迷建築「ノアの箱家」

ひょんなことからNOAに選ばれし者として迷建築「ノアの箱家」に住むことになったKOKKOの笑ってあきれる自宅建築奮戦記

完了検査

2010-09-29 17:47:23 | 「ノアの箱家」工事進捗状況

無事、パス!!

今日は待ちに待った完了検査。

沖縄からはアトリエ・ノアの玉城さんが早朝から来阪。

私は、仕事を午前中で切り上げてJR高槻駅で待ち合わせ。

現地に行って役所の人が来るのを待った。

高槻市役所の役人たちは、予定より20分早く建築主事の親分と「ノアの箱家」担当者二人の合計三人でやってきた。

懸案事項のコンポストトイレは

「動きますね、このトイレ。」と言われたものの

「この地域は汲み取りだから、これでもいいです。」でパス。

傾斜土浄化槽「花水土」も、呆れ顔で笑われたもののパス。

私は、自分の初志を貫徹できたのだ。

嬉しかった。

両方とも諦めていた頃があり、グレーゾーンではなく誰が見ても合法的なものを追求せざるを得ないと感じていた時もあっただけに、コンテナ住居といい自然循環型設備といい、苦しんだ末にではあったが、最終的には自分の思う通りのことをほぼ実現できたことになるので、本当に嬉しかった。

「ノアの箱家」に関して言えば、今まででは基礎が出来た時が一番嬉しかったが、今回の完了検査も初志貫徹ができたという点でとてもうれしい出来事だった。

 

それにしても、役人は始終クスクス笑っていた。

その笑いの質は、役人の「にわかには信じ難い」の言葉に象徴されるように、“本気でこんなものを家として住もうとしているなんて一体どんなつもりなんだ?このおばちゃんは。何て変な奴だろう”というところか。首を傾げて笑ってばかりいた。

だが、その様子を見て私は思った。

「それでOK、それでよし。やった~!!」

役所の言葉と笑いは、私へのお褒め以外のなにものでもない。

昔から、「変」と言われるたびに闘志が湧いた。誇らしくあった。

私は私固有の感覚を持っている世界に一人しか居ない存在なのだから、これは相手が私の固有性をよくも悪しくもキャッチしたということに他ならない。

だから、「やった~!!」なのである。

爽快であった。

 

    

                                         

             以前、ずれていた敷地境界線の確認。               中庭の井戸枠を見る役人

 

 

                                                               

          雨水排水管のことをノアの設計士の玉城さんが説明しているところ。

          頭に指を持っていって、可笑しそうに見ている役人を見ていて可笑しかった。

          この塩ビパイプは今こそこんなむき出しの姿ではあるが、そのうち・・・。

         手前は建築主事の親分。この人は私に「あなたは芸術家ですか?」と尋ねてきた。

         「いいえ、ゲ~ッ(ゲロる真似)術家です。」と私は答えた。

 

                     

                    傾斜土浄化槽を見て、ゲラゲラ笑ってしまう役人。 

                    「本気かい?」というところなのだろう。

                    はい、私は本気なのです。確信的選択なのです。

                    ただ、見てくれの悪さは玉城さんも言っていたが、私も同感。

                    時間を見て模様を描くか色を塗ってもう少しおしゃれにする。

                    そして、一番上の段には「花水土」の名の通り花を植える。

                  これで、まさか浄化槽とは見えなくなるはずだ。

 

                                 

                   屋根を確認                   内装と24時間換気設備の確認

 

 

                                      

コンポストトイレを確認する役人。私が気付いた時にはすでに遅し、蓋を開けて覗き込んでいた。実は中にはすでに1週間分以上の○○○が入っているのだが・・・。まるで気付いていない。そう、全く臭わないのだ。勿論、○○○も姿は見えない。

役人たちは、このコンポストトイレの仕組みについてまだ理解できていないようだ。ただ珍しそうに触っては観察し続けていたが、別段質問はなかった。コンポストトイレの仕組みや稼動状況については、ブログで追って報告し続けていく予定。

このトイレが文句なしにパスしたことは、私にとって非常に意味が大きい。望んでいた実験生活が保障されたことを意味する。

 

 

                                                   

          向かって左は中ちゃん、右が兄ちゃん、振り返っているのがアトリエ・ノアの玉城さん。

 

人が帰るのと丁度入れ替わりに「ノアの箱家」工事関係者の兄ちゃんと中ちゃんが完了検査の様子を見に来た。すれ違い。

無事パスしたことを伝えると、「よかったなあ。」

山小屋のおっちゃんも含めて昨日からずっと気にしてくれていたのだ。

工事関係者たちとは、焼き肉店山小屋で近々打ち上げ会をする予定。

「せっかくだから、打ち上げ会は今日したらよかった。設計士も一緒だったのに。」と今になって思いつき、残念に思う。

しばらくしたら、卓ちゃんとたかしも見に来た。

 

玉城さんは言った。

「今日の役人は、『悩ましいけど』といっていたでしょ。『微妙ではあるけれど、まあいいでしょう、通しましょう』という意味ですよ。玉野井さんは市役所に長い間何度も通っていたでしょ? あれには役所の根負け感がありましたね。粘ったことが効いている。もしも、役所にちっとも行かなくて書類だけの関係なら、いろいろ指摘を受けていたかもしれません。でも高槻市では次からはもう認めてもらえないかも知れませんね。」

確かに、役人は私に「こういうのは、これが最初で最後だ。」と言っていた。

玉城さんも、「こんなのだったら、普通は完了検査なんてしませんよ。こんなものは、勝手に建ててしまってるというのが普通です。そもそもわざわざ確認申請なんてことをしていない。僕にとってもこういう家は、これが最初で最後になると思います。ノアのやってきたコンテナは家らしい家というかもっとお金かけてるし・・・。」

そうか、「ノアの箱家」は、それほど際立って異質な存在なのか。

うん、それでOK、それでよし。

改めて感慨にふける私なのであった。

 


 

 


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