10時半に、ラージギルを出発、これからビハール州の州都パトナーに向かう。距離は、約100キロメートル。まずは昨日行ったナーランダーを越え北に向けてビハールシャリフまでの一本道を走行する。辺り一面に田園が続いている。
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20分ほど走ると、民家が増え交通量も多くなってきた。ビハールシャリフが近くなり、前方にパトナー方面左折の標識が見える。前方の車は、重量オーバーだ。
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標識に従い左折し北西方面に向かう。
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更に50キロメートルほど走行すると、右手(北側)にガンジス川が見えてきた。ここまで順調に走行していたが交通量が多くなり渋滞し始めた。時計を見ると間もなく12時半、パトナーはそろそろだろう。待ちきれずに反対車線に入り追い越そうとするドライバーが増大し始めたので我々も追随する。
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道路は一応舗装はされているがメンテナンスがされていないので、あちこち穴だらけで路面に白線はない。むりな追抜き走行を続けてもすぐ対向車が現れその都度走行車線に戻るため、ほとんど進んでいる感じがしない。1時間ほどすると、道が左右に分かれたため、左方向の広い道に進むと中央分離帯がある広いバイパス道路になった。
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時刻は13時半。ようやくパトナーに到着である。パトナーでは、クムラーハールとパトナー博物館の見学を予定している。閉館時間は、クムラーハールが17時、博物館が16時半である。パトナー博物館では時間をたっぷり取りたいので、どうやら昼食時間はなさそうだ。
まずは、市内東側に位置するクムラーハールから見学することにする。快適なバイパスを少し走り、すぐ右折して北方面に向い、さらに左折して市内道路に入る。ドライバーのヴィージェイが窓越しに地元民に場所を尋ねると、男はいきなり後部座席に乗り込んできて、まっすぐ行けという。300メートルほど進むと左手に公園が見えてきた。到着したようだ。
急ぎ入口でチケットを購入(100ルビー)し園内に入る。後ろを振り向くと後部座席に乗り込んだ男もチケットを購入しているではないか。我々はタクシー代わりに使われたようだ。
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ラージャグリハを首都としていたマガダ国は、アジャータシャトルの次王ウダーイン王時にパータリプトラ(現在のパトナー)へ遷都する。その後、マガダ国は周辺の国々を次々と征服・従属させ、紀元前4世紀のナンダ朝を経てマウリヤ朝アショーカ王時代にはインド亜大陸のほぼ全域を支配することになる。このクムラーハールから、古都パータリプトラの遺跡が数多く発掘された。最も大きな発見は宮殿列柱の跡だが、現在は折れた1本の柱だけが園内に展示されている。
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列柱はアショーカ王柱のようにも見える。
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列柱発掘跡に行ってみると、辺り一面雑草が多い茂っているだけであった。ここは雨季になると沼のようになるという。
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更に園内中心には、池があった。
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こちらには、僧院の跡らしい遺跡が残されている。
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小さな展示室があったので入って見るが、係員も他に観光客もいない。
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展示室の壁面には発掘時の様子が、写真で展示されている。
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発掘時の列柱が模型で表されている。
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30分程見学し、その後パトナー市内を抜け、西に位置するパトナー博物館に向かう。やはり中心地は交通量が多い。
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30分程走ると博物館に着いた。14時50分である。お腹が減ったので、入館する前にバナナ2本を口にほおばる。チケットを購入しようと入館料(250ルビー)を差し出すと、係員はなにやら仏陀、仏陀と言っている。そうだ!この博物館には、ヴァイシャーリーの仏塔より出土した舎利容器が展示されており、希望する場合は、入館料とは別に追加料金が必要なのである。是非とも見たいので計600ルビーを窓口で払い、博物館の入口に向かう。
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館内に入ると正面に広場があり、その先に2階に向かう階段がある。広場の左には1階の展示室がある。
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正面にはパトナー博物館の代表的作品、ヤクシー像が展示されている。ヤクシーとは、樹下に立つ豊かな肉身の美人像として表現される。一方で人を畏怖させる異形であり、人の精気を奪い、または人を食うなど様々な性格を兼ね備えた鬼類でもある。日本では「夜叉(やしゃ)」と呼ばれている。
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ヤクシー像は、紀元前3世紀のマウリヤ王朝時代のものだが古さをまったく感じないすばらしい像である。しばらく見入っていると、後ろから、2人の男に声をかけられる。振り向くと博物館の係員で、仏陀、仏陀、ついてこい、と言っているようだ。階段を上っていくと、正面に施錠された扉がある。なんとも厳重である。
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さらに警備員も近づいてきた。その警備員は係員の指示に従いドアを開錠し、中に入るとすぐにドアを閉めた。正面のガラスの向こうに、小さなストゥーパが見える。
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ストゥーパの中には、光に照らされた舎利容器が見える。
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ストゥーパ横の壁には、舎利容器から取り出された遺骨写真が展示されている。これが、仏陀自身であったことを想像すると神々しく見えてくる。しばらく見つめていたが、背後の係員の視線を感じると落ち着かない。舎利容器に向かい、合掌・礼拝した後、この場を退出した。退出すると警備員はすぐに施錠をした。
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再び1階に戻り見学を続ける。こちらはジャイナ教徒の像、紀元前3世紀のものである。
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ライオンの頭。こちらも紀元前3世紀のもの。
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ガーゴイルである。おもしろいデザインである。口を開けている動物はワニだろうか。口が象の鼻のようである。ガーゴイルとは雨どいのことで、インドより、どちらかというと中世以降の教会の屋根に悪魔や怪物の姿として設置されていることで有名である。この像は12世紀のものである。
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柱に掘られた女性像である。LADY WITH PARROTと表示があった。女性像の足元に上を向いたオウムらしい鳥がいる。5世紀のものである。
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6世紀のビシュヌ像。ヒンドゥー教では、三大神の考え方があり、ブラフマーを宇宙の創造神、ヴィシュヌを宇宙の維持神、シヴァを宇宙の破壊神としている。そしてこの三大神が一体であるという思想がある。
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ガネーシャ像である。ガネーシャ神は、シヴァ神とパールヴァティー女神との間の子供である。
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PILLAR CAPITALと表示がある。クムラーハールでみた列柱の頭部にあたる。紀元前1世紀のものである。デザインにはギリシャ彫刻の影響が見られる。
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仏陀坐像。右手を地に付けているので、降魔坐像である。10世紀、ガヤー地方の像である。
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紀元1世紀の仏陀像である。アフガニスタンの表示がなされていた。
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他にもアフガニスタンから出土がされた仏陀像が数体展示されていた。
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ブッダ・ガヤーで発掘されたメダリオンが展示されていた。欄楯(らんじゅん)を飾っていたのだろう。紀元前2世紀のものである。
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15時40分である。まだ1階しか見ていない。閉館まで50分しかない。あせりながら、2階に上がると、ブロンズ像が展示ケース内に所狭しに並べられていた。
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正直、この展示の仕方は好きではない。まず、ガラスに光が反射しよく見えない。その上、無造作に並べられると、一体一体に集中できない。頑張って見ようとするが、結局流し見してしまう。。
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こちらの立像はすばらしいが表示が見当たらない。
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細密画も多く展示されている。
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コテや金槌が展示されている。
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ん?これは、インドネシア西ジャワのワヤン・ゴレ人形ではないか。
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衣服が展示されている。
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テラコッタの人形がある。
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2階から中庭が見える。あちらこちらに石像が置かれている。
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中庭に出てみる。さて、パトナーでの見学はこの博物館で終了し、この後、八大聖地のヴァイシャーリーに向かう予定だが、現在時刻は16時、日暮れまではまだ時間があるので「ゴータマの渡し」に寄ることにしたい。
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ゴータマの渡しとは、ラージギルから最後の旅に出た仏陀が、ここパトナー(当時のパータリ村)で在俗信者たちから盛大な歓迎を受けた後、次の地ヴァイシャーリーに向かう際に渡ったガンジス川の場所である。しかし具体的な場所が何処であったは現在も特定されていない。博物館からガンジス川へは北へ1キロメートルほどの距離だが、むしろ古代の中心地があったクムラーハール付近からの渡河だったのではないだろうか。
次に向かうヴァイシャーリーへは、クムラーハールから1キロ東のマハトマガンジー橋を渡るため、そこからガンジス川を見学するのが効率的かもしれない。そう考え、鉄道の上を走る高架道路を通って南に行き、市内を避け東西バイパスを東に行き、北上し渡河するルートで向かうことにした。
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さてバイパスを東に向かうと前方に通行止めのゲートが見えてきた。車は西行きの2車線を対面道路として走行すべく誘導されている。当然ながら、車はほとんど動いていない。ところが、何台かの車は、通行止めのゲートを突破し東に向かっているため我々も同様に突破する。反対車線を見ると車でぎっしりだ。
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ところが、今度は走行していた道そのものがなくなった。結局反対車線に合流せざるを得ない。車はまったく動かなくなり、ついに日が暮れた。大失敗である。こんなことなら、博物館の先でガンジス川を見るか、バイパスを通らずに、市内を通ればよかったなどと考えているうちに18時半になった。そして、たかだか6キロほどのバイパスを進むのに2時間もかかってしまった。。
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左にマハトマガンジー橋に向かう道路が見えてきた。ようやく前の車がスピードを上げ始めたが、辺りは真っ暗になり左右の街灯も無くなった。どうやらマハトマガンジー橋の上を走行しているようだ。なお、この橋は全長約7キロメートル、アジア最長の長さを誇る橋である。
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ガンジス川を渡り切ったようだ。左手にハジブル駅が見えた。ヴァイシャーリーへはここから40キロメートルほど北上した場所である。時間は19時半を過ぎていた。なんせ昼はバナナ2本だけだったので、やたらお腹がすいてきた。ようやく順調に走行し1時間過ぎた。相変わらず辺りは真っ暗である。
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さらに走行する。21時前、ようやく道路沿い(左側)にあるホテルに到着した。ドライバーのヴィージェイは、ホテルのおやじと話をするが、何やらもめている様子である。どうやら部屋があいていないようだ。
しかし、結果的にOKをとったのか、部屋に案内された。ドアを開けるとベッドが2つあり洗濯物が干してある。どうやら、予備の部屋らしい。その上、掃除されておらず床は埃だらけで汚い。するとホテルのおやじが、どこからか寝具を運んできた。時間も時間である。どうせ寝るだけなので覚悟を決める。洗面所を除くと、洗面台、シャワー、トイレがあるが、暗い、汚い、怖いである。。。
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ドライバーのヴィージェイは、今度は、別の青年と何やら話をしている。5分ほど車で走ったところにレストランがあるとのことで早速出発した。何故か青年も車の後部座席に乗り込み3人で食事に行くことになった。この辺りでは、カレーしかないだろうと思い行ってみると、真っ暗な中にポツンと一件のレストランらしきお店が見える。選択の余地はない。
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やはりカレーである。他に栄養価の高いものはないのかと思い、ボイルエッグがないか聞くと、油で揚げた卵が出てきた。味はともかくビールやなんとウイスキーがあるので、これには安心した。青年はヴァイシャーリーのガイドをすると誘いをかけてきたが丁重にお断りした。ホテルに帰り、飲んだ勢いで水をかぶり22時過ぎに寝た。
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(2012.11.22)
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20分ほど走ると、民家が増え交通量も多くなってきた。ビハールシャリフが近くなり、前方にパトナー方面左折の標識が見える。前方の車は、重量オーバーだ。
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標識に従い左折し北西方面に向かう。
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更に50キロメートルほど走行すると、右手(北側)にガンジス川が見えてきた。ここまで順調に走行していたが交通量が多くなり渋滞し始めた。時計を見ると間もなく12時半、パトナーはそろそろだろう。待ちきれずに反対車線に入り追い越そうとするドライバーが増大し始めたので我々も追随する。
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道路は一応舗装はされているがメンテナンスがされていないので、あちこち穴だらけで路面に白線はない。むりな追抜き走行を続けてもすぐ対向車が現れその都度走行車線に戻るため、ほとんど進んでいる感じがしない。1時間ほどすると、道が左右に分かれたため、左方向の広い道に進むと中央分離帯がある広いバイパス道路になった。
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時刻は13時半。ようやくパトナーに到着である。パトナーでは、クムラーハールとパトナー博物館の見学を予定している。閉館時間は、クムラーハールが17時、博物館が16時半である。パトナー博物館では時間をたっぷり取りたいので、どうやら昼食時間はなさそうだ。
まずは、市内東側に位置するクムラーハールから見学することにする。快適なバイパスを少し走り、すぐ右折して北方面に向い、さらに左折して市内道路に入る。ドライバーのヴィージェイが窓越しに地元民に場所を尋ねると、男はいきなり後部座席に乗り込んできて、まっすぐ行けという。300メートルほど進むと左手に公園が見えてきた。到着したようだ。
急ぎ入口でチケットを購入(100ルビー)し園内に入る。後ろを振り向くと後部座席に乗り込んだ男もチケットを購入しているではないか。我々はタクシー代わりに使われたようだ。
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ラージャグリハを首都としていたマガダ国は、アジャータシャトルの次王ウダーイン王時にパータリプトラ(現在のパトナー)へ遷都する。その後、マガダ国は周辺の国々を次々と征服・従属させ、紀元前4世紀のナンダ朝を経てマウリヤ朝アショーカ王時代にはインド亜大陸のほぼ全域を支配することになる。このクムラーハールから、古都パータリプトラの遺跡が数多く発掘された。最も大きな発見は宮殿列柱の跡だが、現在は折れた1本の柱だけが園内に展示されている。
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列柱はアショーカ王柱のようにも見える。
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更に園内中心には、池があった。
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こちらには、僧院の跡らしい遺跡が残されている。
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展示室の壁面には発掘時の様子が、写真で展示されている。
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発掘時の列柱が模型で表されている。
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30分程見学し、その後パトナー市内を抜け、西に位置するパトナー博物館に向かう。やはり中心地は交通量が多い。
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30分程走ると博物館に着いた。14時50分である。お腹が減ったので、入館する前にバナナ2本を口にほおばる。チケットを購入しようと入館料(250ルビー)を差し出すと、係員はなにやら仏陀、仏陀と言っている。そうだ!この博物館には、ヴァイシャーリーの仏塔より出土した舎利容器が展示されており、希望する場合は、入館料とは別に追加料金が必要なのである。是非とも見たいので計600ルビーを窓口で払い、博物館の入口に向かう。
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正面にはパトナー博物館の代表的作品、ヤクシー像が展示されている。ヤクシーとは、樹下に立つ豊かな肉身の美人像として表現される。一方で人を畏怖させる異形であり、人の精気を奪い、または人を食うなど様々な性格を兼ね備えた鬼類でもある。日本では「夜叉(やしゃ)」と呼ばれている。
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さらに警備員も近づいてきた。その警備員は係員の指示に従いドアを開錠し、中に入るとすぐにドアを閉めた。正面のガラスの向こうに、小さなストゥーパが見える。
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再び1階に戻り見学を続ける。こちらはジャイナ教徒の像、紀元前3世紀のものである。
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ガーゴイルである。おもしろいデザインである。口を開けている動物はワニだろうか。口が象の鼻のようである。ガーゴイルとは雨どいのことで、インドより、どちらかというと中世以降の教会の屋根に悪魔や怪物の姿として設置されていることで有名である。この像は12世紀のものである。
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柱に掘られた女性像である。LADY WITH PARROTと表示があった。女性像の足元に上を向いたオウムらしい鳥がいる。5世紀のものである。
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6世紀のビシュヌ像。ヒンドゥー教では、三大神の考え方があり、ブラフマーを宇宙の創造神、ヴィシュヌを宇宙の維持神、シヴァを宇宙の破壊神としている。そしてこの三大神が一体であるという思想がある。
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ガネーシャ像である。ガネーシャ神は、シヴァ神とパールヴァティー女神との間の子供である。
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PILLAR CAPITALと表示がある。クムラーハールでみた列柱の頭部にあたる。紀元前1世紀のものである。デザインにはギリシャ彫刻の影響が見られる。
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仏陀坐像。右手を地に付けているので、降魔坐像である。10世紀、ガヤー地方の像である。
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ブッダ・ガヤーで発掘されたメダリオンが展示されていた。欄楯(らんじゅん)を飾っていたのだろう。紀元前2世紀のものである。
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中庭に出てみる。さて、パトナーでの見学はこの博物館で終了し、この後、八大聖地のヴァイシャーリーに向かう予定だが、現在時刻は16時、日暮れまではまだ時間があるので「ゴータマの渡し」に寄ることにしたい。
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ゴータマの渡しとは、ラージギルから最後の旅に出た仏陀が、ここパトナー(当時のパータリ村)で在俗信者たちから盛大な歓迎を受けた後、次の地ヴァイシャーリーに向かう際に渡ったガンジス川の場所である。しかし具体的な場所が何処であったは現在も特定されていない。博物館からガンジス川へは北へ1キロメートルほどの距離だが、むしろ古代の中心地があったクムラーハール付近からの渡河だったのではないだろうか。
次に向かうヴァイシャーリーへは、クムラーハールから1キロ東のマハトマガンジー橋を渡るため、そこからガンジス川を見学するのが効率的かもしれない。そう考え、鉄道の上を走る高架道路を通って南に行き、市内を避け東西バイパスを東に行き、北上し渡河するルートで向かうことにした。
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さてバイパスを東に向かうと前方に通行止めのゲートが見えてきた。車は西行きの2車線を対面道路として走行すべく誘導されている。当然ながら、車はほとんど動いていない。ところが、何台かの車は、通行止めのゲートを突破し東に向かっているため我々も同様に突破する。反対車線を見ると車でぎっしりだ。
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ところが、今度は走行していた道そのものがなくなった。結局反対車線に合流せざるを得ない。車はまったく動かなくなり、ついに日が暮れた。大失敗である。こんなことなら、博物館の先でガンジス川を見るか、バイパスを通らずに、市内を通ればよかったなどと考えているうちに18時半になった。そして、たかだか6キロほどのバイパスを進むのに2時間もかかってしまった。。
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左にマハトマガンジー橋に向かう道路が見えてきた。ようやく前の車がスピードを上げ始めたが、辺りは真っ暗になり左右の街灯も無くなった。どうやらマハトマガンジー橋の上を走行しているようだ。なお、この橋は全長約7キロメートル、アジア最長の長さを誇る橋である。
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ガンジス川を渡り切ったようだ。左手にハジブル駅が見えた。ヴァイシャーリーへはここから40キロメートルほど北上した場所である。時間は19時半を過ぎていた。なんせ昼はバナナ2本だけだったので、やたらお腹がすいてきた。ようやく順調に走行し1時間過ぎた。相変わらず辺りは真っ暗である。
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さらに走行する。21時前、ようやく道路沿い(左側)にあるホテルに到着した。ドライバーのヴィージェイは、ホテルのおやじと話をするが、何やらもめている様子である。どうやら部屋があいていないようだ。
しかし、結果的にOKをとったのか、部屋に案内された。ドアを開けるとベッドが2つあり洗濯物が干してある。どうやら、予備の部屋らしい。その上、掃除されておらず床は埃だらけで汚い。するとホテルのおやじが、どこからか寝具を運んできた。時間も時間である。どうせ寝るだけなので覚悟を決める。洗面所を除くと、洗面台、シャワー、トイレがあるが、暗い、汚い、怖いである。。。
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ドライバーのヴィージェイは、今度は、別の青年と何やら話をしている。5分ほど車で走ったところにレストランがあるとのことで早速出発した。何故か青年も車の後部座席に乗り込み3人で食事に行くことになった。この辺りでは、カレーしかないだろうと思い行ってみると、真っ暗な中にポツンと一件のレストランらしきお店が見える。選択の余地はない。
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