渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

たそがれ清兵衛

2012年01月01日 | open



『たそがれ清兵衛』の2枚組DVDがたまたま1000円台で
販売されていたので仕事帰りに買ってきた。
ビデオと違ってDVDの面白さは、ボーナストラックでメイキングや
インタビューが収録されていることだ。
今回購入した2枚組は1枚分まるまる製作秘話が収められており、
貴重な別テイクやオミット(削除)映像なども紹介している。
山田監督が実に緻密に自分のイメージに合うように何度も何度も
リテイクや別テイクを撮ったことがわかる。本編を観たときに感じた
作品の丁寧さというのはそうした製作サイドの執念がもたらした
ものだろう。
2枚組DVDでなくとも、本編だけで十分に傑作だ。
その後も藤沢周平の作品は映画化されたが、藤沢周平の世界を
描ききれているかどうかというと、本作が突き抜けているように
感じる。ただ、興行成績としてはキムタクの『武士の一分』の方が
松竹の収益記録を塗り替えるほどにヒットした。
私は個人的には『たそがれ』の方がずっと好きだ。
映画の出来としても本作の方がよい。
『武士の一分』が興行収益の記録を塗り替えたのは、作品主体ではなく、
出演者がどうかという別な要因だろう。普段時代劇など観ない層を
劇場に呼んだという点では成功だったのかもしれない。


この記事についてブログを書く
« 前の記事へ | トップ | 次の記事へ »