カズさんの旅たび

 ~歴史、文化、芸術、美食紀行。。

アメリカ南西部~サンディエゴ

2014-07-18 | アメリカ
サンディエゴ(San Diego)国際空港に11時50分に到着し、州間高速道路(IH)15号線(テメキュラバレー・フリーウェイ)を北に向けて走行している。これから約100キロメートル離れたテメキュラ(Temecula)に向かう。
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Rancho Calif Rd Old Town Front St(テメキュラ)出口から、ランチョ・カリフォルニア・ロード(Rancho California Road)を東に14キロメートル進んだところが、ここ「ポンテ・ワイナリー(Ponte Winery)」である。それにしても出発するまで何かと時間がかかり、テメキュラに到着したのは午後4時半とすっかり遅くなってしまった。
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ポンテ・ワイナリーのテイスティング・ルームは、高窓から差し込む光が心地良いバシリカ風の建物である。室内は、中央にショップがあり、周りにテイスティング・カウンターがあるといった造りだ。こちらのワイナリーでは6種類のテイスティングが楽しめる。カウンターで支払いを済ますと、チェック用のカードが渡される。グラスにワインが注がれるとそのカードにチェックが入る仕組みだ
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ここ、テメキュラはアメリカ西海岸から東に約30キロメートル内陸に位置しており、昼は温かく夕方以降は太平洋からの冷気が注ぎ込むため、ヨーロッパ地中海沿岸のワイン産地の気候に似ているらしい。テメキュラ・ワインの歴史はそれほど古くなく、農業開発会社が開発を進めた後、1965年に56種類のワイン用のブドウを植えたのが始まりである。
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現在では、2ダース以上のワイン醸造所と3,500エーカー(14平方キロメートル)以上のブドウ畑にまで成長した。テメキュラ・ワインは、次々と多くの賞を受賞しており、カリフォルニアワインの新興勢力と言われている。

ポンテ・ワイナリーのテイスティングは、グラス持参で庭園を散策できるところが売りである。庭園は広く通路には案内板が設置されており、この先にはレストランがあるようだ。
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ブドウの木は通路の際にも植えられており、房が目の前に現れるため、つい手が出そうになる。さて前方にテラス席が見えるレストランらしき建物が見えてきた。
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時間が中途半端(テイスティングは終了間際だし、夕食には少し早い)なためか、テラスに座っている人はほとんどいない。にも関わらず右側ではギター演奏が行われている。演奏する彼の足元には自主制作らしきCDが並べられているが、観客もいなく近寄りがたい雰囲気だ。。
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テラス席から見る風景は、澄みきった青空とブドウ畑が遠くまで連なっており何とも素晴らしい景観だ。こちらのレストランで食事をするのも良いが、やはり夕食には少し時間が早いので、テメキュラのオールド・タウンで食べることとしてポンテ・ワイナリーを後にした。
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ホテルでチェックイン後、テメキュラのオールド・タウンに到着した。この建物はテメキュラ市庁舎である。ところでテメキュラの語源は先住民の名前にちなんでいるらしい。人口は約10万人を持つ中堅都市で、サンディエゴとロサンゼルスのほぼ中間に位置している。この市庁舎の裏(東側)にIH15号線が走っている。
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市庁舎の前に伸びるメイン・ストリートから100メートルほどでオールド・タウン・フロント・ストリートと交差する。その交差点に、
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THE BANK(メキシコ・レストラン)がある。
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レストランの裏側(オールド・タウン・フロント・ストリート沿い)には、古きアメリカをイメージした木造の建物などもあり、街自体がテーマパークのようである。
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この辺りはオールド・タウンの中心地に当たることから人通りも多い。メキシコ・レストランのテラス席で食べている料理が美味しそうだったので、ここにしようかと店内を覘くとかなり混雑した様子だった。すると、ちょうどテラス席が空いたので、こちらで食事をすることにした。
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こちらは、ワンプレート(Combo)9.95ドルそして、カマロネス(camarones)14.95ドル、メキシコ版の海老のアヒージョといったところか。ビールはグラスで3.25ドル、シャルドネ6.5ドル、カベルネ5ドルであった。

テラス席で周りを眺めながら食事をしていると楽しい。たまにレトロな路面電車風のバスも通り過ぎて行く。
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すっかりお腹も一杯になり、宿泊ホテルに向けて、オールド・タウン・フロント・ストリートを北側に歩く。時刻は午後8時になり、辺りはだいぶ暗くなってきた。
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途中でアイスクリームを買って食べながら歩いていると、左側の大型駐車場では演奏会が行われていた。なんともアメリカらしい。そばにはこちらもテーマパーク内の案内図を思わせるような地図がある。ちなみにホテルは、北側を東西に伸びるランチョ・カリフォルニア・ロードを渡ったところだ。
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すぐにホテル「ハンプトン・イン&スイーツ・テメキュラ(Hampton Inn & Suites Temecula )」に到着した。
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アメリカでの初日は無事終わった。
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さて翌朝。朝食会場食事を食べ、これから再びサンディエゴ市内に戻る。
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昨日とは逆に、IH15号線を南に下り、サンディエゴ市内の手前からは、左側の163号線に進路を変更しダウンタウン方面に向かう。
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163号線は、バルボア・パークの西側を南北に横断し終点となる。一般道から再びバルボア・パークを北上して、中心部にある「サンディエゴ美術館(The San Diego Museum of Art)」に向かう。

バルボア・パークは、広さ4.5平方キロメートルを誇るアメリカ最大規模の都市公園で、園内には動物園をはじめ、10以上の博物館や美術館が立ち並んでいる。現在、ビジターセンターがある建物の前にいるが、周りの建物群は、パナマ運河開通を記念して1915年に開かれた万国博覧会を機会に整備されたもの。
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ビジターセンターの通りを挟んで北側に建つ建物は、ボタニカル・ビルディング(Botanical Building)と呼ばれ、2,100種の植物を一堂に集めた植物園。建物は木材をラティス(格子)状に組み合わせ周りを鉄骨で覆っている。木の格子と鉄骨の隙間からは、雨も風もそのまま通り抜けるらしい。植物には良い環境なのだろう。
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ボタニカル・ビルディングの西隣に建つ建物は、1965年に設立されたティムケン美術館(Timken Museum of Art)で、
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そのティムケン美術館の西隣にあるのが、これから鑑賞予定のサンディエゴ美術館(The San Diego Museum of Art)である。
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美術館前の広場には、プラザ・デ・パナマと名付けられた噴水があり涼しさを演出している。
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広場から西側を眺めると、サンディエゴ美術館の西翼が伸びておりその奥には「人類学博物館」の塔が見える。民俗、考古学のコレクションは国内有数の規模を誇っている。
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現在、時刻は11時、それではサンディエゴ美術館に入館する。展示フロアは主に1階(Spirit of Spain、Asian Art、Art of the 20th Century、Sorolla and America)と2階(Spanish,Italian,and Netherlandish Art 1400-1800、Italian Renaissance Art 1300-1600、French,Dutch,and Italian Art 1600-1900、Out of Egypt、Post-impressionist Art)に分かれている。

展示作品はいずれも大作揃いである。主に2階の作品群を中心に鑑賞したので、その中から何点か紹介してみよう。まずは初期ルネサンス期のイタリア人画家から、カルロ・クリヴェッリ(Carlo Criveli)の聖母子(Madonna and Child(1468))、ジョヴァンニ・ボンシ(giovanni bonsi)のバーリの聖ニコラウス(Saint Nicholas of Bari(1360~65))、ジョット(Giotto)のGod the Father with Angels(1330)、フラ・アンジェリコ(Fra Angelico)のMadonna and Child with Saints(1411~13)など。
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次に、盛期ルネサンスのヴェネツィアで活動したイタリア人画家として、ジョルジョーネ(Giorgione)のPortrait of a Man(1506)、パオロ・ヴェロネーゼ(Paolo Veronese)のアポロとダフネ(Apoll and Daphne)(1560~65)、ティントレット(Tintoretto)のPortrait of a Venetian(1550)

そして、バロック期のフランドル画家として、アンソニー・ヴァン・ダイク(Anthony van Dyck)のヘンリエッタ・マリア・イングランド王妃(Henrietta Maria、Queen of England)(1636)、ピーテル・パウル・ルーベンス(Peter Paul Rubens)のAllegory of Eternity(1625~30)

バロック期のスペインの画家として、バルトロメ・エステバン・ムリーリョ(Bartolome Esteban Murilo)のマグダラのマリア(Mary Magdalene)(1650~55)、フランシスコ・デ・スルバラン(Francisco de Zurbaran)の聖母子と聖ヨハネ(Madonna and Child with the Infant Saint John the Baptist)(1658)、同じく、スルバランの神の子羊(Agnus Dei(The Lamb of God))(1635~40)、アロンソ・カーノ(Alonso Cano)のChrist Blessing the Host(1653~57)、写実主義のパイオニア、フアン・サンチェス・コターン(Juan Sachez Cotan)のQuince,Cabbage,Melon,and Cucumber(1602)

他にも、マニエリスム後期の巨匠エル・グレコ(El Greco)の聖ペテロの後悔(The Penitent Saint Peter)(1590~95)や、ルネサンス期のネーデルラントの画家、ヒエロニムス・ボス(Hieronymus Bosch)のキリストの捕縛(The Arrest of Christ)(1515)、フランシスコ・デ・ゴヤ(Francisco Jose de Goya)のVicente Maria de Vera de Aragon,Duque de la Roca(1795)、ヴェネツィア共和国の景観画家、カナレット(Canaletto)のThe Molo from the Basin of Sann Marco,Venice(1747~50)

最後に、1階の展示室で近代絵画を鑑賞したので、こちらも数点紹介する。まずは、スペインの画家、ジョアン・ミロ(Joan Miro)のWoman,Bird,Constellations(1974)、シュルレアリスムのサルバドール・ダリ(Salvador Dali)のSpecter of the Evening(1930)、フランスの画家でキュビスムの創始者のひとり、ジョルジュ・ブラック(Georges Braque)のStill Life(1927)、フランスの画家、アンリ・マティス(Henri Matisse)のBouquet(1916~17)などである。
※今回のブログでは感想などコメントは入れずに備忘録としてできるだけ多くの作品にリンクを貼ってみた。

途中12時半頃、一旦外に出て、広場に売りに来ていたホットドッグを食べた後、13時半まで鑑賞した。外に出るとかなり日差しが強くなっており、アイスクリームを売るおじさんに多くの観光客が取り囲んでいた。
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アイスクリームを食べたところで、バルボア・パークを南下し、州間高速道路(IH)5号線に乗り、2キロメートルほど先のコロナド橋を渡ってコロナド(Coronado)島に向かう。
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目的地は、ホテル・デル・コロナド(Hotel del Coronado)。あの建物がそうだろう。
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看板があるので間違いない。ホテル・デル・コロナドは木造5階建で1888年に建てられて以来、世界中の政治家や著名人、アメリカの歴代大統領も数多く宿泊した老舗のホテルである。このままホテルの建物を左側に見ながら歩いて行き、
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建物に沿って左側に回り込むと、
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目の前には、白い砂浜が広がっている。ホテル・デル・コロナドは、ビリー・ワイルダー監督作品「お熱いのがお好き(Some Like It Hot)1959年」のロケ地になった。主演は、トニー・カーティス、ジャック・レモン、マリリン・モンローである。
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マフィアに追われるサックス奏者のカーティスとベース奏者のレモンが、身を隠すためにもぐりこんだ楽団が全員女性だったことから2人は女装することとなるが、その楽団の女性歌手でウクレレ奏者のモンローに恋をしてしまうと言ったストーリー。この浜辺から、ホテルに向けて、女装した2人が楽団員と一緒に駆けるシーンは気持ち悪かったなあ。
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モンローは当初、カラー作品と思っていたが白黒作品と知った途端に不機嫌になったというが、監督のワイルダーは、制作費の問題ではなく、カーティスとレモンの女装がカラーで映ると非難の対象となるので、白黒にしたと語ったエピソードがあるが、映画を見た人の大半はワイルダーの考えに賛成だっただろう。

ところで、コロナドとは「王冠を戴く」と言う意味があることから屋根が王冠をイメージした造りになっている。
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その屋根の内部は、クラウンルーム(Crown Room)と呼ばれている。特に天井が見どころで、釘を一切使用せず、天然のサトウマツだけでアーチ状に組まれている。シャンデリアも王冠の形をしており、何とも贅沢な造りである。ここでは、日曜日毎にブランチビュッフェが開催され多くの人で賑わうとのこと。
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ホテルの1階と地階には多くのショップがある。ロビーは薄暗く重厚な木造りで、見事なシャンデリアが吊るされている。
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こちらは、100年前から利用され続けているエレベータで、現在も当時の姿そのまま手動で扉を開け閉めしている。
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時刻は午後4時。次にオールドタウン(Old Town)に到着した。オールドタウンはサンディエゴ国際空港の北側に位置している。このエリアは、1769年、スペインのフニペロ・セラ神父とガスパル・デ・ポルトラ軍人に創設されたサンディエゴの発祥地で1860年代までサンディエゴの中心地であった。現在は歴史地区として保存され多くの観光客が訪れる場所となっている。なお1871年以降サンディエゴの中心地は現在のダウンタウンに移動している。
正面に見えるオレンジ色と緑色のツートンカラーの乗り物は、「トロリー」と呼ばれサンディエゴ市内の主要スポットを巡回する観光バスである。
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1868年にオープンした「Racine&Laramie Tobacconist」は、サンディエゴで初めてのタバコ屋で、当時の雰囲気そのまま営業している。
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正面の柱には、様々なタバコが並んでいる。カウンターの奥には多くの葉巻が並べられ、カウンター内の店員さんも古風な雰囲気だ。中央のガラスケースには、ライターやジッポー(Zippo)が並んでいる。
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こちらのガラスケースには、パイプや煙草道具が並んでいる。細かい浮彫の施された年代物を感じさせるパイプもあり、なかなか見ごたえがある。しかし、現代アメリカ社会では、愛煙家はかなり肩身が狭いだろう。
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他にも、19世紀当時の生活スタイルやファッションを紹介した展示館などもあり、なかなか楽しいエリアである。
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こちらはビジター・インフォメーション・センター(Visitor information center)で、館内は、展示室になっており、オールドタウンの模型などが飾られている
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この建物は、マッコイハウス美術館(McCoy House Museum)といい、サンディエゴの古代から入植者たちの生活風景などをパネルで解説している。他の建物もそうだったが女性スタッフが19世紀のファッションで迎えてくれる。こちらには ラム酒(グロッグ)を入れていた瓶が並んでいるが、テーブルの上は、閉館間近のためか、片付けられてしまったようだ。
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こちらは、Las Casa de Estudillo Museumと名付けられた、初期開拓者ホセ・マリ・エストデリオによって1827年に造られたスペイン建築物では最も古い建物。19世紀当時の部屋や調度品が飾られている
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El Patio de Old Townには、メキシコ風のお土産を扱うショップや、食事ができるテラス席もあり多くの観光客で賑わっていた。特設ステージでは、フォルクローレ(folclore)の演奏が行われていたが、特に向かって左側のおじさんが様々な楽器を取っ替え引っ替え演奏していたのには驚いた。
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さて、すっかり日も暮れやってきたのは、サンディエゴの若者が集まるダウンタウンのガスランプ・クォーター地区。とにかく賑やかなエリアだ。
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サンディエゴは何と言ってもシーフードのメッカだが、このガスランプ・クォーターにある「ブルーポイント(Blue Point)」がトップクラスと評判が高い。
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店内は、かなり照明が落とされている。写真もピンボケしてしまう。
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正直、暗すぎて、メニューも良くみえない。。アミューズも、前菜も良く見えないので、ひんしゅくだが、メイン料理はフラッシュ撮影!こちらは、ホタテのリゾット添え。ホタテの火の入れ方と柔らかさとが抜群にマッチしている。鮮度も抜群だ。
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こらが、名物のロブスター。文句なしの美味しさに、ワインもググッと進む。
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スタッフのお兄さんの対応なども良く、すっかり満足してお店を後にした。
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(2014.7.18~19)
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