渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

マダラと広島サーモン

2021年08月25日 | open


広島西部の友人と魚種の話になった。
相模湾の太平洋はアジとそれの加工
の開きの干物がやたら美味い事や
瀬戸内海の豊富な魚種について。
友人曰く、タラが獲れないので東日
本や北部のタラに憧憬を抱く、と。
タラうめえよなあ、てなとこで盛り
上がった。
しかし、北の漁師さんならともかく、
船から釣り上げるとなるとかなりの
大物狙いとなる。マダラは120cm級
になる深海魚だからだ。

友人から面白い情報を得た。
広島では「広島サーモン」という銘柄
で鮭の養殖に成功して市場に提供して
いるらしいよ、という。
ほぉ〜!内海でシャケですか!

調べてみた。

おおー!切り身が赤い。

ん?


んが!これ・・・。
明らかにレインボートラウト=ニジマス
ですね。


間違いないす。


トラウトをサーモンと称して商品名
にしているけど、鱒釣り人間からする
となんだかなぁ感はある。
ギンザケとかの養殖に成功したのかと
思っちまったい。
あくまで、商品名で「サーモン」を
使ったのですね。生物学的なもので
はなく。
鮭と鱒の区別の境界が曖昧だという
学術界の盲点を突いた・・・というか
いただき上質魚種イメージで。
サケマスのことをトラウトサーモンと
も呼ぶけど、使用法には繊細なものが
付随する。人に誤解を与える用法はあ
まり質は良くなくなってしまう。
よけいなんだかなぁ感はある。
スチールヘッドやドナルドソンもまあ
レインボーの範疇ではあるのだけど、
サケ・マスの世界では、細分化した
呼称で親しむのがこれまでのしきたり
だ。時鮭(ときしらず)や鮭児(けいじ)な
どもあえて細分化しての呼称で珍重す
る。
本物の江戸前寿司には残念ながら鮭は
出ないが、鮭は味が良く、またケイジ
などは滅多に食べられない。
そうした別称は「別格もの」としての
意味が込められている。鮭に文字を
付与して「鮭の中の鮭」という敬意を
以て。
それをトラウト=鱒の事を鮭であると
して上質味の種であるかのような錯覚
商品にするのは、さすがにいかがな
ものか。
まあ、鱒=トラウトは鮭科の魚なのだ
が、鱒を鮭と言ってシャケだと思い
込ませて宣伝して人に食べさせるの
は、なんだか、妙に納得がいかない。
「美味しい特産の鱒」「広島が生ん
だ極上の鱒」でいいではないか。
なぜサーモンなどと言って、ワンラン
ク上の魚種の名称を僭称するのか。
これ、販売キャンペーンとしては、
あまり良くない発想だと思います。
金メッキを金無垢と言うようなもの
で。エンガワではない物をエンガワ
と称して客に出す回転寿司のような
事はやめてくれろ、てな感じがする。
ちと、広島県の関係者のこのやり方
は、腑に落ちない。欺罔感がある。
事実、友人は広島県人なのに「広島
サーモン」は鮭の事かと思っていた。
私も聞いて「へえ!シャケ?そりゃ
大したもんだねー」と思った。
サーモンといったらトラウトだとは
思わないもの。
蓋を開けたら、ぼっこしドンズバの
鱒の中の鱒、鱒族の中核、センター
ニジマスだった。

私はブラウントラウトよりもブルッ
クトラウトよりもレインボートラウ
トの「釣り味」が好きだ。
ニジは警戒心も強いながら、ここと
来たら果敢なファイターになるから。
アマゴとヤマメは神経質なツンデレ。
イワナはバカ。何でも食う。センシ
ティブな選眼とかないんじゃないの?
というように。
まあ、それだけ源流部でスレっから
しではないのだろうけど。
だが、イワナは獰猛だ。野ネズミに
襲いかかる。

ニジマスは管理河川でないと川に放
流はいけません。外来種だし。
あと、フィッシュイーターなので、
在来のヤマメやアマゴの鱒族の卵や
稚魚をニジは全部食っちゃいます。
管理河川の自然渓流では、ニュージ
ーランドのように天然化したニジマ
がいて、ヒットすると1メートル位
ジャンプしながら横っ飛びして、空
で首を振って鉤を外そうとします。
それをバラさずにファイトする。
鉤の返し無しのバーブレスフックで
勝負で。(私は河川でもバーブレス)
取り込みのランディングアウトまで
は20分位かかります。

レインボートラウト!最高!
サーモンではない!
虹は虹!映えあるレインボー!
サーモンですなどとまやかしを言わ
いで、虹は虹の素晴らしさとして
めてあげてくれい!
どうか、ニジマス=レインボートラ
ウトに愛ある眼差しを。






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