「演劇鑑賞ノート」紛失による混乱と遅筆
本ブログの「演劇鑑賞」について、演劇関係各位をはじめ、多くの演劇学生諸兄姉が気づいていることがある。何よりも、「それに関するメールや書簡」をいただき、そのたびに “口にするのも恥ずかしい……いや情けないほどの言い訳” をさんざん繰り返さなければならなかった。
それはまた、己の愚かさと虚しさに引き戻されることを意味するとともに、果てしなき後悔と自己嫌悪に陥るばかりだった。
そう……いまさら、何を隠くすことがあろうか……。この際、“真実” を明らかにしなければならない。
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実は恥ずかしながら、筆者は “命の次に大切な或る【演劇鑑賞ノート】を紛失していた” のだ。それも「ノートが入ったバッグごと屋外で紛失した」と言うのならまだしも、何と『明らかにこの小さな自室の何処かに紛れ込んでいる……』という “真実”(99%の確信ある事実?!)に我ながら呆れ、その “嫌悪感と憔悴感” は “ハンパなかった” ……。
紛失時期は、今年の3月下旬――。と言えばこの瞬間、演劇ファン各位は、『演劇ユニット「」(かぎかっこ)』と『演劇ユニットMr.daydreamer』の「演劇鑑賞」が、いっこうに出てこなかったことを納得されたに違いない。
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本ブログ・カテゴリーの「演劇鑑賞」は、ご覧いただくとお分かりのように、最近の5回分はすべて『九演』(九州大学演劇部)の「2017年度後期定期公演」2作品についてのもの。このときの「演劇鑑賞ノート」は、2作品のボリュームを考え、「この公演専用ノート」として別に用意していた。
そのため、結果として “難を逃れ”、「九演・2舞台」の鑑賞文は、3月12日~5月6日アップの原稿通り、文字通り “難なく” 5回もの連載に結びついた。最初の3月12日の本ブログ原稿の最後は、次の一節で結んでいる――。
【かくして、その「メモ」と前夜の観劇時に走り書きした“ミミズのごとき文字”を頼りに、筆者はブログアップのための〈脳トレ〉を開始した。】
5回もの鑑賞文として、我ながら元気に張り切っている様が伝わってくる。
……But! しか~し! である……。
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「演劇鑑賞ノート」紛失の序曲
ところで、「演劇鑑賞ノート紛失事件」の発端は、「美術関連図書」の『処分問題』から始まった。筆者とて齢71。いつしか “終活” なるものを頭の片隅に描き始めたようだ。そこで、この小さなアパートに引越して来てからというもの、「押入れ」の奥に追いやられたままの「3種類の美術全集」を、なんとかしようと思った。
持ち主にすら目を通されることなく、ひたすら暗闇に静臥したままの各美術全集関係3種。
・「ルーヴル」や「ヴァチカン」をはじめ、世界有数の美術館や博物館の作品群(A:「世界の美術館」25巻)
・「モネ」や「ルノアール」など37人もの大家の秀作群(B:「現代世界美術全集」25巻」)
・伝統的な日本美術の集大成といった名品の数々(C:「原色日本の美術」30巻)
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筆者は考えた――。本を大切に、喜んで目を通してくださる方があれば……金額などいくらでも構わない。あるいは、図書館か公的施設などに寄付することはできないだろうか(※近くの公民館に問合せたが、これはダメだった。同じ考えの人々が多いようだ)……。
そこで、物は試しとばかりに近くの「某(BO)店」に「C」を持ち込むことにした。もちろん全30巻である。6つの段ボールに収め、2階から階段下すぐに車を寄せて運んだ。久しぶりの重労働となった。正直言って、このときほど力の衰えを感じたことはない。嗚呼!(続く)