事例紹介コラムです。
先日18日、おやっと思うニュースが流れました。8日開催のJ1広島対川崎戦において、海外のブックメーカー市場で異常な賭け方が見られたという初の「警報」を受けていたと発表。結果はシロだったものの、まさかの事態にJリーグ事務局は対応に大わらわだったと報道にありました。その内容について、Jリーグの発表を抜粋して紹介。
【報告事項】
①3月10日(月)、Jリーグは日本サッカー協会を通じてFIFA EWS社よりスポーツ賭博市場動向の監視レポートを受け取る。
②監視レポートの内容は「3月8日(土)J1広島対川崎戦に対する賭け方に『小さな異常値』が見られた」というもの。
③Jリーグはこの報告を受けて、当該試合に関し不正行為又はその働きかけがなされた形跡がないか調査するため、試合に関わった関係者を調査することを決定。弁護士を含む緊急調査チームを立ち上げ、両クラブの実行委員、強化責任者、出場またはベンチ入りした選手、監督はじめベンチ入りしたコーチングスタッフ、さらに4人のレフェリーを対象に、個別の事情聴取を実施。また日本協会の協力を得て、EWS社から追加の情報を収集するとともに、別の監視会社からセカンドオピニオンを入手。さらに日本協会技術委員会、および審判委員会に試合の映像分析を依頼。
④調査の結果、当該試合に関し不正行為及びその働きかけがなされた形跡は一切認められず、不正は行われなかったとの判断。
⑤加えて3月17日(月)深夜、Jリーグは日本協会を通じてFIFA EWS社より、最終レポートを受領。同社による調査の結果、「問題の異常値は市場での「噂」によって惹起されたもので、当該試合への不正な関与はなかったと思われる」との報告。
⑥Jリーグは今後も、スポーツ賭博市場の監視から警報を受け取った場合は、徹底的な調査を実施。関係者への啓発活動等を通じ、我々が否応なくスポーツ賭博と試合結果への不正関与という脅威にさらされていることへの理解を浸透。その活動の積み重ねが、Jリーグのフェアネス(公平性と透明性)を守る防波堤になると確信。今後もフェアで魅力的な試合を行うことにより、地域の皆様に夢と楽しみを提供。
【EWS】
日本サッカー協会は2011年より、違法なスポーツ賭博による「試合操作」(審判、選手の買収など)の可能性を検出して警告するシステムEWS(Early Warning System)を導入。Jリーグの国内試合も世界各国の複数の賭博事業者(ブックメーカー)における賭けの対象になっており、このEWSを導入したことで、「試合操作」の可能性を未然にキャッチし、必要な対策を講じる危機管理体制を構築。
このEWSは、FIFAから独立したEWS社(100%FIFA出資会社)が運営。450社以上の世界中の賭博事業者(ブックメーカー)と提携し、これらの事業者から即時的に提供されるさまざまな情報をもとに、各国のサッカーの試合における賭け率の変動などを24時間365日監視。試合で、賭け率が急激に変動するなど「不自然な動き」が検知された場合、EWSによって「不正操作が行われている可能性がある」と判断され、その試合が行われているサッカー協会に対して即座に「警告」を通知。
【チェアマンコメントの要旨】
EWS社がJリーグの試合に警告を発したことは史上初めてのこと。調査を進め、事実関係を知る中で、「Jリーグは不正を絶対に許さない。日本においてEWSは常に正常に稼働し監視状態にある。そしていつでもJリーグは徹底的に調査・検証する体制にある」というメッセージを冷静に内外に発信することが、将来の日本サッカー界の健全な発展のために大変重要なことだと判断。
Jリーグ公式HP該当ページ:http://www.j-league.or.jp/release/000/00005711.html
'11年からJリーグに導入された八百長チェックシステム「EWS」(アーリー・ウォーニング・システム)は、複数の賭け屋で不自然なオッズや賭け額の変動がないかを監視。今回問題になったのはJ1広島対川崎戦のハーフタイムはアウェーがリード。試合はホームが勝利」という賭け項目で、通常より10倍もの金額が賭けられる事例が発生したとか。
実際は前半はアウェーの川崎が1―0でリードしたが、後半に2点を入れたホームの広島が逆転勝ち。この試合経過に疑惑の目が向けられ、試合から2日経過した10日にシステムを運営するEWS社から「警告」を通知。Jリーグで緊急調査を実施し、17日に「不正行為およびその働きかけがなされた形跡は一切認められず、不正は行われていなかった」と結論。同日にEWS社からも同様の最終報告が到着。
なぜこうしたことが起こったのか。発端はギャンブラーたちが集まる海外の掲示板サイトに英語で書かれた「○○の○○選手は○○にいたよな」というような、ささいな内容だったとか。今回の件は市場そのものが小さく、この賭け項目自体がもともと日本円にして約14,000円程度。そこに一気に約14万円が賭けられたため、オッズが動きやすい下地があったとか。
欧州だけでなく、東南アジアなどで横行する八百長問題。FIFAが'11年に「疑わしい試合が300試合はある」と発表。もはや外国だけの話ではなく、クラブに資金力がなく、選手の給料が安いリーグで発生するケースが多いそうです。日本もJ2の地方クラブなどでは年俸が500万円にも満たない選手がゴロゴロしており、大金を積まれて話を持ちかけられたら、決して日本も例外ではないと報道では締めくくっています。
今回はJリーグ側の情報開示の意味もあったようです。今まで日本人が体験した事がないこういう事が、実際に入り込んでこようとしているというメッセージ。これらの記事で思うのは、今まではまさか日本人は真面目だからこういうものは関係ないでしょという事だったかもしれませんが、いろいろな要因があるから100%安心できないかもしれません。また、前の記事にもあったようにリーグカテゴリが下に下がるほど、選手の生活環境も厳しい事が浮かび上がってきます。去年も確か某J2選手による転売目的の万引事件がありましたね。
当ブログとしては、極端な論調になりますが、リーグやクラブが商業主義に傾倒していけば、選手側も「本当に強いチームが優勝できる時代は去って何かモチベーション下がったし、俺も何か副業をしたくなってきた」という時代が来るのではないかと、要らぬ心配をしていまいます。
スポーツは本来純粋なもの。純粋に戦うか、純粋に楽しむかだと思います。そこにお金儲けは入る余地はないと思います。スポーツビジネスという言葉がありますが、それはあくまでまず「純粋」が主役になり、「金儲け」が主役ではないと思います。
話は変わり、今日J2の試合がありました。アウェー水戸戦ですが、PVで観戦できるスポーツバー等がなかったために、携帯で試合経過を気にするだけでした。J2岡山もやっと今季初勝利をあげましたね。順位は3つ上がって16位になりましたね。先発した久保選手が勝ち越し点を決めましたが、去年の荒田選手のように研究されて対策を今後取ってこられるかもしれません。頑張って欲しいですね。