『感性創房』kansei-souboh

《修活》は脱TVによる読書を中心に、音楽・映画・SPEECH等動画、ラジオ、囲碁を少々:花雅美秀理 2020.4.7

・バイルズ選手の救い/黒人少女体操選手への人種差別❹

2023年10月18日 19時45分03秒 | スポーツ

 

「アイルランド体操協会(GI)」の3声明曖昧さ

 今回も、前回の【A】【B】2つの「声明」同様、2つの「声明」をご紹介します。いずれも「GI」すなわち「アイルランド体操協会」HPに掲載されたものです。

 初めに採り上げるの「声明」ですが、その要点は「❶~」であり、それに対する「私見」が」となっています。

1.2022年3月の「GymSTARTイベント」で「発生した事件メダル授与スルー)」に関して会員の保護者」から苦情を受け、関係職員を特定して本人に苦情を通知した

 事件が起きた2022年3月の時点では、「GI」は責任の所在を「特定個人の女性」に限定しており、GI自体」の責任を論じてはいません。しかし結果として18か月後、前回「謝罪声明」となりました。

2.特定個人」は、「メダルの授与スルー」が意図的ではなかった事を強調し、(少女選手)がフィールドオブプレイ(FoP)を離れる前に「メダル」を渡した。

 意図的でなかった」など、あの「動画」を見るかぎりとても納得できるものではありません。「黒人少女選手・家族」からすれば、“差別を受けた上に侮辱された”という気持になったのではないでしょうか。

3.特定個人」は、競技者と彼女の家族直接謝罪する機会を要求したが当初拒否されたしかしその後、特定個人」から提供された書面による謝罪競技者とその家族に渡された

 「特定個人」からの「最初の謝罪書面」は、「わずか1行」のメッセージだけであったと、少女の母親は語っていたようです。

 改めて「謝罪書面」が渡されたといっても、それは「最終的な解決」をもたらすものではありませんでした。

4.その後、両当事者(「特定個人」と「少女選手・家族」)調停参加に同意。「調停」は、アイルランドの「スポーツ紛争ソリューションズ」が、GIの「ポリシー/手順」に従って独自に仲介し、2023年8月に両当事者が合意し解決

 前回の:謝罪声明】でも明らかなように、調停」は真の解決をもたらさなかったようです。

5.操選手の健康と安全は、私たちが行うすべての中心。そのためGIは、関係機関やアイルランド警察と継続的に交流し、会員の福祉に関するベストな実行を常に最新の状態に保っている。

 前回の:謝罪声明】における数多くの「謝罪や決意表明」同様、実行力に乏しい「GI」のメッセージとして、素直に受け留めることができないのが残念です。

  

 

マイリード・カバナーさんに関する声明に欠けたもの

 次にの「声明」に移りましょう。この声明は「マイリード・カバナー(MaireadKavanagh)」というGIの「女性役員」が、メダル授与をスルー」した人物ではないことを強調した趣旨となっています。大きな「ご本人の画像」と「明確化声明」というタイトルがそのことを物語っているようです。

 というのも、或る「海外の報道機関」が、問題のビデオのメダル授与者氏名」を「マイリード・カバナー」と明記し、そのニュースが拡散したことが大問題となったからでしょう。とんでもない「濡れ衣(ぬれぎぬ)」でした。

 そのためタイトルの「明確化の声明」は、「濡れ衣」を着せられたマイリード・カバナーさんの名誉を回復するとともに、併せて「GI」組織自体は「メダル授与スルー事件」には決して関わってはいない事(=「GI」の責任は一切ない事)を「明確に示すために不可欠」だったのでしょう。

 マイリード・カバナーさんは元体操選手であり、「オリンピック」や「世界選手権」で審判を務めた国際審判員です。30年以上もの永きに渡ってアイルランド体操界に貢献された方であり、GI」のHPには「体操大会」や「行事」に参加された彼女の写真が数多く見られます。

 彼女は現在、アイルランド「四大銀行」の一つと言われる「アイルランド銀行※註①」の正社員です。

  

 ところで「問題の動画」騒動後、この「黒人少女選手・家族」に素晴らしい支援の手が差し伸べられました。すでにご承知のように、米国の「シモーン・アリアンヌ・バイルズ」体操選手から少女への「ビデオメッセージ」と「コメント」です。

 バイルズ選手は 動画が「バイラル化」※註③した時点で、「少女と家族」にコンタクトを取った事を明かしています。彼女は「見るだけでもとてもつらい映像」とした上で、「少女」へ「ビデオメッセージ」を送ったとの事。さらに『どんな競技であっても人種差別が許される余地はない!』 と訴えています。

 バイルズ選手少女へ送った「動画」の中で、『(動画を見て)とてもショックを受けました。 あなたは他の女の子たちと同じくメダルに値する選手だと知ってほしい。』『あなたがどれだけ一生懸命頑張っているか、私には分かります私はあなたの味方よ。』と語りかけたとのこと。 

 「バイルズ選手」の登場は「少女や家族」のみならず、この事件に関心を持つ世界中の人々にとって最大級の「朗報」であり、何よりもの「救い」となったようです。

 この「世界体操女王」の投稿は大きな注目を集めました。『多くの若い体操選手たちにとって、すばらしいロールモデルでいてくれてありがとう』『あなたこそ真のヒーロー』といった反響を呼んでいるとのこと。筆者もこのニュースを目にした時、この「差別問題」からやっと少し救われた思いがしました。

 そして、それからしばらく経ったとき、筆者の脳裡にごく自然に浮かんだ「或る情景」があります。それは「元体操選手」であり、現在は体操の「国際審判員」というマイリード・カバナー」さんが、「あの少女」に体操の指導らしきことをしている「シーン」でした。

 その少女は、多くの仲間の少女選手に見守られる中、活き活きとした表情で自信と希望に満ち溢れた動作を繰り広げながら……。

(続く)



 

〔参考

及びいずれもGI=アイルランド体操協会」のHPの自動翻訳です。一部を「Google翻訳」とし、筆者に於いて微調整のうえ編集。



2022年3月の「GymSTART イベント」に関するGIの声明】〔全文〕2023年9月22日 15:48p.m. 「下線・太字・色文字」は筆者によるもの。

 18か月以上前に2022年2023月の「GymSTARTイベント」で発生した事件に関連してソーシャルメディアに投稿されたビデオを認識しており、会員の一人保護者から苦情を受けました。その後、両当事者は、2023年8月に両当事者が合意した解決につながった当社のポリシー/手順に従って、「スポーツ紛争ソリューションアイルランド」によって独立して促進された調停に入ることに同意しました。

 バックグラウンド

 苦情は、イベントでの私たちの役員の一人による人種差別的な行動を主張しました。電子メールを受信すると、苦情に関するポリシーと標準的な慣行に従って、問題を調査しました。「アイルランド体操協会」はすぐに家族に連絡し、懸念を表明し、問題が調査されていることで安心させました。

 関係する職員を特定し、問題の個人に苦情を通知しました。問題の当局者は、起こったことが受け入れられなかったことを完全に受け入れたが、それは意図的ではなかったと強調した。関係者は、間違いに気付いたらすぐに修正し、彼女がフィールドオブプレイ(FoP)を離れる前に、関係する競技者にメダルが提示されるようにしたと述べました。

 当局者はまた、彼らが正直な誤りと表現したことに深い遺憾の意を表明し、競技者と彼女の家族直接謝罪する機会を要求した。この要求は当初拒否されました。

 その後、特定された個人から提供された書面による謝罪競技者とその家族に発行されました。

 私たちは、この件に関して連絡を受けた後、さまざまな報道機関に加えて、「スポーツ・アイルランド」や「国際体操連盟」を含む、この事件に関するさまざまな関係者との連絡を常に取り続けて来ました。

 その後、両当事者は調停に参加することに同意しました。この調停は、アイルランドの「スポーツ紛争ソリューションズ」が、当社の「ポリシー/手順」に従って独自に仲介し、2023年8月に両当事者が合意した解決につながりました。

 「アイルランド体操協会」メンバーの安全確保

 「アイルランド体操協会」で私たちが行うすべての中心は、36,000 人以上の会員の福祉です。私たちは、幼い子供から始まり、主に子供とティーンエイジャーで構成される、会員ベースに対する配慮義務を常に認識してきました。

 私たちはこれまでも、そしてこれからも、あらゆる人種、年齢、性別、セクシュアリティ、社会経済的グループをカバーする非常に多様な会員のコミュニティを備えた、非常に包括的なスポーツであり続けます。私たちの「安全対策」ポリシーは、コーチや体操選手だけでなく、クラブ、役員、管理者、親/保護者、イベントに参加する人々にも期待される行動の明確な基準を定めています

 体操選手の健康と安全は、私たちが行うすべての中心です。そのために、私たちは「スポーツアイルランド」、「トゥスラ」、「ガルダイ(:アイルランド警察)」、その他の州の機関/パートナーなどの団体と継続的に交流し、会員の福祉に関するベストな実行を常に最新の状態に保っています。



 

明確化の声明――マイリード・カバナー〔全文〕2023年9月24日 14:23p.m. ※註:太字」は原文翻訳文のまま。「下線・色文字」は筆者。

 「アイルランド体操協会」は、マイリード・カバナーが、ここ数日ソーシャルメディアで拡散したビデオにより多くの話題となっている、2022年初頭の「GymStartイベント」での「事件」とはまったく関係がないことを断固として述べたいと思います。実際、彼女は問題のイベントに出席していませんでした※註①

 一部の個人がそうであったように、そうでないことを示唆することは潜在的に名誉毀損※註①であり、「アイルランド体操協会」はこの問題をガルダイ(アイルランド警察)に通報しています。

 マイリード・カバナーは、オリンピックや世界選手権で審判を務めた、非常に尊敬されている国際審判員です。彼女はアイルランドで30年以上体操に携わってきました。

 「アイルランド体操協会」は、ビデオによって提起された強い感情を十分に認識していますが、情報に基づかない憶測や完全に無実の人の名前を挙げることはまったく受け入れられず、そのような虚偽のニュースを広める匿名の人々※註①には何の信用もありません

 「アイルランド体操協会」は、あらゆる形態の人種差別を非難します


記事】:黒人少女スルー表彰式に体操女王が苦言 少女へ送ったメッセージに反響「あなたこそ真のヒーロー」「すばらしいロールモデル」ねとらぼ



註釈

※註①:「アイルランド銀行(Bank of Ireland:BOI)」は、「アライド・アイリッシュ銀行(Allied Irish Banks:AIB)」と共に、アイルランドにおいては「主要四大銀行(Big Four)」の一つと呼ばれています。同国での「口座開設」には、この「BOI」や「AIB」が好んで選ばれるそうです。

※註②シモーン・アリアンヌ・バイルズ(Simone Arianne Biles, 1997年3月14日 - )は、アメリカの女子体操選手。2016年リオデジャネイロオリンピック体操競技で女子団体・個人総合・跳馬・床で金メダルを獲得し4冠を達成、世界体操競技選手権では2013年から2023年現在までに通算で30個のメダルを獲得し、男女を通じて史上最多のメダル獲得者(うち23個の金メダルも男女を通じての史上最多の獲得者)。wikipedia

※註③:「バイラル」は「ウィルス性(viral)の」という意味であり、あたかも「ウィルス(virus)」が感染症によってじわじわ広がって行くように、webマーケティングにおいて「口コミによる情報の拡散」を指しているようです。

 

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