カズさんの旅たび

 ~歴史、文化、芸術、美食紀行。。

シンガポール

2013-03-01 | シンガポール
こちらは、シンガポール・チャンギ国際空港に隣接する「タナメラ・フェリーターミナル」で、今朝の午前6時15分に到着(午前0時15分羽田空港発で7h10m)し、シャトルバスで移動したところ。これから「ビンタン・リゾート・フェリー」に乗船して「ビンタン島」に渡り、リゾートヴィラに滞在することとしている。


そのビンタン島は、シンガポール海峡を隔てた南東46キロメートル沖に位置している。大小様々な島が点在する「リアウ諸島」の中では最大級の島で、シンガポールの約2倍、淡路島ほどの大きさがある。人口は約40万人、漁業や織物製造を中心した軽工業が盛んだが、豊かな自然とシンガポールからの交通の便が良いことから、1990年代からリゾート開発が本格化し、数多くのリゾートホテルや、マリンスポーツ、ゴルフ場、スパなどの施設が次々と営業しており、現在では世界的にリゾート地として知られている。

シンガポールからは船で1時間ほどの距離のビンタン島だが、インドネシアになることから、フェリー・ターミナルでは、手荷物検査・出国審査の時間を勘案し出航の1時間前までにチェックインを済ますよう推奨されている。その出国審査も無事終わり待機していると、出航30分前の午前8時半(日本のー1時間)に乗船案内があり、搭乗ゲートから屋根付きの通路を歩いて向かった。ちなみに、この日の外気温は27度で、冬の日本とは20度ほどの気温差がある。


フェリーは定員300名だが、乗り込んでみると意外なほど混雑しており、7割ほどの座席は埋まっていた。フェリーは揺れもなく順調に航行し、予定通りビンタン島北西部の「バンダル・ベンタン・テラニ・フェリーターミナル」に到着した。

フェリーターミナルで、入国審査、手荷物検査を経た後は、迎えに来た車に乗り込み、今回予約しているリゾートヴィラ「バンヤン・ツリー・ビンタン (Banyantree Bintan)」に向かった。車は、森を切り開いて造られた綺麗な道を快適に走行していく。ヤシの木、ソテツ、バナナの木なども立ち並び南国ムードに包まれつつ、ゴルフ場のコースが広がる丘を越えてしばらくすると到着した。ターミナルからは、8キロメートルほどの距離だった。


バンヤン・ツリーに到着したのは午前10時(日本のー2時間)で、最初に、周りを緑に包まれた開放的なレセプション・ルームで、ウエルカムドリンクを頂きながらチェックインをする。滞在中の注意事項など説明を聞き終えると、男性スタッフが現れて、入口にある「電動カート」に後ろ向きに座る様に案内された。。


「バンヤン・ツリー・ビンタン」はビンタン島の北部「タンジョン・サエ湾」に突起した小さな岬全体を敷地としている。岬は森に覆われ、その中に戸建てのヴィラが70棟ほど点在している。敷地内には、アップダウンのある細いメイン通路があり、その通路から一定間隔毎に左右に延びる隘路の突き当りにヴィラが一棟ずつ建っている。このため他のヴィラが視界に入らず、上質なプライベートタイムが満喫できるというわけだ。
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スタッフが運転する「電動カート」から下りて向かったヴィラは、チガヤの一種(アランアラン)で屋根を葺いたインドネシア伝統様式の平屋造りで、入口の観音開きの扉を開けると、海からの明るい陽射しが目に飛び込んでくる。扉の内側には木目調の床のプライベートテラスが広がり、正面に同じく木目調の丸テーブルが置かれている。テラスは西側に面し、海が見渡せる。近くには、ラワ島(直径100メートルほど)や、後方にはビンタン島のニルワナ・リゾート地区の海岸線が望める。


丸テーブルの右側にはジャグジーがあり、いつでも入浴が可能で、スイッチを入れると、勢いのある泡が噴射され水温も上がる仕組みである。ちなみに、風呂フタは落ち葉や枝などが入らないためのものだが、分厚く重い。これは強風に飛ばされにくく、野生の猿などが侵入できないようにするためらしい。


ジャグジーの手前にはビーチチェアマットが置かれ、入浴後、海を眺めながらひと時を過ごすことができる。ビーチチェアマットの周りには遮光や雨風よけ等のための壁や庇の天井が設置されおり、安心・安全の半屋外空間となっている。


プライベートテラスの左側のガラス戸を開けると寝室兼リビングの室内になる。床は薄グレー系色の大理石にブラウン系の木目調のテーブル、家具、ベッドなどが置かれている。テレビの下には、DVDデッキがあり、ガムラン音楽などを流すと癒し効果は絶大である。


左側の壁面には、額入りのバティック(インドネシアのろうけつ染め布地)が飾られ、その下に書き物をするための小さなデスクと椅子が置かれている。デスクにはお香立てが置かれている。


そして部屋の中心を占めるのが白いレースの天蓋が付いた豪華なベッドで、天井は、開放感のある勾配式で、シーリングファンが備え付けられている。部屋全体は、ホワイトとブラウンを基調にした落ち着いた色合いとなっている。


ベッドの向かい側は、蒼い海が一望できる様に窓ガラスになっている。その窓際に置かれたソファーベッドに座ると、木々が下に見え、より絶景感を味わえる。
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テレビの横の扉は引き戸で中はレストルームになる。左端がトイレで、中央には洗面台が2台並んでおり、大人が2人並んでも十分な広さで設計されている。そして窓際が浴室になっており、海を見ながらシャワーを浴びることが出来る。


まずヴィラでは、明るい日差しの下、プライベートテラスのジャグジーで旅の疲れを取り、その後、午後2時頃にフェリーターミナル近くにある「パッサ オレオレ」と名付けられた商店街にやってきた。こちらは観光客相手に作られたようなエリアで、土産屋、レストラン、マッサージ店、雑貨店など平屋で切妻屋根の20店舗ほどが集まっている。


その中にあった木造平屋で周りに中国風の提灯を吊り下げた「レストラン・オレオレ」に入ることにした。前菜、メイン、ライスの三点を注文した。最初の前菜は。お勧めのビンタン島名物「ゴンゴン貝」で、ミニほら貝の様な形をしている。つぶ貝の様に楊枝で身を取って食べるのだが、ややあっさり味で食べ始めるとやめられなくなる。


次に、メインはこちらも名物の渡り蟹で結構ボリュームがあった。そして、シーフード味のナシゴレンを頂いた。いずれも新鮮な魚介を使っており、コスパも良く昼から飲むビールとの相性も抜群で満足できた。


パッサ オレオレには、人も少なく、のんびりした空気が流れているが、他に興味を引くものもなかったので、食べ終わると直ぐにヴィラに戻った。ヴィラで少し休憩した後、バンヤン・ツリー敷地内の東側にあるレストラン・ツリートップス、ギャラリーショップ、スパの施設があるメインエリアを散策してみる。


ギャラリーショップには、お香台、キャンドルライト、茶器セットなどのバンヤン・ツリーをイメージした碧色の陶器やアロマグッズなどキュートな商品が展示販売されている。


その後、メインエリアから階段を下りたプールでひと泳ぎした。こちらは、インフィニティ・プール(無限の意)と呼ばれ、プールの外縁や段さを付けず、外縁と海や空が溶け込むように見せる設計のことで、近年、多くのリゾートホテルや高級ホテル等のプールで続々と採用されている。
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プールには利用客がいなかったためか、プールサイドにある2か所の茅葺の東屋にもスタッフはいなかった。営業していないのかと思ったが、泳いでいるとスタッフが現れ、こちらを見ることもなく東屋の中に入って何やら作業を始めた。スタッフは、こちらからのアクションがない限り、声をかけてこないが、さりげなく真新しいタオルをプールサイド・チェアに置いてくれたり、こちらが何か困った仕草をしていると、直ぐにきめ細かく対応してくれる。


バンヤン・ツリー専用のプライベートビーチにも人の姿はなかった。しばらく心地よい潮の香りを浴びながら砂浜を散策した。白い砂浜には、スナガニが造った小さな砂団子がアートの様に広がっている


岩場の近くには、一組のテーブル席が設置されている。岩にあたる波しぶきを背景にした赤いテーブルクロスのテーブル席は、どこか幻想的で絵画やアート映画の一場面の様でもある。


しばらく、プールで泳いだり、プールサイド・チェアに横たわり過ごした頃、日が傾き始めたので、ヴィラに戻ってプライベートテラスに腰を掛けてシャンパングラスを片手に夕日を眺めた。


夕食はレストランで頂いた。ちなみに、バンヤン・ツリーでは、ヴィラへのルームサービスも可能である。


最初に、食前酒とアミューズを頂き、前菜として串に刺したサテなどがある海鮮焼きの盛り合わせを頂いた。前菜には、三種類のタレが付いている。ピーナッツソースやケチャップマニスなどで、アジアン・エスニックの香りたっぷりである。
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メインは、サンバルなどで味付けされた新鮮でプリプリの焼えびや、ケチャップマニス風の甘い醤油タレに付け込んだ白身魚などを頂いた。ライスは、インドネシアでお祝い時などで食べるナシクニン(ターメリックとココナッツミルクで炊いた黄色いご飯)とナシメラ(赤色のご飯)の二種類で、香りが高く爽やかな風味が大変美味しかった
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朝食はブッフェ形式で用意されている。この時間テラス席には、家族連れ、カップルなど4組ほどの宿泊客が食事をしていた。インドネシア料理から、タイ料理、中華、和食、ヨーロッパスタイルなどとにかく種類が多い。一番驚いたのは朝からスパークリングワインが飲み放題ということ。少なくなったり飲み干すとスタッフが現れてどんどん注いでくれる。


少しずついろんな料理を頂きお腹が十分満たされたところで、バンヤン・ツリー・ビンタンでの滞在は終了となる。午後12時過ぎにチェックアウトして、フェリー乗り場(バンダル・ベンタン・テラニ・フェリーターミナル)まで送ってもらう。
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フェリーには、午後2時に乗船し、ビンタン島とはお別れになった。往路と比較して船内はかなり閑散としていた。少しお腹が空いてきたが、朝十分食べたことと、今夜の夕食の計画もあるので、軽めにすることとし、ビンタンビールとトムヤムクン・カップ麺を船内で買って食べた。


シンガポールのタナメラ・フェリーターミナルに無事到着した後、タクシーで、今夜のホテル(フェアモント・シンガポール)に向かった。ホテルは、シンガポール中心地の地下鉄(Mass Rapid Transit)シティー・ホール駅北側に建つ五つ星ホテルで、何といっても客室からの眺めが最高で、緑が鮮やかなパダン競技場と、その先に聳える高層ビル群との対比が大変美しい。高層ビル群一帯は「エンプレス・プレイス」と呼ばれ、シンガポールの金融センターとしての地位が高まりつつあった1990年代から続々と建設された。
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その高層ビル群の手前にはシンガポール川が右から左へ流れマリーナ湾に注いでいる。シンガポール川とパダン競技場との間の左岸には、白い時計塔の「ヴィクトリア・シアター」や「アジア文明博物館」などがある。ちなみにその左岸沿いを600メートルほど遡ると、有名な繁華街で人気の観光地クラーク・キーになる。そして、シンガポール川右岸の河口部には、ドーリア式列柱のある古典的な建物「フラトン・ホテル」が建ち、マーリナ湾には水を吹き出す「マーライオン」が見える。

マーリナ湾の2つの楕円状のドームは総合芸術文化施設「エスプラネード・シアターズ・オン・ザ・ベイ」で、屋根は「ドリアン」と呼ばれ、直射日光を遮断するためのアルミニウム製のパネルが取り付けられている。
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そして、その先が、ラスベガスのカジノリゾート運営会社ラスベガス・サンズによって開発された「マリーナベイ・サンズ」で、3棟の超高層ビル(最高部で57階)の屋上に、1ヘクタールの空中庭園「サンズ・スカイパーク」が繋がる仰天デザインで、シンガポールのランドマークとして一躍有名になった。屋上には世界一高い屋上プール(地上200メートル)がある。

ホテルの部屋で少し休憩した後、シティー・ホール駅(MRT南北線)から地下鉄で3駅目のオーチャード駅に向かった。駅を出た所にある伊勢丹オーチャード店の向かい側に建つ「ラッキー・プラザ」ビルに目的のマッサージ店「It Works」がある。こちらは、店長のハマさんがゆっくり強めに指圧する人気のマッサージ店である。施術料は60分で一人SGD70程度、店内には、来店客とハマさんとの写真がいたる所に飾られており人気の高さが伺える。


夕食は、ラッキー・プラザ・ビルからオーチャードロードを西に500メートルほど行った「インターナショナル・ビルディング」の2階にある「ライステーブル(Rice Table)」で食事をした。10皿以上の料理がテーブルに並ぶことで有名なインドネシア・マレー料理で、いつも混みあっている。少し遅めの午後8時頃にやってきたが、この時間もお客で一杯だった。料理はテーブル中央にあるホットプレートの上に食材が盛り付けられた舟皿が並べられ、ホットプレートに乗らない舟皿はサイドテーブルに置かれる。合計18皿にライス付き(76.23SGD)は凄いボリュームだが、お昼を軽くしたことと、マッサージの後でもあり、美味しく頂けた。


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翌日、午前中に再び「It Works」でマッサージを受け、ハマさんとの記念撮影も無事終えた後、シンガポール川沿いに向かった。到着した高層ビル群の谷間にある「ラッフルズ・プレイス駅」(MRT東西線と南北線)から少し北に歩くとシンガポール川の右岸に到着する。河口付近に架かる吊り橋「カベナ橋」は、シンガポール川に架かる最も古い橋(1868年築)で、イギリス海峡植民地の七代ウィリアム・カベナ知事(1820~1891)にちなんで名付けられたもの。
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目の前のシンガポール川には、観光船「リバークルーズ」が行きかっており、左岸に建つ「アジア文明博物館」前の乗船口から、一旦上流に向け出航しUターンした後に、マリーナ・ベイの「マーライオン公園」に向かう。

そして「カベナ橋」の右岸に建つ歴史的建造物は「フラトン・ホテル」で、イギリス海峡植民地の初代ロバート・フラトン知事(1773~1831)に因んで名付けられた。1928年に完成、1996年までは中央郵便局として使われた後、2001年より現在のホテルとなっている。


これからその「フラトン・ホテル」1階にある中華レストラン「ジェイド(Jade)」に向かう。レストランは、白を基調にした清潔な雰囲気で、ランチタイムは午前11時から午後3時までの二部制となっている。注文は、オーダーシートにチェックし数量を記入し、スタッフに渡す仕組みである。この日、注文したのは、、蝦餃(エビ蒸し餃子)、小籠包、蝦焼売、包子(パオズ)、揚餃子餃子腸粉、大根餅、鱶鰭スープ、海鮮お粥、鶏のから揚げ、蒸し鶏の香味だれ、八宝菜、牛肉の豆鼓ソース炒め、蛋撻(エッグタルト) 、タピオカ入りマンゴープリン、豆沙包子(あんまん) などであった(112.3 SGD)。。


食後は地下鉄で、ハーバー・フロント駅(MRT北東線)まで移動し「セントーサ島」にやってきた。こちらは、ユニバーサル・スタジオ・シンガポール、水族館マリーナ・ライフ・パーク、カジノ、リゾート・ホテルなどが建ち並ぶ統合型のリゾート「リゾート・ワールド・セントーサ」のフードコートやショップが集まる「セントラル・エリア」で多くの観光客が訪れている。フードコートの一角には、日本でもすっかり有名になった台湾点心店「Din Tai Fung」(鼎泰豊)も出店している。前方の円柱型の外観はアメリカの著名なデザイナーで建築家のマイケル・クレイヴス氏のプロデュースによる五つ星ホテル「ホテル マイケル」である。
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そのフードコートが並ぶ店舗の北側にある「海事博物館」 を見学する。博物館は、アジア海事の歴史について、貴重な文化財やデジタル展示設備などが設置され、海のシルクロードで見られた各地の文化習慣等が体験できる。
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15世紀の中国明代の提督、鄭和(1371~1434)の木造帆船を始めとする東南アジアの復元船舶の展示や、東南アジア海域に関する歴史の展示コーナーなどが充実している。鄭和は、朝貢貿易の拡大を目的に、1405年から1433年まで東南アジアからインド洋にかけて大艦隊を指揮した人物。驚かされるのは、ヨーロッパの大航海時代を90年も前に、2万人もの乗組員をもつ大艦隊を率いたことである。


館内の吹き抜けエリアには、木造帆船の小型モデルがたくさん飾られている。他にも、交易によりもたらされた美しい工芸品や、東南アジアの古銭や人形、お香グッズなどが展示されていた。
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午後7時にセントーサ・エクスプレスに乗り、「リゾート・ワールド・セントーサ」の南側に隣接する「インビア・ルックアウト」の「ビーチ・ステーション」にやってきた。


こちらの収容人数が2000人を超える規模のスタジアムでは、シロソ・ビーチとパラワン・ビーチをそのまま舞台にし、日没後2回にわたり「ソング・オブ・ザ・シー」と呼ばれるイベントが開催されている。


スタジアムでは、花火、レーザー、噴水、炎を駆使した壮大なスケールのショーが堪能できる。


40分ほどのショーを体感後、「インビア・ルックアウト・エリア」の「マーライオン・タワー」の東側に建つリゾートホテル(アマラ・サンクチュアリ・リゾート)沿いの「タンイン(Thanying Restaurant)」に歩いて向かった。タンインは、洗練されたタイ宮廷料理の有名店として知られており、本店はタイのバンコクにある。昨年バンコクに訪れた際にランチで利用したが美味しかったことからシンガポール店にもやってきた。


レストランには、午後9時頃到着したが、店内は空いていた。お昼は華やかなセントーサ島だが、日が暮れると、人通りが少なくなり「セントラル・エリア」以外は暗く、真夜中の様な気分になる。レストランも午後10時半までなので急いで注文した。最初に、グリーンマンゴーサラダ、甘辛いソースをかけた海老のソテーを頼んだ。


最後にグリーン・カレーを頼んだが、注文してから料理が出てくるまで早かった。味は、辛さに加えて、香り高く深みがあり洗練された味である。勝負は早く、ビールやワインも頼んだにも関わらず、40分ほどで食べ終わってしまった(124.2 SGD)。


レストランを後にして、人通りもほとんどなくなった歩道をから、ビーチビュー通りを横断すると南側に「マーライオン・タワー」が聳えている。昼に見た印象とは大きく異なり、目から発する光など巨大な怪物の様に見えて怖い。。


ビーチビュー通りを横断した先にあるインビア・ステーションからセントーサ・エクスプレスに乗り、MRTハーバーフロント駅から地下鉄でホテルに戻ってきた。ホテルの窓の外には、「エンプレス・プレイス」の高層ビル群のネオンが輝く美しい夜景が広がっている。
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「マリーナベイ・サンズ」と「エスプラネード・シアターズ・オン・ザ・ベイ」の姿は、まるで未来を舞台にしたSF映画に登場する宇宙船の様にも見える。
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「マリーナベイ・サンズ」から更に左側、東側には、アジア最大の観覧車「シンガポール・フライヤー」のライトアップした姿が見える。高層ならではの心地よい風も吹き抜け、無事ホテルに着いた安心感もあり、睡魔が襲ってきた。。
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翌朝の午前中はホテルの屋外プールを利用した。ホテルは高層ビルの2棟の角部分が直結しており、その内側の低層階ビルの屋上に円形の2つのプールがあり、2つのプールの間には、カフェ兼各種サービスを行う東屋がある。


プールは、周りに緑を配し、リゾート感を演出した設計になっているが、バンヤン・ツリーでの最高級リゾートを体感した後や、曇って肌寒いせいもあり、少しの時間だけ滞在して引き上げた。とは言え、チェックアウトはお昼の12時までだったので、ぎりぎりまでホテルで過ごした。


チャックアウト後、ホテルのそばでMRTシティホール駅手前の「ラッフルズシティ」のフードコートで中華ランチを頂き、午後2時過ぎに、シンガポール川沿いの「アジア文明博物館」にやってきた。アジア各地の芸術品や文化財を展示しており、主に、シンガポール、東南アジア、西アジア、中国、南アジアと、大きく5つのギャラリーから構成されている。


こちらは、唐三彩の副葬人形の数々。


そして、こちらは、インドのマトゥーラで出土したクシャーン朝時代の仏陀座像(1世紀後半から2世紀)。マトゥーラはインドの首都ニューデリーから140キロメートルほど南にあり、仏像が初めて誕生した地として知られている。黄班文のある赤色砂岩が特徴で、こちらの像はややふくよかな体形で微笑みを備えている。


シヴァ神は、ヒンドゥ教では最も影響力を持つ主神の一人で、多くの特徴を兼ね備えた人の姿として表されるが、「リンガ」と呼ばれる円錐形で表され、主に寺院の本尊として祀られる。そのリンガには「ムカリンガ」と呼ばれる金属のリンガカバーがあり、その表面には一つまたは複数のシヴァ神の顔を配置する。こちらは、8世紀制作のムカリンガのシヴァ神の顔部分三体で、手前の二体が金製、後方が銀製である。


こちらは、ガルーダ神のレリーフ(11世紀~12世紀)。インド神話に登場する炎の様に光り輝き熱を発する神鳥で、人々に恐れられる蛇・竜を退治する聖鳥として崇拝されている。体を大きく反りながら両手で蛇を捕まえている姿がユーモラス。東南アジア諸国において、文化・文学におけるモチーフとなることが多い。


インドネシアの民族音楽「ガムラン」で使用される楽器が展示され、スクリーンに演奏風景が映写されている。手前は、「ガンサ」という鍵盤打楽器で、右端は側面に竹が配されている。これらは金槌のような木製の「パングル」(撥)で青銅の鍵盤を叩いて音をだす。その奥の窯の様な形が並ぶ楽器が「レヨン」で、細長いばちを両手に持ち頂部の瘤を叩いて音を出す。そして、左側の紐で吊るされたのが「ゴング」(銅鑼)。最後に、一番奥に「クンダン」(太鼓)がある。こちらはナンカ(果物の一種)の木をくり抜き、両側に牛の皮を張って作られており、主に右手でたたく。


博物館は、午後7時までだが、今夜の午後10時50分発の飛行機に乗ることから、午後6時を過ぎた段階で、夕食に向かった。シンガポールでの食事の締めくくりは、本格的な広東料理として知られる「レイガーデン・レストラン」である。

今朝まで宿泊した「フェアモント・シンガポール」の西隣の区画に建つ「チャイムス・ホール」の1階にある。チャイムス・ホールとは、1904年に建てられた旧修道院、歴史的建造物コールドウェル・ハウス、旧校舎などを改装した複合施設で、現在は結婚式や企業イベントの催事場として機能している。

MRTシティー・ホール駅からは200メートルほどの距離だが、少し遠回りして西側のヴィクトリア通り側の正面入口からの方が分かりやすい。礼拝堂があるファサード横の白い尖頭アーチをくぐり中庭に入った北側回廊側に面している。回廊内には、他にもレストラン(日本料理店もあり)が軒を並べている。シンガポールで北京ダックを食べたいとなればレイガーデンとなる。


他に、蟹肉入り鱶鰭スープ、揚げ手長蝦、角切り叉焼と各種野菜の炒め物、杏仁豆腐などを頂いた(295.43 SGD)。久しぶりにレイガーデンへの来店となったが、安定感を感じさせる旨さで、リゾートのフィナーレを飾るにふさわしい。


食後、空港に向かい、午後10時50分発のJAL便でシンガポールを後にした。羽田には、火曜日の朝午前5時50分に到着するスケジュールだが、そのまますぐに仕事に向かうことを考えると気が重い。。
(2012.2.10~13)
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