渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

地球の未来の姿 ~ドームの中のシェルターピープル~

2020年06月23日 | open



私が生まれて初めて二足歩行をして人類
になったのは新宿御苑だった。
60年前と今と新宿御苑はさして変わって
いない。
元は内藤殿の下屋敷跡だ。
今では「夜の街(命名小池都知事)」で
ある歌舞伎町が旗本街だったことはあまり
知られていない。
歌舞伎町からほど近い有料庭園となって
いる広大な新宿御苑は、
東京都民の憩い
のオアシスとなっている。

「庭」というものは、人間が人工的に造っ
たものだ。自然のネイチャーワールドでは
ない疑似自然を居住空間に創造すること
で、人は心のやすらぎを求めようとした。
自然は人間にとって無くてはならないもの
であることを人間は古くから知っていた。
「文明」が登場した古くから人間は庭を
造園していた。



新宿御苑には大きな植物園がある。


こうした植物園は、先日この日記でも
書いた「未来の室内キャンプ施設」の
イメージを彷彿とさせる。


一方、東京湾埋め立て地には夢の島が
ある。
名作ドラマ『傷だらけの天使』において
ラストシーンでアキラ(水谷豊)が風邪
で死んでしまい、オサム(萩原健一)が
アキラをドラム缶に入れてリヤカーで
引っ張って行って捨てた島だ。
1973年当時は荒涼としたゴミを埋め立てた
だけの広大な島だった。
そこには現在大きな植物園がある。




ここなどはもう劇画『ワイルド7』の作品
中の名作といわれる「地獄の神話」の中で
ワイルド7リーダー飛葉と殺し屋シカゴの
5本指の一人が決闘をした横浜の架空の
植物園にそっくりだ。

そのうち、遠い未来では、このような人口
的な施設の中で「アウトドア」を楽しむ
ようになるかもしれない。
このような軍幕を張ってのジャンル別の
趣味的レジャーキャンプとかで。
フィールドエアソフトコーナーとか、

ブッシュクラフトコーナーとか、バーべ
キューコーナーとか、その他もろもろ。


そして、施設内のカフェテリアはこの
ような
雰囲気のカフェだったりして。


未来の火星のドーム内の施設かよ、みたい
に思うが、たぶん現実になりそうな予感
がする。
そうした描写は谷口ジローの劇画作品でも
描かれていた。
その「自然保護エリア」のネイチャーランド
には猛獣も棲むのだが、すでに地球上では
そうした生物は絶滅しており、リアルな
豹や虎はすべてロボットだったりする。
もしかすると、人間だと思っている隣人も
ロボットだったりして。
そうなると『火の鳥』の笑えない物語に
なってくる。

これらの作品は、すべて人間社会のエゴに
よる環境破壊と人間疎外を風刺する思想が
底流に流れている。
だが、彼ら漫画家たる表現者がどんなに
婉曲に現世を批判しようとも、人間は愚か
であるので、やがてはこの星は人間の手に
よって死滅に向かっていくことだろう。
「核は良い物」とする人間たちが地球を
支配している限り。
地球自体が宇宙空間の放射線から生物を
守る大気を有する大きなドームである
ことを忘れて、ドーム内を破壊する人間
たちによって、私たち生き物のコスモ
シェルター
である地球が破壊されて。

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