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黄帝内経素問 脈要精微論篇 第十七 第十四節 語句の意味

2012-04-02 12:03:48 | 日記

昌栄薬品の宮原 規美雄です

黄帝内経素問 脈要精微論篇 第十七

第十四節

 帝曰。有故病、五藏發動、因傷脈色。各何以知其久暴至之病乎。

 岐伯曰。悉乎哉問也。徴其脈小、色不奪者、新病也。徴其脈不奪、其色奪者、此久病也。徴其脈、(與)五色倶奪者、此久病也。徴其脈、與五色倶不奪者、新病也。肝與腎脈並至、其色蒼赤、當病毀傷不見血、已見血、濕若中水也。

五色倶奪者 東洋学術出版社素問=與五色倶奪者、次の與五色倶不奪者には與がある。

 

語句の意味

有故病=「故に病あり」とか「故病有り」等と訓ずるのは誤りである。それでは何のことかつじつまが合わない。これは本文に示した如く、「故ありて病めば」と訓むべきで、つまり「何等かの原因によって病むことがあると」という意である。鍼灸医学大系

 

故病=久病のこと。<素問脈要精微論篇>

 

久病=<霊枢終始篇>「久病は邪気入りて深し。」。長患いの意味にも用いられる。

  =久しく病症にあること。

 

五藏=肝心脾肺腎

 

五臓發動=生体の一部に邪気が侵入すれば、之を駆逐せんとする生体の防衛力が活動する。これは邪気のショックを感じた五臓の働きによるもので、それをつまり五臓発動したというのである。

 

脈色=脈と色・顔色等の色。

 

久=キュウ。ヒサしい。時間が長くかかる。長い前からの。古い。

暴=ボウ。ニワか。たちまち。あらあらしい。むごいこと。乱暴をする。あらわす。

久至の病=長い前からの病。久病。

暴至の病=たちまち出てきた病。新病。

 

悉=シツ。コゴトゴく。みな。全部。ツくす。全部に及ぶ。シる。よく知る。

 

徴=チョウ。メす→召。とり立てる。よび出し。きざし。証明。証拠。アカし。

 

奪=ダツ。ウバう。ひったくる。うちとる。官位などを取りあげること。文字・文章におちがあること。

 =脱の意であって、日本訓の「うばう」の意ではない。鍼灸医学大系

脱=ダツ。ヌぐ。からだにつけたものをとり去る。ヌがす。着物などが自然にとけ離れる。ほどける。ぬける。おとす。ひいでる。除く。ぬけおち。ひいでる。

奪=「失う」と訓む。東洋学術出版社素問

 

肝與腎脈並至=肝脈と腎脈とが両方とも同じように并んで搏動するという意であるが、又一部ではこの場合の脈象は弦沈の状態を呈すともいう。鍼灸医学大系

 

蒼=ソウ。アオい。草の色。青黒い。蒼黒。青青と草木が茂る。ここでは青・肝の色

赤=ここでは赤・心の色

 

毀=キ。ソシる=訾。けなす。人を悪くいう。ヤブる→破。破壊する。

毀傷=そこないやぶる。いためきずつける。

 

中水=病名。<病源>「水毒病、・・・名中水なり。」水毒

 

水毒=病名。中水・中渓・中酒・水中病・渓温ともいう。

渓毒ともいい、峡谷の汚染された疫水が人に感染した後に蠱病になることをさす。

<病源水蠱候>「此れ水の毒気、内に結聚するに由り腹をして漸く大ならしめ・・・名づけて蠱となすなり。」ここでいう汚染源は吸血虫の幼虫の類である。

水分の代謝障害をおこして病因となった場合。

 

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