1日1日感動したことを書きたい

本、音楽、映画、仕事、出会い。1日1日感動したことを書きたい。
人生の黄昏時だから、なおそう思います。

「ココ・アヴァン・シャネル」(アンヌ・フォンテーヌ)

2009-09-28 00:12:11 | 映画
 「ココ・アヴァン・シャネル」(アンヌ・フォンテーヌ)を見ました。主演は、『アメリ』のオドレイ・トトゥです。ココ・アヴァン・シャネルとは、もちろん世界のファッションをリードしたあのシャネルのことです。孤児院で育ったシャンルが、酒場の歌手を経てファッション界のリーダーになるまでの半生を、彼女が愛した二人の男性との出会いと別れを主題に描いた映画です。

 貴族という階級が厳然として存在し、女性が男性の「デコレーション」(映画の中のセリフ)として位置づけられている社会の中で、一人の人間として自立して生きていくには、結婚=「男のデコレーションになる」という選択は、シャネルには存在しなかったのでしょうね。「働きたい」と強く主張しながら、一生独身を通したシャネルの生き方に「がんばったんやね」という声をかけたくなりました。ちょっぴりせつなかったけど。

 この映画で知ったのだけれど、体を締め付けるコルセットのない服、男物の乗馬服、漁師の作業着、羽飾りのない帽子、ヒールのない靴、ジャージ、黒のドレス。これらすべてが、シャネルが、女性の服装に新しく持ち込んだものなのですね。
 男物の乗馬服を着て馬にまたがるシーン。コルセットをハサミで切ってしまうシーン。一人だけ黒いドレスを着て踊るシーン。黒い帽子に黒のスラックス。青と白のストライプのシャツ。女性がもっと自由に羽ばたけるように、男の付属品としてではなく一人の人間として自立し生きていけるように、そんなシャネルの想いが、彼女の服から伝わってきました。シャネルって、服装によって女性のライフスタイルまで変えてしまった、とてもえらい人だったのですね。シャネルのことは、何も知らなかった僕にとっては、とても新鮮な映画でした。

 オドレイ・トトゥの芯の強そうな瞳もとてもよかったです。個人的にはとてもおもしろかったけれど・・・世間の評価はいまいちなのです???