。
 
マシンのセットアップについ
ても物理特性と好みを分けて
分かりやすくゆっくりと説明
した。
好みの問題と物理特性の問題
をきちんと分けて理解する事
はとても大切だ。
彼は精神性がとても素直で
若年ながら礼儀正しい人で、
こちらの言う事もよく咀嚼
て理解してくれた。彼
ゴルフプレーヤー。
ゴルフの世界は礼節無き者は
入れない。
当然、店内飲食の際には脱帽
する。
見ていると彼もごく自然とそ
うしていた。
これはゴルフだけでなく、社
の常識だ。
オートバイの世界は、不届き
とまではいわずとも、そのあ
たり非常に不心得者が多い。
単純にいうと礼儀作法礼節し
らず。飲食でも店内で平気で
いい大人の男が着帽したまま
飲食しているのがほとんどだ。
あれがバイク乗りという人た
ち?と世間からは見られるだ
ろうし、実際のところ、バイク
乗り云々関係なく社会人の大人
としては極めてみっともない。
園児じゃないんだから。
これらは法律では禁止はされて
いない。だが、礼節の問題だ。
土足で人の家に平気で上がった
り神社の鳥居に立小便するよう
なものだ。
しかし、そうした無様な慮外で
あると社会人として自覚する
バイク乗りは実に少ない。
なにも品行方正になれとはいわ
ないが、あまりも節度が無い。

二輪の乗り方にも通じるが、
好みの問題と物理特性をごっ
ちゃにする人は世の中かな
多い。大抵それらの人たち
は、物事の道理や原理を理解
する能力に乏しく、自己完結
で物を考えようとする。真の
意味で人や物事と折り合いを
つける事ができない。自分の
中で観念的なものと物理現象
を正確に区別して読み取る事
できないからだ。
さらにそれらの類型の人たち
は、物事を正確に読み取る識
別力さえも待ち合わせていな
い。
この類型の種族は学力とは関
係ない。東大卒だろうが
世の中バカはバカだ。
 
オートバイは実は体力でも学
力でもなく人間の知力で乗
る。
世界チャンピオンだったヤー
ノ・サーリネンの名言がある。
「ボウリングをできる体力が
あればモーターサイクルには
乗れる」と。
だが、ただの運行と運転は異
なる。
なぜだろう、どうしてだろう
と考察する事を抜きにして絶
対に「運転=操作と操縦」は
上達しない。
 
目から鱗落ち、と言いながら
眼をキラキラさせて「本当に
楽しかったです」と言って
別れた若者だったが、今後も
無事故でずっと乗ってほしい
と願う。
何か得られるものが確実に
あったようで、喜んでもらえ
てこちらも嬉しい。
コーナー進入前のブレーキン
グ同時ブリッピングシフトダ
ウンに最初は手こずっていた
ようだが、段々感覚を掴んだ
ようだった。
そのうちスポーティーライデ
ィングでのシフトアップの原
理とやり方も教えよう。
今はもっと大切な事から。
それは「マシンとの対話」だ。
挙動の感知である。
 
地元帰還後の三原市内の散会
地点では、不幸な訃報が若
のスマホに届いていた。
彼の知り合いが、同日の朝、
ツーリングに行く途中で
東広
島で事故に遭い、死亡
してし
まったのだった。
ほんの前日の土曜日に仲間た
ちで電話で話していたのに、
その翌朝事故に遭ったのだ。
ロードレーシングライダーだ
ったノリック阿部選手が川崎
市内の一般道で遭って死亡
たのと同じようなケー
の事
故のようだ。
昨朝の死亡事故は報道でも流
れていた事を散会場所で二人
でスマホで確認した。
 
目の前に突然壁が現れたら、
二輪だけでなく四輪車でも
避けられない。
四輪車は助かる可能性もある
が、二輪運転者の場合はまず
ほぼ死亡若しくは重症を負う。
とても悲惨な訃報に、同行し
た若者は絶句していた。
私は直接知らない方だが、私
もとても悲しくなった。
言葉を失った。
 
 
 

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