迷建築「ノアの箱家」

ひょんなことからNOAに選ばれし者として迷建築「ノアの箱家」に住むことになったKOKKOの笑ってあきれる自宅建築奮戦記

コンテナの断熱

2011-01-28 21:47:22 | コンテナ

迷案・珍案

コンテナ建築が決まった時から、断熱が一番の懸案だった。

いろんな人がいろんな意見を言って教えてくれた。

教えてくれた中の迷案をひとつ。

「コンテナにパンチの穴と同じようなのをいくつも開けると、それが通気口になるから、結露がだいぶましになる。」

コンロで沸かしたときに出る湯気じゃあるまいに・・・。???

空気中の水蒸気は冷たいものに触れると結露するわけだから、穴以外の部分が結露するのは目みえるのだが・・・???

どれだけましになるか実験してみたいと思ったが、実験が失敗に終わったときのことを考えると、こいつはいただけない。(錆と強度低下というリスクのみが残る)

そう言えば、「EX-CONTAINER:発想の視点」(吉村靖孝 著)の中に穴の開いたコンテナの写真が載っていた記憶がある。中の灯りが屋外に漏れてとても綺麗だった。

                   EX‐CONTAINER (発想の視点)

 

しかし、私はデザインのよさを狙ってコンテナを選んだのではない。

あくまで耐震性だ。たとえ90度にひっくり返っても原形を留めておいて欲しい。

これは、私にとっては、命の問題だけではない。壊れた家を見るのはもうたくさんだ。もう見たくない・・・これが一番大きかった。

デザインでいうなら、屋根が乗っていなかった頃の「ノアの箱家」はなかなか綺麗だった。スタイリッシュな造形だった。

が・・・。私は、木の方が好きなんである。

 あ、話がそれた。

 

珍案というのは、他にもあって、NOAの若い設計士が言った「ビニールハウスかテントをコンテナの中に張って、そこで寝たら?」というもの。

これは、世田谷村の白足袋の飼い主君(石山修武氏)が倉庫のような家(ドラキュラの家)に住むことになったドラキュラ君に言ったセリフとほぼ同じ。

ドラキュラ君は本当にそうして生活していたようだが、私はそんなのごめんだ~。

 失敗するわけにはいかないから、また、自分が納得して結論を出したいから、

「一冬なら死なへんて!」

周囲の反対を押し切って、鉄むき出しの無断熱で暮らすことにした。

兄ちゃんや中ちゃんは様子を見に来て、屋外零下7℃・屋内-1℃と聞き、

「俺はいやや、そんな生活!」

震えまくる彼らにストーブとホットカーペットをつけてあげるKOKKO(一人ならつけない)。

近所の人も皆私を「変な人」と思っている。

はい、それでよし!

お金の問題を抱えていなかったら、深く考えないであっさり人の言うことを聞いていたかもしれない。失敗してもやり直しをするお金がないから、ひつこくもなる。

 

実際生活し始めると、この寒気は確かに堪えた。

家の中でスキー場か登山かという恰好だ。

だが、昔の北海道の人間は囲炉裏だけで暮らしていたんだ。そのことを考えると、これなどたかが知れてるじゃん!! 

でも、さすがにコンテナ鉄壁にもたれると冷たくて本を読むのに集中できないから、こういう場合を想定して残しておいた引越しの時の食器包み(40センチ四方ぐらいの薄い発泡スチロールシート)を壁にガムテープで留めて様子を見ている。

温い。

平気で鉄壁にもたれられる。たったの3ミリの厚さしかないのに。

アルミ蒸着したシートも貼り付けて様子を見ている。

壁の錆防止を兼ねて、いっそのことシートを鉄壁全面に隙間なく貼り付けてから、スタイロ断熱という手もあるなあ・・・。と思いながらネット検索していたら、それ用のシートが発明されていて、特許も出ていた。

お~、苔KOKKOちゃん。特許と同じこと考え出したじゃん、おぬし、鶏頭のくせになかなかのものよのう。悦に入る。

このシート実験は、カーテンを二重に縫って、その中にシートを挟み込んで窓の断熱をすることも考えているので、その前段実験でもある。(カーテン生地は50メートル巻きのをタダで1本囲炉裏茶屋から貰い受けているので、これで充分二重カーテンを縫える。)

寒さに耐えて生活しているうちにも、次々アイデアが湧いてくるんだなぁ。

急いで結論出さずに良かったと思う。

 

夏のコンテナ

 樫田は冷涼な気候な上、「ノアの箱家」は屋根尽きで通気層部分の隙間がかなり高い(南側50cm、北側30cm )。おまけに、日中の直射日光は、早朝の東側のコンテナと、夕方の西側のコンテナの一部の壁のみ、しかも、それぞれ1時間ほどしかない。

家の位置と設計が功を奏して、直射日光はそれほど当たらず、風が吹きぬけ続ける。

コンテナと聞いて、みんな「暑いでしょ?」と言うが、「ノアの箱家」は、実はとても涼しい。

当然エアコンなど必要ない。

だから、断熱は、あくまで冬のためと考えてきた。

コンテナと屋根の隙間を広く取ってあるのも実はそのためだ。

外部天井にスタイロフォームを敷くかもしれないことを想定して隙間を広めに取ってくれるよう設計士に依頼した。(ここは、“竹”の隠れ家でもある)

 

もしもコンテナハウスを建てるなら、断熱と結露は何としてでもクリアーしなければならない

幸い、ブログを開設してから、実際にコンテナに住んでいる人との出会いがいくつかあって、いろいろアドバイスをいただいてはいる。(見学しに行った所:山梨のワジアジア)

設計士が言った「セルフビルドは、仲間と情報収集が大切ですよ。」というのが身にしみる。

しかし、最終的に結論を出すのは私だ。その結果を引受けるのも私だ。

納得いくまで考えよう・・・と言っても、内壁用の板を問屋が預かってくれるのは7月まで。あと半年)



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