昌栄薬品です
平成27年(2015年)12月2日 産経新聞 オピニオンの記事です
曽野綾子の透明な歳月の光
671 家庭食の力
認知症を防ぐ「一緒にうちでご飯」
長い年月、外国で暮らしてきた友人が日本に来た時、よく私の家に泊まってくれる。
彼らの目的は私の作る、昔風のおかずである。
秋ならばサンマの塩焼きにたっぷり大根おろしをそえる。
他に私が煮た薄揚げ入りひじきも評判がいい。
サンマは焼きたてが命だから、客人も台所のテーブルで食べる。
脂がまだじゅーじゅー言っていそうな熱いのを出せればたいてい絶品である。
ひじきは、見た目にはまことに美しいとは言えない食べ物だが、友人はご飯を残しておいて、そこに丼に入ったひじきをたっぷりとかけて毎回食べている。
こういう食物は、どんなホテルでもこんなに大量に供されないそうだが、私としては、「変なものが好きなんだなあ」と頭の中で考えながら、同時に「しかし、こういうものを好きなおかずとして思ってくれるなんて、安上がりで便利だなあ」とも思う。
私は母から料理の手ほどきを受けたことがないのだが、いつのまにか見よう見まねで、手早く料理を作るのがうまくなった。
私は今でも少し原稿を書いているので、「心のこもったていねいな料理」など作るひまがない。
それで自称「手抜き料理の名人」になった。
手抜きではおいしい料理はできない、という料理人の意見は実にほんとうだと思うが、私たちの生活にはまた、別の必然だが基準だかがあってもいいのである。
母の時代には、ひじきだって水に戻してから、何分か煮ていたものだった。
しかし今のひじきは、もう煮えている。
だから袋入りのお出汁(だし)でちょっと煮て味つけをすれば、ほとんどインスタント食品並みの簡単さでできる。
私はもう80代半ばに近いこの年まで、癌(がん)にもかからず、生涯でまだ高血圧の薬を飲んだこともなくて済んでいるのは、ひとえにうちのご飯を食べていたからだと思う。
30年ほど前からは、自宅で家庭菜園も始めたから、全部ではないにせよ、自然食品に近いものを6、7割は食べていることになる。
しかしそれでも私は膠原(こうげん)病にかかっている。
膠原病は化学薬品などの刺激によって、免疫が自分を攻撃するというおかしな病気だ。
老人が一人でご飯を食べる「孤食」は実によくないという。
一人で食べるものにも周囲にも気を配ることがない。
最近はコンビニで何でもそろう時代だが、出来合いの食品は恐らく防腐剤も入っているだろう。
しかし何より話し相手がないから、認知症にもつながる。
私には実感がある。
同年配を見ていると、認知症の人は、その人の周囲から社会が消えて自分だけになっている。
そして時にはほんの数日のうちにぼけの症状ははっきりしてくる。
私は今何より認知症が怖い。
老人世代は、いわしの丸干しとおみそ汁とたくあんだけのメニューでも、うちでご飯を作って、近隣の知人を呼んで会食をし合うべきだ。
すると料理によっても会話によっても、頭が動く。
孤独感も薄れて一人暮らしもいいものだ、と思える。
「うちのご飯」をいっしょに食べる恩恵は実に偉大なのだ。
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クラシエ薬品の資料より
高齢化の進みに伴って、認知症患者の数も増え続け、2020年には約300万人に、2040年には390万人に上ると推計されます。
人口全体のうちで、どのくらい発症するかについては全国的に調査した統計はありません。
地域や医療機関などの複数調査では、65歳以上の高齢者で3.8~11%の人に認知症がみられるとされています。
認知症とは?
記憶障害を特徴とする疾患で、後天的な脳の器質的障害により、いったん正常に発達した知能が低下した状態です。
先天的に脳の器質的障害があり、運動の障害や知能発達面での障害などが現れる状態は、知的障害です。
単に老化に伴って物覚えが悪くなるといった誰にでも起きる現象は含まず、病的に能力が低下するもののみを指します。
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