サキ/和爾桃子訳 2015年 白水社
「THE CHRONICLES OF CLOVIS」は、1911年のサキの短編集。
ことし年明けにサキの短編集「けだものと超けだもの」を読むことができたのだが、そんとき出版案内をみたら、それに先立って本書が出てたことを知った。
そりゃ読まないわけにいかないってことで、さっそく手に入れた。
2015年4月の出版だけど、私が買ったことし2月の時点で4刷を重ねている。好きなひとはけっこういるのね。
タイトルのクローヴィスは、主たる登場人物の名前。多くの話で、主役をはっている青年。
ちょっと上流の階級に属すると思われる生まれ育ちで、年は17,8歳といったところのよう。(どっかで年齢を言ってたような気もするが、ホントかどうかあてにならん。)
すこし斜に構えたようなとこあって、なによりその場で当意即妙の出まかせ話を語るのが得意。(まるでサイコパス?)
雨降りで退屈してる男爵夫人に「何かお話ししてよ」と頼まれたら、即座に「聖ヴェスパルースの話はもうしましたっけ?」って応えて、異教徒の王の甥で、キリスト教に改宗しようとしたばかりに迫害を受けた王子の話を始めたり。(「聖ヴェスパルース伝」)
伯母に取り巻こうとする紳士を追っ払う役目を引き受けて、相手が「いつか伯母さまのお宅でお昼をご一緒したことが」なんて切り出そうものなら、
>「伯母は絶対に昼食をとりません。目立たず静かな手法でいて、たいそう効果を上げている全英反昼食同盟の会員なんです。四半期ごとに半クラウンの会費を払えば。九十二回分の昼食を抜く資格が与えられます」
だなんて具合にやりかえす。(「タリントン韜晦術」)
なかなか素敵なキャラクターだ。
エズメ Esmé
月下氷人 The Match-Maker
トバモリー Tobermory
ミセス・パクルタイドの虎 Mrs. Packletide's Tiger
バスタブル夫人の逃げ足 The Stampeding of Lady Bastable
名画の背景 The Background
ハーマン短気王――大涕泣の時代 Hermann the Irascible ― A Story of the Great Weep
不静養 The Unrest-Cure
アーリントン・ストリンガムの警句 The Jesting of Arlington Stringaham
スレドニ・ヴァシュタール Sredni Vashtar
エイドリアン Adrian
花鎖の歌 The Chaplet
求めよ、さらば The Quest
ヴラテゥスラフ Wratislav
イースターエッグ The Easter Egg
フィルボイド・スタッジ――ネズミの助っ人 Filboid Studge, the Story of a Mouse That Helped
丘の上の音楽 The Music on the Hill
聖ヴェスパルース伝 The Story of St. Vespaluus
乳搾り場への道 The Way to the Dairy
和平に捧ぐ The Peace Offering
モーズル・バートン村の安らぎ The Peace of Mowsle Barton
タリントン韜晦術 The Talking-Out of Tarrington
運命の猟犬 The Hounds of Fate
退場讃歌 The Recessional
感傷の問題 A Matter of Sentiment
セプティマス・ブロープの秘めごと The Secret of Septimus Brope
閣僚の品格 "Ministers of Grace"
グロービー・リングトンの変貌 The Remoulding of Groby Livingston
「THE CHRONICLES OF CLOVIS」は、1911年のサキの短編集。
ことし年明けにサキの短編集「けだものと超けだもの」を読むことができたのだが、そんとき出版案内をみたら、それに先立って本書が出てたことを知った。
そりゃ読まないわけにいかないってことで、さっそく手に入れた。
2015年4月の出版だけど、私が買ったことし2月の時点で4刷を重ねている。好きなひとはけっこういるのね。
タイトルのクローヴィスは、主たる登場人物の名前。多くの話で、主役をはっている青年。
ちょっと上流の階級に属すると思われる生まれ育ちで、年は17,8歳といったところのよう。(どっかで年齢を言ってたような気もするが、ホントかどうかあてにならん。)
すこし斜に構えたようなとこあって、なによりその場で当意即妙の出まかせ話を語るのが得意。(まるでサイコパス?)
雨降りで退屈してる男爵夫人に「何かお話ししてよ」と頼まれたら、即座に「聖ヴェスパルースの話はもうしましたっけ?」って応えて、異教徒の王の甥で、キリスト教に改宗しようとしたばかりに迫害を受けた王子の話を始めたり。(「聖ヴェスパルース伝」)
伯母に取り巻こうとする紳士を追っ払う役目を引き受けて、相手が「いつか伯母さまのお宅でお昼をご一緒したことが」なんて切り出そうものなら、
>「伯母は絶対に昼食をとりません。目立たず静かな手法でいて、たいそう効果を上げている全英反昼食同盟の会員なんです。四半期ごとに半クラウンの会費を払えば。九十二回分の昼食を抜く資格が与えられます」
だなんて具合にやりかえす。(「タリントン韜晦術」)
なかなか素敵なキャラクターだ。
エズメ Esmé
月下氷人 The Match-Maker
トバモリー Tobermory
ミセス・パクルタイドの虎 Mrs. Packletide's Tiger
バスタブル夫人の逃げ足 The Stampeding of Lady Bastable
名画の背景 The Background
ハーマン短気王――大涕泣の時代 Hermann the Irascible ― A Story of the Great Weep
不静養 The Unrest-Cure
アーリントン・ストリンガムの警句 The Jesting of Arlington Stringaham
スレドニ・ヴァシュタール Sredni Vashtar
エイドリアン Adrian
花鎖の歌 The Chaplet
求めよ、さらば The Quest
ヴラテゥスラフ Wratislav
イースターエッグ The Easter Egg
フィルボイド・スタッジ――ネズミの助っ人 Filboid Studge, the Story of a Mouse That Helped
丘の上の音楽 The Music on the Hill
聖ヴェスパルース伝 The Story of St. Vespaluus
乳搾り場への道 The Way to the Dairy
和平に捧ぐ The Peace Offering
モーズル・バートン村の安らぎ The Peace of Mowsle Barton
タリントン韜晦術 The Talking-Out of Tarrington
運命の猟犬 The Hounds of Fate
退場讃歌 The Recessional
感傷の問題 A Matter of Sentiment
セプティマス・ブロープの秘めごと The Secret of Septimus Brope
閣僚の品格 "Ministers of Grace"
グロービー・リングトンの変貌 The Remoulding of Groby Livingston
