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碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

ツッコミながら笑って楽しむ「東京タラレバ娘」

2017年02月02日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評



日刊ゲンダイに連載しているコラム「TV見るべきものは!!」。

今回は、ドラマ「東京タラレバ娘」について書きました。


「東京タラレバ娘」の見方
特殊効果も笑って楽しめばいい

“アラサー女子のリアル”を標榜するのが、「東京タラレバ娘」(日本テレビ系)だ。脚

本家の倫子(吉高由里子)、ネイリストの香(榮倉奈々)、実家の居酒屋を手伝う小雪(大島優子)の3人は高校時代からの親友。いつも小雪の居酒屋に集まり、恋や仕事のタラレバ話で盛り上がっている。

そこへ現れたのがモデルのKEY(坂口健太郎)だ。いきなり「そうやって一生、女同士でタラレバつまみに酒飲んでろよ!」と一喝。3人組は凍り付く。

倫子は、かつて自分が失恋させたADで、現在はプロデューサーの早坂(鈴木亮平)にアプローチして失敗。ふとしたことから、KEYと一夜を共にしてしまう。

また香も、かつて恋人だったミュージシャンで、現在はスターとなった鮫島涼(平岡祐太)に誘われ、同じく一夜を。さあ、次回は小雪か? という流れだ。

これって、3人組のリアルというより、恋と仕事に関する“勘違い”が炸裂するラブコメディーだ。

例えば倫子。自分の脚本が売れない理由を「恋愛にブランクあり過ぎて、今どきの若い子の恋愛観、書けなくなってた」などと言う。

それは違うだろう。脚本家は自分の体験だけで書くわけじゃない。殺人などの犯罪ドラマや時代劇はどうする? 

といったツッコミをしながら、飛んでくる矢に鉄球などの特殊効果も含め、笑って楽しめばいい。

(日刊ゲンダイ 2017.02.01)