many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

図書館の外は嵐

2021-06-13 18:39:44 | 穂村弘

穂村弘 二〇二一年一月 文藝春秋
サブタイトルは「穂村弘の読書日記」で、「週刊文春」に「私の読書日記」として連載しているのの2017年7月から2020年7月のをまとめたらしい。
書店で見かけて、買ってみようとしたのは2月だったかな、例によって最近になってやっと読んだ。
本の紹介とかされちゃうと、また読まなきゃいけないって思ってしまうもの増えて危険かなとも思ったんだが、目次パラっと見たら諸星大二郎の『BOX』とりあげたりしてるんで、ついつい買ってしまった。
ちなみに『BOX』最終第三巻を読んだ穂村さんは、
>結末を読んで感動した。さすがは諸星大二郎。(略)隠されたテーマとは、人間のアイデンティティだった。それに触発されて、自分の中で考えが走り出す。(p.40)
と、いろいろ考えさせられて読んだ者を遠くに運ぶという作品の力をほめたたえてる。
各章で複数の本をとりあげているので、けっこう数多く紹介されていて、ほとんど読んだことないものばかりだったけど、今回はそれほど読んでみよっとリストアップする必要を感じたものはなかった。
なかで気になったのは、電車出発までの数分で「初めての旅先には初めての作家がいい」と咄嗟に選んだという、佐藤究の『QJKJQ』。
>ところが、これが大当たり。(略)これ、最高のやつじゃないか。(p.88)
って勧めかたがいい。
で、そのあとに、面白い本を読むと、いったん顔をあげて辺りを見回すくせがあるんで、このときもそうしたんだけど、
>この前そうなったのは、ザミャーチンの『われら』の冒頭付近を読んだ時だった。
なんて、サラって書いてあったりして、それがまた気になってしまったりした。
コンテンツは以下のとおり。
「わたしたち」と「ぼくら」
奇蹟の新作たち
異形の「生活の知恵」
最高の告白
アイデンティティの謎
「いい感じ」の作家
不可思議の理由
「気絶人形」たちの歌
ほんとうの夏休み
追い越された未来
鏡の中のなぞなぞ
つげ義春の魔力
世界を更新する眼
蟻の街見たし
「二二んが四」を超えて
アウトサイダーの輝き
多佳子と三鬼と清張
メタの鍵を持つ作家
大島弓子の単行本未収録作品など
少女たちの声
誰かが誰かを捜す物語
「クラムボン」の仲間たち


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 深夜の散歩 | トップ | Best of The Rc Succession 1... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

穂村弘」カテゴリの最新記事