いいのかなあ乗馬しててと、ちょっとだけ思ったんだけど、とくに緊急招集もされなかったので、私は私の道をいく。
雪かきから始めなきゃいけないのかと思ったら、そんなことなくてキレイなもんである。

もうしわけないですねえ、天気よくなってからノコノコ来て、お客さま状態で、乗るだけで。
馬はギルデッドエージ、苦手な一頭、手ごわいよ。
馬装するあいだとかはおとなしくてカワイイ馬なんだよね。
きょうは馬房から出すとき、ちょっとだけストライキしそうになったけど、あとはいうこときく。妙にフンフンと鼻や口を近づけてきてたけど。(私はそういうときの距離感に関するしつけが甘い。)

さあ、またがって、馬場に行って、ウォーミングアップだ。ほかのひとより5分くらい早かったので、その貴重な時間でやりとりする。
とりあえず前に歩く気はけっこうありそうなことを確かめて、手綱伸ばして軽速歩。巻乗りは、手綱を急に開かないで、両手のなかでジワッと内向けて回転してみたりする。
さてさて、3人くらいで部班でもやるのかなと思ってたら、「6月の試合もあるし、ハミうけの練習をしましょうか」という展開になる。
試合は私にはあんまり関係ないと思ったが、ハミうけの練習はしたいので、ハーイとよいこの返事をする。
んぢゃ、常歩で輪乗り。
まず、前に出す。脚に反応して前に出るように。これ以上やったら速歩なっちゃうかも、ってくらいの勢いで歩かせる。
そのくらい歩くベースがあってから拳つかってくよ。拳つかうのは止まれの合図だったりするんだけど、それに抵抗して馬が前に出てくる状態のなかで、やれと。
まずは前を向いて、自分の行きたいところを決めて、そこから外れないように、内に入ったり外にふくらんだりしないように、馬を弧にそって進ませる。
そのなかで内向けてハミうけさせる。手綱を操作しても、馬を前に前に、まっすぐ進ませるのを忘れるな。急いで歩かせるんぢゃなくて、ゆっくりした歩きでいいから、前へ。
はじめて馬に乗ったときは、開き手綱は左右へ舵を切る役目だけだったのに、深遠なり乗馬の世界。
輪乗りで内向けるんだけど、もっと、もっとやっていい、と言われる。ただし、外の手が前に出ていっしょに回すなということなんで、内の脚で圧して外の手綱にぶつけるようにする。
いつもジワーっとまっすぐ手綱を引いて、馬がゴメンナサイするところを待つんだけど、きょうは思いっきり内向ける。
開く、もっと開く、って言われて、手綱をとても(障害飛ぶくらい?)短く持って、グイっと内に引っ張っちゃう。
片側の眼が見えるかどうかなんてかわいいもんぢゃない、「何すんだ?おまえ?」ってギロッとした馬の眼とまともに向かいあっちゃうくらいで、ちょうどよかった。
そこでゆずったら、ラクにして馬を前に出す。
前に出すとき一緒になって人間が身体を前に倒さない、って指摘されちゃう。
本当にウケてくれてたら、すこし手綱をゆるめたときに馬のアタマは前下方へきれいに伸びてくはず、ところが、アタマが上がってきて、すぐにコンタクトが失われちゃう感じ。

「内をもっと使っていい、アタマ下げさせる。下げて馬がゆずったら、ラクにして前に出す。」
「前に出したとき、アタマあがってきたら、すぐ使って下げさせる。下げさせたところにいることがラクだと、馬にわからせる。」
「前に出したら、すぐ内の拳つかう準備。アタマ上げようとしたらすぐ使って、そこにいさせる。」
そうは言われても簡単にはできない。
んぢゃ、一回乗り替わり。先生が乗ってみせてくれる。
全然ちがうぞ、動きが。野球で打球の速さが違うとか、ゴルフで弾道が違うとか、そういうレベルで違う、プロは。動くの馬なんだけど。
んぢゃ、再度チャレンジ。再開する前に「この馬を内に向けると止まっちゃうことがあるんですけど、推進が弱いんでしょうか」と質問する。
馬をまっすぐ前に出して内向ける、外の手やひじや肩も一緒にまわしてしまうのとは違う、それだと物理的に馬は前に出られない回れない。というお答えで、ベクトルが違うってことか。輪乗り・巻乗りって、まっすぐ進ませるうちに弧を描くんだけど、私のはムダに内側に入ってってるんだな。
さあ、乗ったら、見てたとき目に焼き付けた形をイメージもって、自分で再現するべく今度は最初っから思いっきりやる。
そしたら、きっと馬のほうが「こうすりゃいいんだったら、最初っからそう言えよな」って(先生が乗った直後だから)理解したせいだと思うんだけど、わりと抵抗なくうける形になっていく。
…と、そのとき、突然パーフェクトなハミうけが訪れた、天啓のように

どの馬でもそうなんだけど、私はそういうとき、思わず「おお!おお?きた!」って言っちゃうんだけどね。めちゃくちゃうれしい。はっきりいって快感である。
先生は心得たもので、そしたら速歩でと言ってくれるので、正反撞で輪乗り続ける。
手綱でのコンタクトの感じとかってんぢゃなく、鞍の下から私の尻というか全身につたわってくる馬の動きそのものが違う。
なんだ、なんだ、これ? 後肢の踏み込みから生まれる力を背中伝わってまっすぐうけとめるって、こういうことなのか?
「実は乗りやすい馬だって、いま初めて知った」とか言いながら、ハイになって、おそらく表情緩みながら乗ってる私。
蹄跡をまっすぐ進んで、ちょっと歩度を伸ばしてみたりしたくなる。大きくまわって、ときどき巻乗りとかする。
でも長続きしないので、手綱伸ばしてリラックスさせて、また常歩で前に出るところからやり直す。
とにかく脚に反応して前に出る状態をつくってからやる。しょっちゅう脚で蹴飛ばしてジタバタしてると、人もよい姿勢を続けられないし、ハミうけもなにもない。
そうかあ、もう自動的に馬が前に強く進んでって、拳をあらためて使うまでもなく正しい場所に馬がいる状態を築いといて、そこから競技会場に入るもんなんだよな、馬場馬術って。いやあ、でも準備馬場でここまでできないぞ、常には。

ぢゃあ、ハミうけ集中講座はそんなところで、残り時間は適当に運動して、ってことなので、なんか馬もストレスたまってんぢゃないかと思って、手綱をゆるくして少し駈歩する。
でも、駈歩でちゃんとハミうけしようと思ったら、ぜんぜんできなかった。馬が天井むいて背中が反っちゃう感じ、人馬とも楽しくないので、次回への課題として、今日のところはあまり追求しないでおく。
クーリングダウンで手綱伸ばして速歩してたら、自然にクビが下がってラクーに動いてたけど。
すこし常歩して、おしまい。よーっくホメる。

今回、一瞬ではあったけど、ギルデッドエージ本来の動きを体感できたのは大きい。ものすごい収穫である。
なにがいい乗りかたか、あーしろこーしろと言われても結局できてるのかできてないのか自分でもよくわからず乗ってることがほどんどなんだが、自身で実際に体験できると、次回以降はあれを再現しようとはっきりとイメージできる。
欲しいものがわからないやつは欲しいものを手に入れることができない。目標が明確にできると、遊びといえど運動は楽しくなる。

(↑馬房に戻ったはいいが、草も昼飼いもまだ入ってないもんだから、私に猛抗議。)
雪かきから始めなきゃいけないのかと思ったら、そんなことなくてキレイなもんである。

もうしわけないですねえ、天気よくなってからノコノコ来て、お客さま状態で、乗るだけで。
馬はギルデッドエージ、苦手な一頭、手ごわいよ。
馬装するあいだとかはおとなしくてカワイイ馬なんだよね。
きょうは馬房から出すとき、ちょっとだけストライキしそうになったけど、あとはいうこときく。妙にフンフンと鼻や口を近づけてきてたけど。(私はそういうときの距離感に関するしつけが甘い。)

さあ、またがって、馬場に行って、ウォーミングアップだ。ほかのひとより5分くらい早かったので、その貴重な時間でやりとりする。
とりあえず前に歩く気はけっこうありそうなことを確かめて、手綱伸ばして軽速歩。巻乗りは、手綱を急に開かないで、両手のなかでジワッと内向けて回転してみたりする。
さてさて、3人くらいで部班でもやるのかなと思ってたら、「6月の試合もあるし、ハミうけの練習をしましょうか」という展開になる。
試合は私にはあんまり関係ないと思ったが、ハミうけの練習はしたいので、ハーイとよいこの返事をする。
んぢゃ、常歩で輪乗り。
まず、前に出す。脚に反応して前に出るように。これ以上やったら速歩なっちゃうかも、ってくらいの勢いで歩かせる。
そのくらい歩くベースがあってから拳つかってくよ。拳つかうのは止まれの合図だったりするんだけど、それに抵抗して馬が前に出てくる状態のなかで、やれと。
まずは前を向いて、自分の行きたいところを決めて、そこから外れないように、内に入ったり外にふくらんだりしないように、馬を弧にそって進ませる。
そのなかで内向けてハミうけさせる。手綱を操作しても、馬を前に前に、まっすぐ進ませるのを忘れるな。急いで歩かせるんぢゃなくて、ゆっくりした歩きでいいから、前へ。
はじめて馬に乗ったときは、開き手綱は左右へ舵を切る役目だけだったのに、深遠なり乗馬の世界。
輪乗りで内向けるんだけど、もっと、もっとやっていい、と言われる。ただし、外の手が前に出ていっしょに回すなということなんで、内の脚で圧して外の手綱にぶつけるようにする。
いつもジワーっとまっすぐ手綱を引いて、馬がゴメンナサイするところを待つんだけど、きょうは思いっきり内向ける。
開く、もっと開く、って言われて、手綱をとても(障害飛ぶくらい?)短く持って、グイっと内に引っ張っちゃう。
片側の眼が見えるかどうかなんてかわいいもんぢゃない、「何すんだ?おまえ?」ってギロッとした馬の眼とまともに向かいあっちゃうくらいで、ちょうどよかった。
そこでゆずったら、ラクにして馬を前に出す。
前に出すとき一緒になって人間が身体を前に倒さない、って指摘されちゃう。
本当にウケてくれてたら、すこし手綱をゆるめたときに馬のアタマは前下方へきれいに伸びてくはず、ところが、アタマが上がってきて、すぐにコンタクトが失われちゃう感じ。

「内をもっと使っていい、アタマ下げさせる。下げて馬がゆずったら、ラクにして前に出す。」
「前に出したとき、アタマあがってきたら、すぐ使って下げさせる。下げさせたところにいることがラクだと、馬にわからせる。」
「前に出したら、すぐ内の拳つかう準備。アタマ上げようとしたらすぐ使って、そこにいさせる。」
そうは言われても簡単にはできない。
んぢゃ、一回乗り替わり。先生が乗ってみせてくれる。
全然ちがうぞ、動きが。野球で打球の速さが違うとか、ゴルフで弾道が違うとか、そういうレベルで違う、プロは。動くの馬なんだけど。
んぢゃ、再度チャレンジ。再開する前に「この馬を内に向けると止まっちゃうことがあるんですけど、推進が弱いんでしょうか」と質問する。
馬をまっすぐ前に出して内向ける、外の手やひじや肩も一緒にまわしてしまうのとは違う、それだと物理的に馬は前に出られない回れない。というお答えで、ベクトルが違うってことか。輪乗り・巻乗りって、まっすぐ進ませるうちに弧を描くんだけど、私のはムダに内側に入ってってるんだな。
さあ、乗ったら、見てたとき目に焼き付けた形をイメージもって、自分で再現するべく今度は最初っから思いっきりやる。
そしたら、きっと馬のほうが「こうすりゃいいんだったら、最初っからそう言えよな」って(先生が乗った直後だから)理解したせいだと思うんだけど、わりと抵抗なくうける形になっていく。
…と、そのとき、突然パーフェクトなハミうけが訪れた、天啓のように


どの馬でもそうなんだけど、私はそういうとき、思わず「おお!おお?きた!」って言っちゃうんだけどね。めちゃくちゃうれしい。はっきりいって快感である。
先生は心得たもので、そしたら速歩でと言ってくれるので、正反撞で輪乗り続ける。
手綱でのコンタクトの感じとかってんぢゃなく、鞍の下から私の尻というか全身につたわってくる馬の動きそのものが違う。
なんだ、なんだ、これ? 後肢の踏み込みから生まれる力を背中伝わってまっすぐうけとめるって、こういうことなのか?
「実は乗りやすい馬だって、いま初めて知った」とか言いながら、ハイになって、おそらく表情緩みながら乗ってる私。
蹄跡をまっすぐ進んで、ちょっと歩度を伸ばしてみたりしたくなる。大きくまわって、ときどき巻乗りとかする。
でも長続きしないので、手綱伸ばしてリラックスさせて、また常歩で前に出るところからやり直す。
とにかく脚に反応して前に出る状態をつくってからやる。しょっちゅう脚で蹴飛ばしてジタバタしてると、人もよい姿勢を続けられないし、ハミうけもなにもない。
そうかあ、もう自動的に馬が前に強く進んでって、拳をあらためて使うまでもなく正しい場所に馬がいる状態を築いといて、そこから競技会場に入るもんなんだよな、馬場馬術って。いやあ、でも準備馬場でここまでできないぞ、常には。

ぢゃあ、ハミうけ集中講座はそんなところで、残り時間は適当に運動して、ってことなので、なんか馬もストレスたまってんぢゃないかと思って、手綱をゆるくして少し駈歩する。
でも、駈歩でちゃんとハミうけしようと思ったら、ぜんぜんできなかった。馬が天井むいて背中が反っちゃう感じ、人馬とも楽しくないので、次回への課題として、今日のところはあまり追求しないでおく。
クーリングダウンで手綱伸ばして速歩してたら、自然にクビが下がってラクーに動いてたけど。
すこし常歩して、おしまい。よーっくホメる。

今回、一瞬ではあったけど、ギルデッドエージ本来の動きを体感できたのは大きい。ものすごい収穫である。
なにがいい乗りかたか、あーしろこーしろと言われても結局できてるのかできてないのか自分でもよくわからず乗ってることがほどんどなんだが、自身で実際に体験できると、次回以降はあれを再現しようとはっきりとイメージできる。
欲しいものがわからないやつは欲しいものを手に入れることができない。目標が明確にできると、遊びといえど運動は楽しくなる。

(↑馬房に戻ったはいいが、草も昼飼いもまだ入ってないもんだから、私に猛抗議。)