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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

寿五郎ショウ

2012-11-14 20:30:47 | 江口寿史
江口寿史 1986年 双葉社・アクションコミックス
なんかずっとほっぽといたけど、完成が急がれる、当ブログ内のカテゴリー「江口寿史」、私の持っている単行本コレクションを並べることの一環で。
(世の中には手を変え品を変え、いろんな版で焼き直しが出てるようだけど。)
あらためてチェックしてみたら、まさかという感じで、これが抜けてた。
江口寿史の短編集なんだが、けっこういいと思う。
短いページの連載を続けてくうちに、後半でネタが切れたり、絵が荒れてきたり、ってゆー感じとは違って、それぞれ完成されててテイストも異なったものが集まってる。
中条省平『マンガの教養』(幻冬舎新書)では、「日本のギャグマンガのなかでも屈指の作品である」と紹介されているように、(マニアとかカルトとかぢゃなく)普通に推奨できる一冊。
初出は1983年から84年にかけての月刊フレッシュジャンプがほとんどなんだけど、どういうわけか双葉社から出てる単行本。
(それまでの週刊から月刊に変わったから創作に余裕があったのか?)
収録作は以下のとおり。
「LIVE‘83」
後楽園球場(←笑)満員のオーディエンスを前に、漫画家・寿五郎がバックメンバーとともにライブパフォーマンスを行う。
「意味なし芳一」
“耳なし芳一”のパロディーで、主人公は琵琶法師ぢゃなくて、フォークシンガー。
「THE HORROR」
一話2頁のホラー調のギャグ六遍。
「怪獣王国」
円谷特撮怪獣もののパロディー。放射能怪獣コチラや鉛怪獣アチラを相手に、科学防衛隊が活躍する。
一の瀬博士ってキャラが登場するんだけど、これの元ネタ・一の谷博士ってのは、近年になってウルトラQをようやく見て、私は知った。
「正直日記」
1頁に8コマで7日間の絵日記。のちのHanako連載「ご近所探検隊」なんかに、この形式は受け継がれているような。
「下品な一家」
「さらに下品な一家」
世界で一番下品な一家を自称する家族、父ジェイムズ・マクドナルドと妻と、娘ステファニーと息子ラルフのドタバタ。
「ふたりのサンゴ礁」
無人島に流された14歳の少女と38歳のおっさんの話。
「ハアドボイルド」
私立探偵・毒島牙男がハードボイルドを気取って、事件の予感に満ちた一日を過ごすんだが、当然ギャグマンガの世界から抜け出せない。
「理由なき反抗」
“あしたのジョー”をパロッたボクシングギャグマンガ。主人公ピストン赤木は“エイジ”そっくり。
「寿五郎ショウ」
第1話犬畜生、第2話裏島太郎、第3話爆笑家族、第4話OLD STORY、第5話友情山男、第6話素人勝抜き漫画合戦の1~7ページのギャグマンガ。
「あとがき」
マンガによるあとがき。最終ページに、有名な「砂浜を歩くギャグドランカーの足跡」のコマがある。

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