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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

総特集江口寿史

2016-04-15 00:27:08 | 江口寿史
ユリイカ臨時増刊号 2016年1月 青土社
最近書店で見かけて手に取ったユリイカ増刊。
「描き下ろし新作あり!」なんて表紙にあるけど、そういうのはお約束なのであまり気にしない。
1月まで川崎でやってた江口寿史展というイベントとの関連もあって出版されたっぽいが、私はそれは見に行ってない。
イラストの展示みたいなことかと思って、そういうのには基本興味ないんだが、マンガの原画も出てたというので、それだったらちょっと見たかった気もする。
っていうか、過去作品よりも、やっぱ新しいマンガを描いてほしいんだな、展覧会には行かないが、新作出るんなら読むよ。
さて、本書に並ぶ江口に関する評のなかでは、「声と動作はいかに分割されうるか 江口寿史『すすめ!!パイレーツ』のリズム」という、一続きの音声と動作を複数のコマに分割する表現に関するものが、たいへん興味深かった、一読したところでは。
自分が感じてはいても、うまく言い表すことのできないでいたものを、こうやってかゆいところに手が届くかのようにまとめてくれているマンガ評論というのは、とってもありがたい。
江口自身が自作と音楽について語ってるインタビュー記事もあるんだけど、江口本人の発言のなかで今回いちばんオッと思わされたのは、ジャンプ編集者の対談に乱入(?)したときの、アシスタントはどうやって選んだのかという問いに対する答え。
>一晩仕事してみて、おれの聞こえる範囲でタメ息ついたやつはNG。待つことが多いんで、待てる人を(笑)。「ハア~」ってタメ息つかれると、すっごい辛いの。絵が上手くてもそんな気のまわらないやつはダメ。気分よくさせてくれるやつじゃないと。
ってとこ。わかるような。
主なコンテンツは以下のとおり。
ほかにイラストとかエッセイもいっぱい。
ちばてつやに“リアル”を学ぶ ちばてつや×江口寿史
七〇-八〇年代マンガと江口寿史の作家像 夏目房之介
集英社歴代編集者、江口寿史を語る 渡辺彰則+鈴木晴彦+堀江信彦
江口寿史と(複数の)マンガ史 三輪健太朗
声と動作はいかに分割されうるか 細馬宏通
江口寿史、音楽とマンガを語る 江口寿史インタビュー
ビッグE'sスクール・オブ・ポップ 楠見清+南信長
エグチ、その生真面目な輪郭線 暮沢剛巳
江口寿史とバンド・デシネ 原正人
江口寿史、『「エイジ」』の時代 石岡良治
中の人はいる、外の人もいる 中田健太郎
わたしたちのひばりくん 横井周子
〈かわいい〉の威力、〈あこがれ〉の伝播 堀あきこ
オトコノコと人妻とホモフォビア 永山薫

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