けい先生のつぼにくる話

はりきゅう漢方の先生が教えてくれる健康に関する話
Twitter(X)リンク @kkclinic

オー!ノーモアやいと! 日系1世残酷物語 (お灸の話)

2011-12-14 09:17:17 | 東洋医学全般
今日の朝一番の患者さんは日系4世の50代のご夫人でした。もう日本語を話さない世代の方です。しかし、日系人らしく時間には正確で、必ず10-15分前には来院されるしっかり者です。

彼女いわく彼女のお母さんがMoxabustion(お灸)は日本語でなんと言うのか聞いてきてくれといわれたとのことです。「はるか昔はその日本語覚えていたのですが。。。」とのことです。

こちらでは「Yaito やいと」とおっしゃる方が多いようです。

以前、日系2世のご老人が語っていたのですが、「わが日本国が正義の自衛戦争を行った大東亜戦争の頃、卑怯にも米国政府は日系移民をキャンプと称する収容所にぶち込みよった!その頃、子供であったわしはよくばーちゃんに大きなヤイトをされたものぢゃ!」「いつもはやさしくて大好きなグランマーが私の背中を焼くのぢゃ。。。そのときには彼女が鬼にみえたねぃ。。熱くて熱くてわたしはノーノーと大声で泣いた。」「だから、ドクタークロタニ、ノーモアヤイトだ!お灸だけはストップね!おねがいねぃ!」といわれたことがあります。

きっとそのおばあちゃんは、お孫さんが収容所で結核などの同時の死病にかからないようにと願う一心で、お灸をしたのでしょう。
こういった場合のお灸は小豆や大豆の大きさ、下手をするとソラマメくらいの大きさで、これを焼き切っていたので、ご老人たちの背中には大きなお灸の痕がみられました。これは相当熱かったと思います。

お灸のメカニズムを、医師や西洋的な考えの方にご説明申し上げるときの言い方をして見ましょう。
人体の皮膚のたんぱく質は約45度以上の熱を加えると不可逆性の変成をする。その変成したたんぱく質をヒストトキシン(火傷毒素)と呼ぶ。このヒストトキシンができると、人体の血球成分、特に白血球が賦活化され、その火傷を負った部位(ツボ)の修理をはじめる。
この現象により、ツボに継続的な刺激が起ることとなるので、治療の成果が出る。
同時に、賦活化された血球成分は免疫の向上あるいは調整となるので、常時お灸をすることにより、病気になりくい体質となることを期待できる。

しかし、プロがするお灸や、インスタントのお灸は決して恐ろしく熱くなったり、大きな火傷をすることはありません。それこそ45度から55度前後の熱を加えて、人体を極力傷をつけないようにいたします。むしろ気持ちがよいくらいです。
上の説明のように、お灸はこのくらいの温度で十分に効き目があるので、痕が残るような火傷までしなくとも、よいのです。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« CPAPマシーンと加味逍遥散、... | トップ | 抑肝散加陳皮半夏(よっかん... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

東洋医学全般」カテゴリの最新記事