屋根の扱い
「コンテナハウスに暮らそう」http://www.kumiage.info/の屋根の写真を見ていて、はたと思った。
このブログのコンテナは、コンテナの天井の上に屋根を乗せるための柱?を載せている。
・・・ということは、建築確認申請の必要がないエリア(無指定区)に建てたものかもしれないと。
アトリエ・NOAの本庄正之さんによると、「屋根をつけなければ、まず建築確認申請は降りないだろう」とのこと。
コンテナにはすでに天井という立派な?屋根があるのに、わざわざ屋根をつけなければならないなんて理不尽だが、建築物は構造体が明確でなければならず、コンテナの天井はあくまで天井であって屋根としては扱われない。私にしてみれば、「いきなり天井にコンパネ載せればいいじゃん!」てなもんだけれど、ところがどっこい、法律はそうは問屋が卸してくれなかった。合法的建造物を目指すためには、お金のかかる工事をしなければならないのだ。
「無駄なことさせるなぁ~っ」と心の中で叫んだのは勿論だが、負け犬の遠吠え。
で、思いついたのが、「コンテナハウスに暮らそう」と同じ工法による屋根の載せ方だった。
が、それも本庄さんに「それでは役所は認めてくれない」と言われた。
KOKKO:「え? 何で?」
「建築確認申請対応型のコンテナ(JIS規格)は、構造計算できるような鋼材を使用して周囲の鉄骨(柱や梁に相当する部分)を造っているが、ISO規格のコンテナは、そういった鋼材を使用していないため、構造計算できないからだそうだ。(正確に言うと、現時点で使用されている計算方式では計算できないだけ。計算式を確定すれば計算できるが、そもそもISO規格コンテナは、建築用ではなくあくまで運搬用に造られているため、必要性がないので計算式も存在しない)その鋼材の上に屋根を載せるための柱をつけるということは、もめてしまうことになる。そこで、アトリエ・NOAとしては、コンテナの鉄壁は単なる「間仕切り」扱いとし、柱をコンテナの鉄壁の外周に立て、その上に梁と屋根を載せて構造体とする方法をとっている」という趣旨のことを仰っていた。
鉄壁が構造に無関係の単なる間仕切り扱いとなることによって、開口部の自由度は増した。ほとんどやりたい放題で窓やドアをつけることが出来るのである。コンテナの開口部もそのまま開口部として活用できることになった。
役所は実際の強度がどうなるかなんて問題にしない。あくまで、書類上の構造のみが整っていさえすればいいのである。
腑に落ちないのだが、法律なんて所詮そんなものなんだろう。矛盾だらけの世の中なのよ。
え? どうしてそんなややこしい目にあってもコンテナがよかったのかって?
ほら、言うじゃない?「蓼食う虫も好き好き」ってさ。
惚れたら一途の女心。
コンテナ様一筋の大恋愛だったわけ。