今回の質問は、答えるのが難しいのが多かった。
1. 先生は自己主張するのが得意ですか。自己主張が得意でないと先生に向いていないのでしょうか。
答:あなたが、どんな人か、わから無いと何とも言えませんが、自己主張ができるかどうかだけでは先生に向いているかどうかは分かりません。というのは、いつも、自己主張ができるかどうかよりも、適切な場面で少しだけ自己主張ができればいいのです。普段は黙っていても、大切な場面で一言言える方が信用されます。自己主張も時によりけりで、必要のない自己主張はマイナスの印象を与えるのです。ですから、自己主張はできるかどうかよりも、どんな場面でどのような自己主張をするかの方が大切だと思っています。この本の中では、その部分について曖昧だと思いますが・・・。
2. 幼い幼児のときからセルフ・エスティームは育てていくべきなのですか?
答:そうですね。というのは、幼児期といっても、それが年齢が低いから影響がないと考えるのは誤りだと思います。乳幼児の段階から、セルフエスティームは形成されるからです。
3. 自分のセルフ・エスティームのタイプを判断する調査をすることは可能であるか。
答:帰属理論の研究を中心にいろいろな、自己の状態を測定する研究や測定方法が考えられています。しかし、これで決まりだというような測定方法はありません。ですから、可能といえば可能ですが、あまり当てにならないというのが現実です。まあ、心理学というのはそんな程度だと思います。また、セルフ・エスティームは影響する要因が多いために、これでセルフ・エスティームの程度がはかれたとしても、内容ははかるのが難しいと思います。
4. 先生は海外に旅行によく行かれていますが、海外の方の強い自己主張をする場面などを見た経験がありましたら教えてください。
答:それは、いつもです。9月にエストニ・アラトビア・リトアニアを旅行したときも、私が日本人だと分かると出会う人が日本について知っていることを話してくれました。自己主張というのは、自分のためだけでなく、相手とのコミュニケーションをとるために、自分の知っていることを話すという形で、自己主張をすることもあるのだなと思いました。
5. 「自己主張」についてなので、失礼だと思いますが聞いてみます。川島先生が、ワイフに告白したのですか?
答:いえ、告白はしていません。5年以上つきあっていたので、告白することなく、当たり前で、結婚式の日程を決めました。告白というのは、それまで友達のような状態である場合に限るのではないでしょうか。私の経験では、友人も含めて告白をしなくても、当然のように分かり合うことが出きる関係の方が多かったです。
6. 子どもの自己評価を高くするためにはどんな教育が必要だと思いますか。
答:子どもの立場と認めること、子どもを尊敬することだと思います。教育ということばを使うと、どうしても上下の関係ができてしまいますが、子どもと一緒に生活して行くと考えると自然に対等の関係が作れると思います。
7. 前回の本でのメディアという題材でしたが最近の話題の尖閣諸島沖の衝突映像がyoutubeで流出したことについて先生はどうお考えでしょうか?
答:たいしたことではないと思っています。それをマスコミがこんなに大きな問題だと取り上げていることに疑問を感じます。
8. 子どもを褒めてばかりではそれも良くないと思います。叱ることも大切だと思いますが、先生はどうお考えですか。
答:確かにそうですね。叱ることと褒めることをうまく組み合わせる必要があります。叱るだけでは、何かを教えることにならないので、褒めることと組み合わせて使う必要があります。叱ったら、褒めるというのが、ただしいい方法です。
9. 幼児期の自己主張というものはどのようなものがあるのでしょうか。
答:それは、いくらでもありますよ。幼児を見てみれば分かります。いつも自己主張をしていますよ。それをつぶして押さえて行くのが小・中学校の段階です。
10. 先生は自己評価は高いですか。低いですか。
答:うーん。どうだろう。自分自身についての評価は低くても、私と関係する周りの状況が自慢できることが多いので、相対的な自己評価が高いような気がします。
11. 課題図書はどのような基準で選ばれているのですか?今後の読書の参考にさせてください。
答:春休みと夏休みに何冊か、いろいろと読んでみて、それを並べて、今学期は、これにしようと決めています。一応いろいろと読んで、皆さんが読んで役に立つだろうなあと思うものを選んでいますが、あまり自信はありません。おもしろくなかったら、すみません。
12. 自尊感情について、筆者の方が「定まった定義はない」と言われていて、とても驚きました。先生は「自尊感情」という言葉をどういう意味で使っていますか?
答:そうですね。実際、私自身が、自尊感情を持っているかどうかと問われると分かりません。というのは、私の自尊感情の多くの部分が、私を取り巻く他の人間のすばらしさに関わっているからです。例えば、ワイフがすばらしい(すてきなワイフがいる)とか、自慢の子どもがいる(優秀な子どもたちである)とか、いろいろと外国を旅行した(いろいろな人のおかげで外国でおもしろい体験をすることができた)というように、私の自尊心は、そこに影響するあまりにも多くの要因があるからです。私の自尊感情は、多く人ののおかげだと言うことだけは分かりまが・・・
13. いつから日本人は謙遜することが美徳として捉えられてしまったのか。
答:うーん。おもしろい質問ですね。いつ頃からなんだろう。源氏物語の中では、すでに見られる気がするから、その前なのでしょうね。すみません。今度考えてみよう。。
14. 最近ニュースでも報じられていますが、教師の問題行動について、先生はどうお考えですか?
答:私は、マスコミが取り上げるような教師の問題行動は、あまり問題にしていません。というのは、何しろ、小・中・高の教員の数は、全国で100万人もいるのですから、数人、数十人の特別な行動をする人がいても当然、誤差の範囲だと思っているからです。教員だから、特別だと考えるマスコミの取り上げ方が問題だと思っていますよ。
15. 先生の“プライド”とは何ですか?
答:場面によって、相手によって変わります。人間は、人を殺さないと生きてゆけない状況になったら殺すかもしれません。そんなときはプライドもなにもありません。いま、アンノンに平和に暮らしているので、何となく、他の人より優越だと思えることをプライドだと思って生きている気がします。大学の教員であることにプライドを持っていても退官すれば、なくなります。そう考えると、私のプライドは、私であることしかなくなります。私が私であることをプライドにしなくては・・・。
16. 先生はこの本で述べていることで、どういった考えがいいと感じましたか?
答:一応、いろいろなデータを示していることです。それを基に論じているところがいいですね。元にまあ、そのデータが適切であるかは別としてですが・・・
17. 川島先生に質問:私たち日本人は,文化として「遠慮」というものが大きいと思いますが,これから日本がイギリスやアメリカの文化を取り入れたとして,今より開放的に自分を誇りに思うことが認められる国になると思いますか?
答:それは、なるかもしれません。でも、それが正しいかどうかは分かりません。また、それが良いかどうかもわかりません。
18. ゼロサム社会とはどのような社会のことを言うのですか?
答:ゼロサムゲームは、なんらかのゲームのような状況で、勝つ人がいると負ける人が必ずいる状況を言います。競馬やパチンコのような状況です。そう考えると、ゼロサム社会は、競争社会のような、勝ち組がいると負け組もいるような社会です。みんなが勝つということがない社会だとも言えます。
19. 日本では「あなたは幸せか」という問に対して「とても幸せ」答える子どもが少ないのは何故だと思いますか?
答:競争社会では、勝ち組にならないと幸せとは言えません。そのために、少数の勝ち組になる確率が低い社会では、子どもが幸せになれる確率が低いと答えるのは当たり前だと思います。
20. 中学生ぐらいになると授業中の発言が減ります。特に手を挙げる人はかなり減ってきます。発言を促す、手を挙げられるようにしていくためにはどういった取り組みがあるでしょうか。何か案があるようでしたら教えていただけると幸いです。
答:基本的には、生徒が「間違ったら恥ずかしい」という気持ちをなくす方向で教師が接することだと思います。そのためには、まず、①間違ってもかまわないから手を挙げましょうと言語化し、間違ったとしても手を挙げたことを②褒めることを地道に続けるしかないと思います。他の行動もそうですが、行動としては小学校の段階で教える内容だと思います。しかし、それができていないのであれば、中学校でスモールステップでの強化を続けるしかないとお思います。
21. 前半で書いた「彼」についてですが、今後どうやって付き合っていけばいいでしょうか。わたしたちとしては、彼自身の今後も考えて、少し考え方を広げてほしいと思っていまず。もう少し「自分」ばっかりにならずに他のことにも目を向けられるように、しかも彼のセルフ・エスティームをそこまで傷つけないようにしたいのですが、どんな話をすればよいでしょうか。それとも、今思っていることをそのままぶちまけでも良いのでしょうか。内輪もめの話で申し訳ないですが、よろしくお願いします。
答:大人になってから性格のようなものを変えようとするのはとても大変です。問題を指摘されると人間は誰でも傷つきます。ですので、傷つかないように相手の欠点を指摘するのはとても難しいことです。しかし、少しずつ柔らかく言うことはできます。一度にその人に忠告したり、指摘するのでなく、ケースに応じてその場面で、「そうね、だけど、それは、ちょっと~・・・私は、思うんだけど」などのように、少しずつ、言うことと、その人が尊敬している人がモデルとなって、「○○先輩なら、こう言うかも」というような言い方をするしかないと思います。大人を変えるのは、それを身につけてきたくらいの時間かかります。
22. 最後の最後に州島先生に質問だが、自分がどうしても理解ができないような文章で構成された本があり、それを読まなければならないという状況に出くわしたら、どう対処されるかお聞かせいただけるとありがたいです。
答:うーん。授業の課題のような本なら、しょうがないので、とばし読みをして、読みこなしている人の意見を聞いたり、関連書を調べたりするのがいいと思います。
他の場合も同じように、その著者のことを調べたり、関連する本を読むのがいいと思います。
23. 今回述べたのはあくまで例の一つに過ぎないが、このような実践のなかで理想のセルフ・エスティームを構成できれば素晴らしいと思います。ただ、全てのセルフ・エステームが均一化された場合、個性化という側面は無くなってしまうのではないか?という疑問が最終的に生まれた。この疑問を解決する能力を私は現在持ち合わせていないが、カワティ先生がこの疑問に答えてくれればと思う。
答:全てのセルフ・エステームが均一化された場合、確かに、個性が少なくなることはあっても、個性化という側面は無くなってしまうことは、無いと思います。というのは、セルフエスティームか均一化され、誰もが同じことを同じように自慢に思っていても、一人一人の出会う状況過去となるので、全く同じにはならないからです。それが、積み重なって個性化が起きると思います。まあ、実際は、セルフエスティームが均一になることはないと思いますが、価値観が同じ方向に向く(戦争のようなとき)ことはあるかもしれません。
1. 先生は自己主張するのが得意ですか。自己主張が得意でないと先生に向いていないのでしょうか。
答:あなたが、どんな人か、わから無いと何とも言えませんが、自己主張ができるかどうかだけでは先生に向いているかどうかは分かりません。というのは、いつも、自己主張ができるかどうかよりも、適切な場面で少しだけ自己主張ができればいいのです。普段は黙っていても、大切な場面で一言言える方が信用されます。自己主張も時によりけりで、必要のない自己主張はマイナスの印象を与えるのです。ですから、自己主張はできるかどうかよりも、どんな場面でどのような自己主張をするかの方が大切だと思っています。この本の中では、その部分について曖昧だと思いますが・・・。
2. 幼い幼児のときからセルフ・エスティームは育てていくべきなのですか?
答:そうですね。というのは、幼児期といっても、それが年齢が低いから影響がないと考えるのは誤りだと思います。乳幼児の段階から、セルフエスティームは形成されるからです。
3. 自分のセルフ・エスティームのタイプを判断する調査をすることは可能であるか。
答:帰属理論の研究を中心にいろいろな、自己の状態を測定する研究や測定方法が考えられています。しかし、これで決まりだというような測定方法はありません。ですから、可能といえば可能ですが、あまり当てにならないというのが現実です。まあ、心理学というのはそんな程度だと思います。また、セルフ・エスティームは影響する要因が多いために、これでセルフ・エスティームの程度がはかれたとしても、内容ははかるのが難しいと思います。
4. 先生は海外に旅行によく行かれていますが、海外の方の強い自己主張をする場面などを見た経験がありましたら教えてください。
答:それは、いつもです。9月にエストニ・アラトビア・リトアニアを旅行したときも、私が日本人だと分かると出会う人が日本について知っていることを話してくれました。自己主張というのは、自分のためだけでなく、相手とのコミュニケーションをとるために、自分の知っていることを話すという形で、自己主張をすることもあるのだなと思いました。
5. 「自己主張」についてなので、失礼だと思いますが聞いてみます。川島先生が、ワイフに告白したのですか?
答:いえ、告白はしていません。5年以上つきあっていたので、告白することなく、当たり前で、結婚式の日程を決めました。告白というのは、それまで友達のような状態である場合に限るのではないでしょうか。私の経験では、友人も含めて告白をしなくても、当然のように分かり合うことが出きる関係の方が多かったです。
6. 子どもの自己評価を高くするためにはどんな教育が必要だと思いますか。
答:子どもの立場と認めること、子どもを尊敬することだと思います。教育ということばを使うと、どうしても上下の関係ができてしまいますが、子どもと一緒に生活して行くと考えると自然に対等の関係が作れると思います。
7. 前回の本でのメディアという題材でしたが最近の話題の尖閣諸島沖の衝突映像がyoutubeで流出したことについて先生はどうお考えでしょうか?
答:たいしたことではないと思っています。それをマスコミがこんなに大きな問題だと取り上げていることに疑問を感じます。
8. 子どもを褒めてばかりではそれも良くないと思います。叱ることも大切だと思いますが、先生はどうお考えですか。
答:確かにそうですね。叱ることと褒めることをうまく組み合わせる必要があります。叱るだけでは、何かを教えることにならないので、褒めることと組み合わせて使う必要があります。叱ったら、褒めるというのが、ただしいい方法です。
9. 幼児期の自己主張というものはどのようなものがあるのでしょうか。
答:それは、いくらでもありますよ。幼児を見てみれば分かります。いつも自己主張をしていますよ。それをつぶして押さえて行くのが小・中学校の段階です。
10. 先生は自己評価は高いですか。低いですか。
答:うーん。どうだろう。自分自身についての評価は低くても、私と関係する周りの状況が自慢できることが多いので、相対的な自己評価が高いような気がします。
11. 課題図書はどのような基準で選ばれているのですか?今後の読書の参考にさせてください。
答:春休みと夏休みに何冊か、いろいろと読んでみて、それを並べて、今学期は、これにしようと決めています。一応いろいろと読んで、皆さんが読んで役に立つだろうなあと思うものを選んでいますが、あまり自信はありません。おもしろくなかったら、すみません。
12. 自尊感情について、筆者の方が「定まった定義はない」と言われていて、とても驚きました。先生は「自尊感情」という言葉をどういう意味で使っていますか?
答:そうですね。実際、私自身が、自尊感情を持っているかどうかと問われると分かりません。というのは、私の自尊感情の多くの部分が、私を取り巻く他の人間のすばらしさに関わっているからです。例えば、ワイフがすばらしい(すてきなワイフがいる)とか、自慢の子どもがいる(優秀な子どもたちである)とか、いろいろと外国を旅行した(いろいろな人のおかげで外国でおもしろい体験をすることができた)というように、私の自尊心は、そこに影響するあまりにも多くの要因があるからです。私の自尊感情は、多く人ののおかげだと言うことだけは分かりまが・・・
13. いつから日本人は謙遜することが美徳として捉えられてしまったのか。
答:うーん。おもしろい質問ですね。いつ頃からなんだろう。源氏物語の中では、すでに見られる気がするから、その前なのでしょうね。すみません。今度考えてみよう。。
14. 最近ニュースでも報じられていますが、教師の問題行動について、先生はどうお考えですか?
答:私は、マスコミが取り上げるような教師の問題行動は、あまり問題にしていません。というのは、何しろ、小・中・高の教員の数は、全国で100万人もいるのですから、数人、数十人の特別な行動をする人がいても当然、誤差の範囲だと思っているからです。教員だから、特別だと考えるマスコミの取り上げ方が問題だと思っていますよ。
15. 先生の“プライド”とは何ですか?
答:場面によって、相手によって変わります。人間は、人を殺さないと生きてゆけない状況になったら殺すかもしれません。そんなときはプライドもなにもありません。いま、アンノンに平和に暮らしているので、何となく、他の人より優越だと思えることをプライドだと思って生きている気がします。大学の教員であることにプライドを持っていても退官すれば、なくなります。そう考えると、私のプライドは、私であることしかなくなります。私が私であることをプライドにしなくては・・・。
16. 先生はこの本で述べていることで、どういった考えがいいと感じましたか?
答:一応、いろいろなデータを示していることです。それを基に論じているところがいいですね。元にまあ、そのデータが適切であるかは別としてですが・・・
17. 川島先生に質問:私たち日本人は,文化として「遠慮」というものが大きいと思いますが,これから日本がイギリスやアメリカの文化を取り入れたとして,今より開放的に自分を誇りに思うことが認められる国になると思いますか?
答:それは、なるかもしれません。でも、それが正しいかどうかは分かりません。また、それが良いかどうかもわかりません。
18. ゼロサム社会とはどのような社会のことを言うのですか?
答:ゼロサムゲームは、なんらかのゲームのような状況で、勝つ人がいると負ける人が必ずいる状況を言います。競馬やパチンコのような状況です。そう考えると、ゼロサム社会は、競争社会のような、勝ち組がいると負け組もいるような社会です。みんなが勝つということがない社会だとも言えます。
19. 日本では「あなたは幸せか」という問に対して「とても幸せ」答える子どもが少ないのは何故だと思いますか?
答:競争社会では、勝ち組にならないと幸せとは言えません。そのために、少数の勝ち組になる確率が低い社会では、子どもが幸せになれる確率が低いと答えるのは当たり前だと思います。
20. 中学生ぐらいになると授業中の発言が減ります。特に手を挙げる人はかなり減ってきます。発言を促す、手を挙げられるようにしていくためにはどういった取り組みがあるでしょうか。何か案があるようでしたら教えていただけると幸いです。
答:基本的には、生徒が「間違ったら恥ずかしい」という気持ちをなくす方向で教師が接することだと思います。そのためには、まず、①間違ってもかまわないから手を挙げましょうと言語化し、間違ったとしても手を挙げたことを②褒めることを地道に続けるしかないと思います。他の行動もそうですが、行動としては小学校の段階で教える内容だと思います。しかし、それができていないのであれば、中学校でスモールステップでの強化を続けるしかないとお思います。
21. 前半で書いた「彼」についてですが、今後どうやって付き合っていけばいいでしょうか。わたしたちとしては、彼自身の今後も考えて、少し考え方を広げてほしいと思っていまず。もう少し「自分」ばっかりにならずに他のことにも目を向けられるように、しかも彼のセルフ・エスティームをそこまで傷つけないようにしたいのですが、どんな話をすればよいでしょうか。それとも、今思っていることをそのままぶちまけでも良いのでしょうか。内輪もめの話で申し訳ないですが、よろしくお願いします。
答:大人になってから性格のようなものを変えようとするのはとても大変です。問題を指摘されると人間は誰でも傷つきます。ですので、傷つかないように相手の欠点を指摘するのはとても難しいことです。しかし、少しずつ柔らかく言うことはできます。一度にその人に忠告したり、指摘するのでなく、ケースに応じてその場面で、「そうね、だけど、それは、ちょっと~・・・私は、思うんだけど」などのように、少しずつ、言うことと、その人が尊敬している人がモデルとなって、「○○先輩なら、こう言うかも」というような言い方をするしかないと思います。大人を変えるのは、それを身につけてきたくらいの時間かかります。
22. 最後の最後に州島先生に質問だが、自分がどうしても理解ができないような文章で構成された本があり、それを読まなければならないという状況に出くわしたら、どう対処されるかお聞かせいただけるとありがたいです。
答:うーん。授業の課題のような本なら、しょうがないので、とばし読みをして、読みこなしている人の意見を聞いたり、関連書を調べたりするのがいいと思います。
他の場合も同じように、その著者のことを調べたり、関連する本を読むのがいいと思います。
23. 今回述べたのはあくまで例の一つに過ぎないが、このような実践のなかで理想のセルフ・エスティームを構成できれば素晴らしいと思います。ただ、全てのセルフ・エステームが均一化された場合、個性化という側面は無くなってしまうのではないか?という疑問が最終的に生まれた。この疑問を解決する能力を私は現在持ち合わせていないが、カワティ先生がこの疑問に答えてくれればと思う。
答:全てのセルフ・エステームが均一化された場合、確かに、個性が少なくなることはあっても、個性化という側面は無くなってしまうことは、無いと思います。というのは、セルフエスティームか均一化され、誰もが同じことを同じように自慢に思っていても、一人一人の出会う状況過去となるので、全く同じにはならないからです。それが、積み重なって個性化が起きると思います。まあ、実際は、セルフエスティームが均一になることはないと思いますが、価値観が同じ方向に向く(戦争のようなとき)ことはあるかもしれません。