碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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【書評した本】 『徳大寺有恒ベストエッセイ』ほか

2018年06月26日 | 書評した本たち


週刊新潮に、以下の書評を寄稿しました。

徳大寺有恒 『徳大寺有恒ベストエッセイ』
草思社文庫 972円

『間違いだらけのクルマ選び』で外国車の魅力を知った人は多い。本書は書籍や雑誌に掲載されたエッセイの集大成だ。VWゴルフの重量感。ミニの風格。2CVのカッコよさ。クルマはもちろん食やファッションにも男の美学で迫る。名車復活に似た喜びの一冊だ。


高野秀行、清水克行 『辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦』
集英社インターナショナル 1620円

辺境ノンフィクション作家と日本中世が専門の歴史家。2人が語り合うのは、アマゾン奥地の少数民族を描いた『ピダハン』や作者不詳の軍記物語『将門記』といったマニアックすぎる8冊だ。町田康『ギケイキ』をロードムービーと解釈するなど独自の視点が熱い。

(週刊新潮 2018年6月21日早苗月増大号)