渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

転倒

2024年05月12日 | open

峠で限界までバンクして事故
ったけど警察呼ばなかった【FZX750】


先生が転倒。
これはとても珍しい。
37年ぶりらしい。
深いバンク与えて車体が接地
し、
タイヤが浮いてしまった
ようだ。

これは世界チャンピオンでも
転倒する。

こうしてあてくしの無転倒
さらに更新されるのだった。

1985年9月から一切公道では
んでいない。
二輪では39年間無事故無転倒。
立ちゴケは生まれて一度も無
い。

だが、無違反ではない。
交通違反というものは40km/h
制限道路で41km/h
出したらそ
れは違反だから。

なので無事故無違反ではない。
無事故無転倒だ。

私の最後の転倒は山梨県と神
奈川県を結ぶR413の「どうし」
った。



↑ クリックで拡大(PC)

富士五胡の山中湖から神奈川
に抜ける峠道
で「道志」とい
うロードがある。国道413号
通称「道志みち」と呼ばれ
ている。


この道志みちから見る富士山
の夕焼けが
絶景で、ずっとな
だらかな坂を登る時に
右手を
見ると富士山麓が一望できる。

ホントの絶景。写真や画像で
は伝えられない。



1985年のある日、首都圏の学
生合宿を終えて午後山中湖を
出立して、道志を抜けて帰る
事になった。

その1985年のある時、道志を
抜けて横浜に帰還途中、私は
同行者へのペース配分をしな
がら極低速で峠を抜けていた
のだが、超低速左ヘアピンで
転倒してしまった。
いわゆる「ズルゴケ」という
やつで、低速での転倒だ。人
生で初めてのパターンの転び
方だった。
理由は分かっていた。
低速で旋回Gがかからずにサ
スが沈んでいないのに寝かし
過ぎてそのままパタリという
感じでカシャンと転んだのだ。
左コーナーで転んでも対向車
線にも出ない。そんな転び方。
ガンマもそれほど疵付かなか
った。

すぐに起こして、バイクをチ
ェックして再走行となった。
左右のレバー類は、上下方向
にテンションがかかると回る
程度の締め付けトルク(レー
サーでは常識)にしていたの
で、レバーは折れない。
また、ダメージは皆無に近い
のでそのまま走ることになっ
た。
多少トラクションをかけて車
を走らせたかったので悪いが
同行者たちに言って単独先行
させてもらうことにした。
もう少し速いペースで全体を
運行させてもよかったのだが、
その時は免許取りたての初心
者が数名いたので超スローペ
ースで先導走行していたとは
いえ、私の超低速走行の走り
はとても下手だったのである。

転倒したコーナーはここ。

このマップでは左から来て右
上に抜ける、国道では上り車
線側だ。
なぜ覚えているのかというと、
峠の乗り屋というライダーは、
道路標識などのランドマーク
では道を記憶に刻まない。
コーナーのRや勾配等で覚えて
いるのだ。
このコーナーは少し下って登
るというレイアウトで、コー
ナーのエイペックスあたりが
谷になっていた。39年前の記
憶だが鮮明に覚えている。





このコーナーの進入時点では
何の問題もなかった。






超低速なのに馬鹿だからトラ
クションかけずに
ペタンと寝
かせたらそのままスリップダ
ウン
したのがここ。


起こして先行させてもらった。
これはコーナー出口。


ここからは、「自分の通常
速度」で走行した。





同じペタ寝かしでも安定度が
全然違う。
このグーグルストリートビュー
のバイクのあと3寝かしプラス
位の寝かし。
ガンマだけではなくどの二輪
でもそうだが、旋回Gでトラ
クションをかけないと当然に
してタイヤのみのグリップ力
頼りになるので簡単にスリッ
プダウンする。
要するに速度に見合わず低速
寝かし過ぎるな、なのだが。

この画像からも判るように、
道志のこの区間は緩いアップ
ダウンとRのきついコーナー
が連続する。トラクションが
抜け易いので、旋回には充分
にGをかけてサスに仕事をさ
せないと危険だ。

そういうロード。
かといって、サスを柔らかく

して沈みやすいようにセット
するのは、それは「虚構の
接地感」を得てしまうので✖。
サスペンションは適正セット
があるので、単に柔らかく
ロングストロークにセッティ
ングすればいいというもので
はない。
サスペンションは減衰力では
なくバネレートで仕事をする。
これ結構大切。
減衰はあくまでもバンプ終息
のためのみにセッティングす
る。

寝かし過ぎ注意。
上掲動画の先生の例だけでなく、
バンク角の深い車体でも、速度
に見合わない寝かし過ぎはサス
が仕事をせずにタイヤのグリッ
プ頼りになりスリップダウンを
招く。
とにかくサスを沈めてのトラク
ションを得るのが第一だ。
なお、私個人は前後輪ドリフト
も峠では
場面により使用するが、
あまり
推奨はできない。
ただ、後輪を「外に出す」操縦
は行なう。回頭を得るためには
必要な挙動付与だからだ。
車体を立ててトロッコのように
左側によって20km/hあたりで
コーナーを走る運行以外では、
二輪独自の特性挙動は積極的
に引き
出して行使する。
そしてドリフトよりもグリップ

走法のほうが速く、かつ安全だ。
タイヤを潰して面圧をかけて、
タイヤを路面に喰いつかせて

走るのである。

ロードは低速で走れば安全が
得られると思うのは誤謬概念
の盲信であり、それは誤認だ。

速度を落とす事=安全確保で
はない。
ここのところ、かなり重要。
二輪には二輪の特性があるの
で、超低速=安全ではない事
を認知するのは事故回避の為
にとても重要だ。
端的に言うと、転ぶのは転ぶ

事をやるから転ぶのである。
それは、転倒回避は速度を落
とす事によって得られるもの
ではない、という現実を示す。
換言すれば、別な
次元のファ
クターを認知し、適正走法を
実行
する事により転倒は回避
でき
る。
結果として、39年間公道では
無転倒、という実際の実績に
繋がる。
不適合な事をやると85年
9月の
私のように転倒してしまう。

 
 

 

 


 


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