渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

変な鋼材

2021年04月07日 | open
 
G.サカイの謎の鋼材H-1鋼。
炭素が無いのに圧延鍛造で硬度を出して
いる。
棟側はロックウェルで50台前半なのに
刃先に行く程硬度が上がり、刃先では
60台中半あたりまでの硬度が出ている
と製造者は説明している。
実際のところ、砥当たりは非常に妙な
感触で、かなり硬度が高いのに砥当
たり
が良い。
変なナイフ。
陸自隊員将校に1丁進呈して、訓練等での
野外テストをしてもらった。装備と
して
装着もして。長期継続野外訓練
にても。
物凄く永切れするという。
雨天行軍でずぶ濡れのままでも、サビは
一切出ない。
そして、いつまでも恐ろしく切れる、と
のことだ。
このG.サカイのH-1鋼材は、成分を
一切
公開していない。特殊鋼の中
でも別な
意味で特殊だ。
 
私の周りにも何人かG.サカイのこのH-1
のブレードのナイフを使っている
人たち
がいる。
やはり、研ぐと柔らかく感じるのに、大切
れする不思議なナイフだという。
硬度配分の配置は日本刀のそれに極めて
近い。
このナイフ、ハードな使用法でも滅多に
折れ欠けしないというのも頷ける。
変わった変なナイフだ。
海釣りなどにはもってこいだが、通常の
アウトドアナイフとしてもかなりのスペッ
クだといえる。
陸でも、ゲームの解体とかもできるので
はなかろうか。鹿とか猪とか。
薪割りは、ホロー断面なので割断性は良く
はない。ただ、鎬の作用ってすごいね。
鎬のエッヂが利いているのが割りではとて
もよく分かる。グラインド断面形状から
木材には刃が食い込み過ぎてしまうのだが、
鎬が楔作用を出していることは体感できる。
ただ、スカンジのようにカッポーンとは
割れない。エビ鉈が凄い割断力をみせる
のも、あれ、鎬部分がなくてつるっぺた
だったらあそこまで気持ちよく割れない
と思う。
このナイフ、
棒叩き以外では、全ての点
で野外ナイフと
して非常に優秀だ。

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