昨年の全米オープンでの優勝に続いて全豪オープンでも優勝した大坂なおみさんは、世界ランキング第一位となった。
ニュースやワイドショーでは日本人ではじめて!とか、おおはしゃぎである。
もちろん日本人登録をして試合に臨んでいるのだから、間違いではないが、なおみさんはアメリカ国籍と日本国籍の二重国籍をもっている。
ほんの30数年前まで、つまり1985年の女子差別撤廃条約を日本が批准するまでは、母親が日本人でもこどもには日本国籍を与えなかった。
日本は血統主義に基づいており、父親が日本人の場合のみ、こどもに日本国籍を付与するという、歴然たる男女差別をしていた。
1985年から、母親が日本人の場合でも日本国籍が取得できるようになったので、大坂なおみさんは母親の国である、「日本人」を名乗っている。
しかし、日本では、二重国籍を認めていないために、20歳から22歳の間に、国籍を選択すると決められている。さらに、その祭に、日本国籍を選択した人はもうひとつの外国国籍を離脱するように求めている。
大坂なおみさんは今21歳である。10月が誕生日だというから、今年の10月には決断をせまられることになるだろう。
アメリカは二重国籍を認めている国である。そういう国は多く存在している。出世地主義をとっている国は、その国で産まれたら、国籍を得ることができる国も多くある。
大坂なおみさんには、日本人とかアメリカ人とかではなく、その人そのものの素晴らしさとして、称えてあげることはできないのだろうか・・。
日本は、日本人であることにこだわりすぎているのではないだろうか。
大相撲の稀勢の里は、日本人横綱の期待につぶされてしまったように思う。大関のままだったら、まだケガを治して相撲をとっていたのではないだろうか。大相撲はとっくに、外国人が参入しているスポーツであった。
これだけグローバルな時代に、あまりにも日本人にこだわることが異常に思えるのだ。
大坂なおみさんは二重国籍をそのままにしてほしいし。そして、それが日本が二重国籍を認めるきっかけにならないかなあ・・と期待をよせつつ、注目をしている。
「母親の国か父親の国のどちらかを選びなさい」ということに、どんな意味があるのだろうか・・。