『日刊ゲンダイ』に連載している番組時評「TV見るべきものは!!」。
今週は、NHK・Eテレの新番組「団塊スタイル」を取り上げました。
なんてったって団塊の世代は“大票田”であり(笑)、こういう“専門店”もありだとは思います。
「団塊世代」にターゲットを
絞った狙いは分かるけど
絞った狙いは分かるけど
今月6日からNHK・Eテレが新番組「団塊スタイル」をスタート。
司会は国井雅比古アナと風吹ジュン。初代ユニチカ・マスコットガールで今も団塊世代のアイドルの風吹を選んだセンスはなかなかのもの。
初回のテーマは「地元デビュー」。退職はしたものの、元気な60代はヒマを持てあましている。そこで地域活動を始めようとなるわけだが、実際にやろうとしても、どうしたらいいか分からない人が多いらしい。
番組では「歌ごえ喫茶」や「地元情報誌作成」など実例を挙げて手ほどきした。
そして先週の第2回は「老後のマネー計画」。節約術を実践している団塊世代を紹介し、スタジオでは専門家が年金暮らしのコツを伝授した。
この番組の狙いは分かりやすい。ターゲットを特定の世代に絞るのも悪くない。
ただ彼らは、自分たちが「団塊」として〝ひとくくり〟にされることをあまり好まない傾向がある。
たしかに皆が皆、学生運動→モーレツ社員→ニューファミリーという経緯をたどったわけではない。
また、ライバルが多かった分、競争も激しかった。いわゆる勝ち組ばかりではないのだ。そんな〝同世代格差〟にも配慮すべきだろう。
次回のテーマは「仕事」だそうだ。
自分たちの仕事もさることながら、大量のニートたちの親でもあるわけで、社会全体における仕事のあり方を探ってもらいたい。
(日刊ゲンダイ 2012.04.17)