渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

日本刀研磨師のナイフ

2020年06月02日 | open
 
 
ぶ厚い刃なのに爪楊枝でフェザー
簡単に作れてしまう日本刀
研磨師が自作した
オリジナルナイフ。
日本刀研磨師としての腕と剣道
教士七段
としての剣士の視点が
高次に融合した
ナイフといえる
のかな。
鋼材は高速度鋼だが、造形の設
計も、製作
も研ぎも自分でなさ
っている。
さすがに特殊鋼なので、焼き入
れと焼き
戻しは専門業者だ。
硬度計測値の札が付けられて返
って来る。
ロックウエル64。俄には措信し
難い程の
硬度が出ている。
ハイスは焼き戻しで二次硬化が
起きるが、
二回、三回焼き戻し
は常識だ。残留オー
ステナイト
を完全変態させる。
これほどの高硬度であるのだが、
砥当たり
は柔らかいという不思
議な鋼だ。
炭素鋼の日本刀では、ロック
ウエルが67
にもなる部分も部
分的には存在する。
刃こぼれせず、粘って高硬度
な鋼にまとめ
られた日本刀は
恐ろしい。
 
この教士研師の先生が造るナ
イフに何故
自分は惹かれるの
だろうとずっと思って
いた。
気づいた。
重ねこそ違えど、このナイフ
は鎧通しに
雰囲気が似ている
のだ。
まるで短い鎧通しみたい
なオ
ーラを漂わせている。


(映画『必殺!THE HISSATSU』
より。仕事人
片岡孝夫が使う鎧
通し)

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