焚き火で作ったナイフを焚き火で使って
みた(^-^)
この人の動画、余計なしゃべりが無いし、
素朴で気に入ってるんだ。
あと、点火は徹底的に火打ち石でやって
いる。日本の旧古の方法。メタルファイア
スターターさえも近代的に見えてしまう。
着火はチャーを予め作って利用して、火種
は麻紐のようにした物を使っている。
それと、この方は刃物を手作りしている
とこもいい。なんだか好感が持てる。
平ヤスリからナイフを作ることは多くの
人がやっていますが、焼鈍させて均せば
パウダーハイカーボンスティールなので
焼き入れ熱処理が決まれば物凄く切れる
刃物になるでしょうね。
ただし、ハイカーボンなので折れ易い
とは思います。
多少、鍛造段階で脱炭させてコンマ以下
ギリに落とせばイケるのかな?
ヤスリを刃物鋼として再生させることは
やったことがないのでよく分からない
けど。
いや、やったか1本。打撃試験で折れた
ので没にしたのだった。
ただ単に焼き入れだけならば変態点以上に
加熱してから急冷(水冷もしくは油冷)
すれば炭素鋼は焼きは入る。
焼き戻しは、テンパーカラーが見られ
ないのならば、水滴を垂らしてチュンと
丸くなるのがだいたい180℃なのでそれ
を目安にする。
まあ、焚火でも炭さえあれば炉内温度
は上がるので焼き入れは可能という事
なのです。
大昔というか超古代は製鉄さえも屋根
無しの屋外だったしね。鍛冶炉もそう。
製鉄炉を屋根付き家屋の中に作った
(というか炉の周囲に屋根と壁を付け
た)のは、中世後期以降の事だ。
それは高殿と呼ばれる。
野鍛冶や鋳掛屋さんが屋外で手ふいご
で鉄を温めて鍋や釜を修理したように、
屋外での簡易鍛冶仕事は可能です。
というよりも、その野外仕事が大元
の形態だった。
高炭素鋼でナイフを自作したい方は、
平ヤスリを一度みかん色まで加熱させて
からゆっくりと砂や灰の中で焼鈍まし
てから鍛造火造りで成形して、そして
焼き入れ・焼き戻しで刃物にしていく
のも良いかもしれません。
ただし、センや電動サンダーが無いと
整形は辛いかも。大昔はどうしたかと
いうと、センがけ、ヤスリがけのみです。
この人の作ったヤスリナイフはよく
切れそうです。
偶然だけど、やっぱり形状がプーッコ
に似ている。
私が作る小物ナイフもこのような形
です。
って、今まで大小含めて60本弱ほど
しか私はまだ作ってないけど(笑)。
まあ、ド素人のドがちょっと外れた
程度。
ただ、動画サイトによくある鍛冶作業を
している趣味鍛冶の人たちの動画なんで
すけどね。
すごく気になることがある。
炭切りしないの?
炭は小さ目に全部同じ大きさに切り揃え
ないと適切な鍛造や焼き入れはできま
せんよ。火にムラができるので。
全く炭切りしていない人の動画もある
ので、ちとびっくり。
でもって、結構そんな炭なのにベテラン
ぶった感じで語ってる人がかなり多い。
はっきしいって、ダメだと思う。てんで。
鍛冶仕事の基本からすると。
炭切りはマスクしても顔が真っ黒に
なるくらいに切ることやったほうが
いいと思いますよ。
炭切り三年、てのは鍛冶業界ではよく
云われている事だけど、炭の在りよう
は相当大切なポイントになることは
確かだと思います。
あ。熱源、途中から炭ではなく練炭
使ってる(笑)。
箸は幅広でいい箸使ってるなぁ。
既製品?
海焚き火で、火打金ナイフ作り(^^)/
だから、そういう炭だと練り炭でもでか
すぎるんだってばあ。バーベキューじゃ
ないんだから。
もしかすると、炉内温度を上げるため
に密封炉の屋根として使っている
のかも知れないけど。
ほらあ、まんべんなく加熱されないで
刃先だけ温度が600℃以下に下がって
るし。手元の一部だけやたら温度が
高くなってるし。
焼き温度、高っけえ!
しかも切先と腹部分で70℃以上違う。
でも、まあ切れるのができてるから
いっか(笑)。
火打ち用金具と兼用ナイフなんて
かなりイケてるじゃん。やるね。
長練炭での天井囲いはどうやら屋根に
して閉鎖炉効果を狙ったものだった
ようだ。
これはアリだ。大ありだ。
しかし、焼き入れの際に、刀身を
斜めに突き入れてしまい、やはり
出来上がりを見たら斜めによじれて
しまっている。それは焼き戻し後に
歪み取りをするとしても、鍛打に
よる応力が刀身内部に偏重して残留
するので刃物としては避けたい
ところ。
それと、冷却は水に刀身をポイ入れ
は良くない。刀身が横になると、
上側と下側で湯温が違ってしまい、
よじれだけでなくマルテンサイト
変態が刀身の裏表で異なることに
なるからだ。
焼き入れは気合の掛け声を掛けて
やる鍛冶もいる程で、入魂で水に
入刀させたほうがいい。慎重に冷静
に。
私が作った小刀ナイフ。
別個体の私の作。
エッチングはしていない。荒砥ぎしただけ。
別個体の工程の一部。
これは火造前の素延から少し進んだ
平打ち延ばしの段階だ。鎚だけで
歪み無く定盤のように真っ平にして
行く。
私はこの板状製作段階を「煎餅」と
呼んでいる。
積み沸かしの鉄塊は「豆腐」と。
持っているのに今は使っていない私の
古式伝統的な日本製送風装置である
木製ブロア(笑)。
中のパッキンは狸の毛皮が使われて
いる。
これ、本家に置きっぱだ(苦笑)。
わざと小錵(こにえ)を付けようと
狙ったのではない私の作。刃中の働き
が拡大画像から見取れるだろうか。
直刃(すぐは)に見える根元部分の
刃文は、直刃ではなく丁子がつんだ
小乱れである事が看守できる。
また、刃は錵づいているのに、映りが
出ている鋼の景色も画像に収まっている。
酸でのエッチングはしていない。
ざっと研いだだけ。
柄はナイフで共鎺(ともはばき)まで
一刀彫り。
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以下は自分の作ではなく時代小柄小刀の
入れ物を作った時。
まず、よく乾燥させた朴(ほう)の木に
ケガキを入れて、彫刻刀や突き鑿で掻いて
行く。サンドペーパーは細かい削り粉が
刀身に着くおそれがあるので一切使用し
ない。
合わせながら・・・
削りながら・・・
ナイフ一丁で削り出した一体型のハバキと
合わせる。
表裏の貼り合わせにはソクイを練って作る。
トロトロになるまで。
どうにか形になった小柄小刀の入れ物。
合わせてみると・・・
ヌポッ!
ぴったんこ!
ナイフ一丁でこうやる。
木の表と裏を間違えたのはご愛敬。
柄と鞘部分で表裏が逆だから木目が合って
なくてかっちょわり~けど、自分のなので
よしとする。
鞘に自分で筆書きをしたら完成。
まあ、保存用の朴の木の入れ物としては
充分だろう。裸で刃物を置いておくより
はいいかと思う。これで油を引いて保管
できる。刀身は鞘内の空中に浮いている。
ついでに、上掲の自作小柄小刀の入れ物も
作成しておいた。(上掲の刀身アップ画の
小柄小刀)
こちらも共鎺の仕様で一刀彫り。
折り返し鍛錬は二代目小林康宏だ。
この小柄小刀の素材は日本刀の失敗作を
熱処理でリビルドして材料とした。