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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

ストリップ・ガールの馬

2018-07-21 17:30:10 | 読んだ本
E・S・ガードナー/三樹青生訳 1957年 ハヤカワ・ポケット・ミステリ版
先月末に、また出張の移動中のひまつぶしに読み返した、ペリイ・メイスンシリーズ、1947年の作品。持ってるのは1989年の7版。
原題は「THE CASE OF THE FAN-DANCER'S HORSE」、邦題はストリップなんて語をつかってるけど、出てくる女性はファン・ダンサー、ダチョウの羽の扇を二本持って見えそで見えないような踊りをするひと、実物見たことないけどイメージはわかる。
で、なんでファン・ダンサーが馬なんか持ってるんだってことになるんだが、そこは40年代のアメリカの南部のほうの話らしいんで、まだ本物の馬に乗るのはよくあることだったらしく。
そもそも事件の始まりでは、砂漠地帯の道を走ってたメイスンが自動車事故を目撃して、その車に積まれてた踊り用の扇一組をお預かりしちゃう。
その後になって、いついつその場所で拾ったものを預かってますので心あたりのあるかたは連絡をなんて広告を出すと、取りに来た男が、栗毛で額に星のある馬を返してください、なんて言うもんだから、話が通じない。
ようやっと踊り子にめぐりあえて、無事扇を返すんだが、好奇心のつよいメイスンのことだから、馬の話を確かめたくて、その件にクビをつっこみたくてしかたがない。
そうすると、ロイスってダンサーの味方になりたい男がやってきて、事情を説明してロイスの弁護を依頼する。
ロイスは弟の弱みを握られたことから、大牧場主と望んでない結婚をしたんだけど、夫からもらった乗馬はお気に入りだった。
ところが、その牧場主の事務所の金庫をねらった強盗未遂事件が起きたんだが、その強盗は馬に乗ってそこまでやってきた。
馬は逃げちゃったんだけど、その馬をつかまえれば、強盗はロイスかその弟にちがいないって動かぬ証拠になるから、彼女をさらに窮地に追い込んでしまおうっていう牧場主たちは馬を探しているんだと。
ところで、ややこしいことに、ファン・ダンサーはもうひとりいて、ロイスが引退しようとしたときに、名前を引き継いで、のこりの仕事を引き受けたアイリーン、別の芸名をシェリ・シ・シという女、実はメイスンが扇を返したのは、こっちのほう。
そのうち例によって人が殺されるんだが、凶器の日本刀に羽毛がついてたり、血のついた扇がみつかったりで、メイスンの依頼人であるロイスが捕まっちゃう。
ところがシェリ・シ・シのほうも犯行現場の近くをうろついてたかもしれないって疑いがあって、証人たちが見たのはどっちの女なんだってことで、法廷でメイスンは勝負する。
そうはいっても、ロイスはメイスンをして「人魚が陸に上ってきて電車に乗ろうとしたって、あなたほどには目立ちませんよ」というスタイルの美貌なんで、証人たちは間違いなく現場にいたのは被告だって言うんだけど。
コメント
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