人も惜し 人も恨めし あぢきなく 世を思ふゆゑに 物思ふ身は
人をいとおしく思うこともあれば、人を恨めしく思うこともある。思うにまかせず、苦々しくこの世を思うがゆえに、あれこれと思い煩うこの私は。
人も惜し人も恨めし 「人も惜し」と「人も恨めし」は、並列。「惜し」は、いとおしい。両方の「人」を同一人物とする説と別人とする説がある。
あぢきなく 思うようにならない気持ちを表すク活用の形容詞、「あぢきなし」の連用形で、「思う」にかかる。
世を思ふゆゑに 字余り。「世」は、この世。「に」は、原因・理由を表す格助詞。
物思う身は 意味上、ここから初句に続く倒置法。「物思う」は、思い煩うこと。「身」は、自分自身。「は」は、強意の係助詞。
ごとばいん (1180~1239)
後鳥羽天皇 在位1183~1198 第82代天皇。高倉天皇の第4皇子。諸芸、とくに歌道に優れ、和歌所を設置し、『新古今和歌集』を勅撰。承久の乱で敗れて隠岐に配流され、その地で崩御。
人をいとおしく思うこともあれば、人を恨めしく思うこともある。思うにまかせず、苦々しくこの世を思うがゆえに、あれこれと思い煩うこの私は。
人も惜し人も恨めし 「人も惜し」と「人も恨めし」は、並列。「惜し」は、いとおしい。両方の「人」を同一人物とする説と別人とする説がある。
あぢきなく 思うようにならない気持ちを表すク活用の形容詞、「あぢきなし」の連用形で、「思う」にかかる。
世を思ふゆゑに 字余り。「世」は、この世。「に」は、原因・理由を表す格助詞。
物思う身は 意味上、ここから初句に続く倒置法。「物思う」は、思い煩うこと。「身」は、自分自身。「は」は、強意の係助詞。
ごとばいん (1180~1239)
後鳥羽天皇 在位1183~1198 第82代天皇。高倉天皇の第4皇子。諸芸、とくに歌道に優れ、和歌所を設置し、『新古今和歌集』を勅撰。承久の乱で敗れて隠岐に配流され、その地で崩御。