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碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

NHK「クロ現+」の評価、プラスか、マイナスか!?

2016年05月09日 | メディアでのコメント・論評


産経ニュースのNHK「クローズアップ現代+」に関する記事で、コメントしました。

リニューアルしたNHKクロ現+ 
視聴率トップはあの女子アナだった! 
「軽くなった」「掘り下げ不足」との声も

NHKの報道番組「クローズアップ現代」が、「クローズアップ現代+(プラス)」にリニューアルして1カ月。放送開始時間を月~木曜の午後7時半から10時に移したのをはじめ、女性アナウンサー7人による日替わりキャスター制や複数のゲスト出演など、番組は大きく様変わりした。刷新は成功したのか、そうでないのか-。序盤の成否を探った。(三品貴志)

 ■「視聴率は改善傾向」

「世帯視聴率は(ドラマやバラエティーを放送していた)改定前の同時間帯と比べ、改善傾向にある」。NHKの板野裕爾放送総局長(当時、4月24日に退任)は4月20日、番組リニューアルの手応えをそう語った。

番組は4月、おおむね6~7%台の世帯視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で推移。最も高かったのは熊本地震を特集した18日の8・2%、最も低かったのは保育園事情を取り上げた12日の4・7%だった。

あくまで4月の全15回の集計だが、キャスター別で最も高かい数字を出したのは、18日(8・2%)の久保田祐佳アナ。リニューアル初回の4日が7・3%(4月中6位)、「“新リストラ時代”到来!?」と題した13日が7・0%(同8位)だった。

また、鎌倉千秋アナも、米大統領選を取り上げた27日に8・1%(同2位)、パナマ文書を特集した20日に7・7%(同4位タイ)と、高めの視聴率を記録。もっとも、アナウンサーによって4月の出演回数には差があり(久保田アナが最多の4回出演)、視聴率はその日のテーマや熊本地震の影響などを受けたことは留意しておきたい。

 ■ミッツに厚切り…ナレーションは「星飛雄馬」

そもそもNHKが番組の放送時間を夜10時に移したのは、夜遅めに帰宅する「働く現役世代」の視聴者を獲得するためだという。年齢別の視聴状況など詳しいデータは明らかになっていないが、板野氏は「熊本地震の特集では若い方が相当、見てくれた」と話した。

番組は4月からキャスターやセットなどを一新したことに加え、若年層に向けたさまざまな工夫を凝らす。従来、スタジオには専門家や当事者のみを招くことが多かったが、4月以降、女装家のミッツ・マングローブさん(11日)やお笑い芸人でIT企業役員の厚切りジェイソンさん(13日)など、バラエティーに富む「複数ゲスト」が目立つ。板野氏は「専門家と親しみの持てるキャラクターの組み合わせは、視聴者に受け入れられていくのではないか」と期待していた。

また、ナレーションを、アニメ「巨人の星」の星飛雄馬役や「機動戦士ガンダム」のアムロ・レイ役で知られる声優の古谷徹さんが担当する回も。会議などの内容をリアルタイムで可視化する「スケッチ・ノーティング」という手法を導入し、聴覚・視覚的にも「見やすさ」を模索しているようだ。

 ■序盤は「報ステ」に軍配だが…

ただ、NHKが「改善傾向にある」とする視聴率は、同時間帯に放送されているテレビ朝日系「報道ステーション」の後塵を拝している。古舘伊知郎氏から4月に富川悠太キャスターへバトンタッチした「報ステ」は、初回が12・0%を記録したのをはじめ、おおむね2桁台で推移。NHK幹部は「『クロ現』がNHKの看板番組だとすれば、現状の数字では物足りない」と漏らす。

また、リニューアル後の内容への不満も目立っている。ツイッターでは「(放送時間が)遅くなって見やすくなった」と歓迎する声の一方、「クロ現、軽くなったな」「国谷(裕子)キャスターの落ち着きが恋しい」といった否定的な意見も少なくない。

上智大の碓井広義教授(メディア論)も「単に放送時間を移動したというより、全く異なるカジュアルな報道情報番組が始まったという印象だ。『プラス』というより、『クロ現マイナス』かも」と辛口だ。

「若年層の取り込みを意識しているのはよく分かる。ただ、例えば『パナマ文書』を扱った回で、『では日本の政治家や企業は?』といった掘り下げがないなど、物足りなさを覚える」


一方、山口組分裂を扱った回で暴力団関係者へのインタビューを放送したり、保育園問題の特集では育休から復帰したばかりの小郷知子アナが担当したりと、意欲的な挑戦の兆しも見られる。

碓井教授は「現状では『解説番組』の色合いが濃く、キャスターも基本的には聞き役に徹している。政治ネタで当事者を呼んで問題を掘り下げるなど、解説だけに終わらず、提言までを意識した骨太なものが見たい」と話している。

(産経新聞 2016.05.08)


アンデルセン「絵のない絵本」のこと

2016年05月09日 | 本・新聞・雑誌・活字



近所の本屋さんで。

必要な本を購入した後、ふと気になって、“一番安い文庫本”をチェックしてみました。

すべての文庫ではなく、大好きな「新潮文庫」だけですが。

今の文庫本は、薄いものでも400円以上するのが普通です。

まずは、300円台を探してみました。

おお、結構ありますね。

森鴎外 「雁」 370円
樋口一葉 「にごりえ・たけくらべ」 370円

川端康成 「雪国」 360円

有島 武郎 「小さき者へ・生れ出づる悩み」 340円
井上ひさし 「父と暮せば」 340円
ヘッセ 「車輪の下」 340円
ツルゲーネフ 「はつ恋」 340円

カフカ 「変身」 320円


この辺りがギリかなと思ったら、まだありました。

夏目漱石 「坊ちゃん」 310円
ポー 「ポー詩集」310円


さすがに、これ以下はないんじゃないの?

そう諦めかけた瞬間に、発見。

なんと200円台!です。

伊藤左千夫 「野菊の墓」 286円

そして、もう一冊。

アンデルセン 「絵のない絵本」 286円

これはすごい。

アンデルセンの名作が、税込でも309円。

ありがたいですね。

「絵のない絵本」には、月が語る33のエピソードが収められています。

ちなみに私が好きなのは、第26夜の、煙突掃除の少年の話です。

奥付を見ると、初版は昭和27年。

私の生まれる前です。

この本は、平成22年の109刷。

ということは、6年もの間、本屋さんの棚で待ち続けていたことになります。

伊藤左千夫は次回に譲り、今回はこちらを入手して、ほくほくしながら帰ってきました。