従軍慰安婦、この慰安婦という言い方も、誰の側に立っているかに思い至ったとき、使いたくないことばとなりました。英語で言う、性奴隷のほうがぴったりでしょう。
アメリカの下院で、日本政府に対して明確に歴史的責任を認め、日本の首相が公式に謝罪するよう求める決議案を可決したと、昨日の新聞にありました。今月15日には、日本の自民・民主の国会議員とジャーナリストらが、日本政府の関与を否定する広告文をワシントンポストに掲載したことが、刺激になったのでしょうか。(恥の上塗りだったとわたしは思いますが)
アメリカからそんなことを指摘されなければ、自国の歴史もまともに認めることができないのかと情けなくなりますが、それでも人権意識の薄い日本に対して、警告を発してくれることは賛成したいと思います。
戦前日本にあった公娼制度も、貧しい人々の口減らしや、借金のためなどの人身売買であったことを、よもや政治家は知らないはずがないと思うのですが、そういうことも自ら望んだことだと、言い切ることのできる神経の持ち主が、あんな意見広告をだすのでしょう。その女性が、自分の妻や、姉や妹だったら・・などという想像力さえ、なくしているのでしょう。
私は、以前、戦地に行って、女性を買わなかった男性の本を読んだことがあります。どんなときでも、人間として誇りを失わないように、懸命に生きる人もいれば、傷ついた心に平気で潮をぬる人もいる、そしてそれが政治家と呼ばれる人々の中にもいるということに、強い憤りを感じています。
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調べようとしないあなたがおかしいだけ
慰安婦の問題は、人権の問題です。人権は理由のいかんを問わず守られなければならないものです。
1年半前のこと、酒を飲んでいきなりわたしの胸をわしづかみにした男がいました。わたしが抗議しようとしたら、熟年女性が酒の席でのことでといって、必死に私を止めました。私は、その女性の行動のほうがショックでした。
女性の人権は男性の人権とは異なると思っている女性たちが多いことも悲しいことです。
肉親の中にも、戦争被害の痛みを生涯感じ続けた人たちが多数います。
戦争は、あらゆるいのちを損なう暴力だから、戦時になると暴力は加速度を増すばかりです。なんとしても、阻止していきたい。
いま、地域のなかでも、他者を絶対みとめないという支配力を感じることがあります。自分の中の恐れや弱さを認めたくない、それは他者がもつもの、という思い込み、それはDVという暴力の加害者にも共通するものですが、犠牲にならない手だてを共に考え合う仲間が大切だと実感しています。