碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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サンデー毎日で、ベッキー「金スマ復帰」についてコメント

2016年05月20日 | メディアでのコメント・論評



ベッキー「金スマ復帰」 強行の舞台裏

13日の金曜日、しかも仏滅。そんな夜に“不倫騒動”で休業中のベッキーが「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBS系)で約3カ月半ぶりに復帰した。しかし、そこには不穏な空気が流れていたという。

本誌5月22日号で報じた通り、世間の予想より早めの「5月復帰」となったが、TBS関係者は「直前まで(スケジュールは)二転、三転した」と声を潜める。

「5月9日に不倫相手の『ゲスの極み乙女。』の川谷絵音(えのん)が離婚を発表。11日にはベッキーの“金スマ収録”が報じられましたが、実はその日に『13日に放送』と発表する予定だった。ところが、直前に川谷の離婚成立報道が出たうえ、『(復帰は)早すぎる』という内外の声に押され、局内でもいったんは放送日程を再調整することになった。しかし、夜になって予定通りに強行することになったのです」

新聞のラテ欄には〈約束だよベッキー!今日はウソついたらダメだよ〉とアオリ文句もあったが、「反発もあり、番宣は控えた」(同)という。肝心の番組内容は、冒頭にベッキーが中居に「来週、(川谷の)奥様に謝罪できることになったので」と報告。ロケ収録の2日後の5月2日、川谷の元妻と2人で会い、謝罪したことがテロップで流れた。

念願の復帰ながら、上智大学の碓井広義教授(メディア論)は「全体に白々しく感じた」と指摘する。

「私が悪かった、傷つけた、最低だったと言葉を連ねても、番組の収録は(元妻に)謝罪する前。つまり、カメラを前に勝手に芸能活動を再開していたことになる。その段取りの良さに驚いた。相変わらず、全て自分の都合に合わせているなと感じてしまう。金スマという番組に守られながら、一番楽なコースに乗ったようでした。私には中居君がアッコ(和田アキ子)さんに見 得て、まるで“芸能界の庇護(ひご)者”のようでした」


番組終盤、中居の質問に「恋愛関係でした」「不倫だと思います」と涙目で謝罪。「またテレビの仕事をゼロから、マイナスから頑張らせていただきたい」と語ったが、登場前のシーンでは中居がモデルのベックを見る度にベッキーと見間違える“演出”もあった。

「視聴者の予想とは違ったはず。作り込まれた演出で、全てフィクションに見えました。印象的なのが、ベッキーが登場した際、女性の出演者の表情が一様にこわ張ったこと。CMにACジャパンの公共広告が目についたこと。世間の空気を反映しているようでした。こんな形で復帰して、今後も応援してもらえるのか疑問です」(碓井教授)

放送後、ベッキーの所属事務所は今後の活動について「目下、未定」「慎重に詰めたい」と発表。ベッキーと川谷もブログを更新し、改めて謝罪した。

「ベッキー側は、収録時には放送が13日とは知らなかった。放送日についてTBS側に強くは言えなかったようです。今後のことは番組の反響を見て決まるそうです」(芸能関係者)

吉と出るか、凶と出るか―。


ライター:成田璃子

(サンデー毎日2016年5月29日号から)