goo blog サービス終了のお知らせ 

many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

私が二郎を食ってたころ

2013-10-22 21:20:32 | Weblog
本の話ぢゃなくて、ただのむかしばなし。
こないだのラーメン二郎の本を読んだののつづきというか、私が食ってたころはどんなだったかということ、思い出してちょっと書きとめておきたくなっただけなんだが。
私が二郎を食ってたのは、21,2歳のころなんで、もうずいぶん前。
そのころは、週に一度は食ってたな。ときによっては週に二回ってこともあった。
その後は、平成10年か11年ころに一度食ったっきり。そのときは、食ったことのないひとが行きたいってんで、一緒に行っただけ。
ときどき、ああ二郎をもういちど食ってみたいなぁ、って思うときもあるけど、ちゃんと食う自信がない。まあ朝飯ぬいてムリすりゃ食えるとは思うけど。
あんなにちょくちょく行ってたし、食うの大好きだったのに、私がその後二郎に行ってないのは、(1)もともと私は食いものにこだわりがない(2)二郎が好きだったとはいうものの私は基本的にそれほどラーメンに執着がない(3)わざわざ出かけてくのがめんどくさい(ウチの近くにあったら行くかもしれないけど。これは二郎に限らず食べ物屋さん全般に対して私はそう)(4)場違いなオッサンが並んでるのは主客である学生にとってジャマな気がする などなどといった理由が順不同であるからである。
学生が主っていうけど、私が行ったことあるのは三田の二郎、いわゆる本店だけだからね、ほかの店がどうかなんかは知らない。就職して何年かあとになって後輩が「最近は虎ノ門とか新宿にも二郎の支店があるんですよ」って教えてくれたけど、ふーんって感じで聞いてて興味はもてなかったしね、私は。
で、私が行ってた当時の二郎は、いまの場所(その後一度だけ行ったとき学校の門の横のほうにあって驚いた)ぢゃなくて、三田の国道1号が曲がってる角ッコにあった。
営業時間は、10時半かそのくらいから2時半かそんくらいまでだったと思う。終わるのは麺がなくなるときね。まだ行列があっても、シャッターが半分降りてたら、それは麺が無いからもう並ぶなってサインだったと思う。
始まりが何時だったかはあんまり意識してないなあ。一度だけ開店前から並んで(いわゆるシャッター)最初に食ったことあるけど、だいたい私のパターンとしては、ふつうの昼メシに行くんぢゃなかったからなあ。
10時半から12時過ぎまでの用事が終わって、それから行くんならふつうの昼メシだけど、私のよくあるパターンは、13時から用事のあるときに、11時くらいに三田に着くように出かけてって、一時間並んで、ようやく食い終ったら12時過ぎ、さあ13時からも頑張るかあって感じだったと思う。
それでだ、一時間並ぶ列は2列。インとかアウトとか呼んでた気もするけど、店の奥っ側の席(たしか9席)に坐るべく並ぶのと、手前っ側(たしか5席だと思ったんだけど)に坐る列のふたつ。世の中に“フォーク並び”なんてものが無かったころのはなしだ、どっちが今何人だからどっち並ぼってのは、まったくそれぞれの勘にしたがってのもの、いつも私はほとんど奥に入る列に参加してたような。いつもだいたい1時間かかったけど、それは覚悟のうえなんで、べつに不満はなかった(文庫本とか必須)。
さて、並んだ末に着席したら、当時の注文方法は、食券なんか無かった。(後に久しぶりに行ったとき食券システムになってて私は驚いた。)
席についても、勝手なことは言わず、待ってなきゃいけない。そして、次の組(5人ぶんをいちどにつくる)の麺を茹で鍋に投入する段になって、オヤジさんが、客の顔みて「小(しょう)!?」って訊く。
そしたら言われた人は「しょう!」って答える。次の客に向かってオヤジさんが「しょう!?」って言ったら、また答える。
これは、麺の量を訊いてるんで、多いのが欲しいひとは「大!」って言わなきゃいけない。
たとえば3人目が「大」を希望したりすると、四人目に向かってのオヤジさんのフリは「小、小、大!?」ってくるんで、自分が小が欲しければ「小!」って言わなきゃなんない。
そうすっと、五人目まで聞き終った結果、「小、小、大、小、小。わかりましたー」みたいに、オヤジさんは言ったりする。(自分が淀みなく参加できたという前提で)このリズムはなんともいえないよね。
麺が茹で上がるまでのしばしの時間は、なんともいえない間であって、食欲がいよいよ増す。オヤジさんも、基本は鉢ならべてスープだれ入れたりして忙しいんだけど、肉切ったり野菜の面倒みたりして片時も手あかないときもある一方、常連と会話かわす余裕があるときもあったりする。
で、いよいよ麺が茹であがろうとすると、いざ麺が盛られんとする鉢(小と大でおおきさというか形状が違う)を前に、オヤジさんは麺を引き上げて湯を切りながら訊く、「なにー?」って。
このとき、目を合わしてくれればいいんだけど、仮に目を合わせずに「はい、奥からー?」とか言われても、一人目のあと「小のなにー?」っとか訊かれても、あわてずすかさず答えなきゃいけない。
ここで問われてんのは、豚(煮豚?)の量とその他のトッピング的なものである。豚は黙っててもドンって一塊乗っけられちゃうんで、さらにいくか(ダブル)そのまま受け入れるか(小だったら「コブタ」)のチョイスである。
私がいつも頼んでたのは、最初は「小ダブル野菜」だったんだけど、「野菜」のオーダーの扱いはけっこう適当で、言わなくてもオヤジさんの動きの流れでヒョイって乗っけられちゃったりするんで、その後は「小ダブルカラメ」がふつうになった。
カラメってのは、スープのしょう油ダレみたいのをもう一匙加えてくれることね。とにかくアブラが多くてキツイんで、後半戦に飽きてくるというか食うのがキツくなってくる危険があるので、カラメにしとけば最後まで食い始めたときの風味を保てるって感じがあったから、そうするようになったんだけどね。(カラメの上は、カラカラ。)
ニンニクは、気分しだいで入れてたけど、なくてもよかったな、私は。ナマのニンニク、最後まで残ってスープに浮いてたりすると、辛いんだもん。でも、大ダブルのときは入れてたような気がする。
ラーメンが出てきたら、とにかく食う。(当時は食いものの写真撮ってるようなやつはいなかったね。)勢いで食わないと食えない。
私はわりとラーメンとか食うの速いほうだと思うんだけど、一度、二郎を食ったことのないやつを連れてったことがあるんだが、そいつが私より速く食い終ったのには驚いた。そいつが言うには「ひとは○分(何分だっけ?忘れた)以内だったら満腹中枢がいっぱいになることないから(胃から脳まで情報が届くのにタイムラグがある)、どんなに多いものでも食える」ってことだったんだけど、私も実体験としてまあ同意はするよ。
最初っから意識したわけぢゃないけど、通ううちに私は、自分のぶんが出されたら、次のお客が座る前に食い終えて席を立つ、ってのがひとつの基準としてもつようになった。そうしないと回転しないもんね。冷静に考えれば、そこまで急ぐ必要はないんだけど、まあ気持ちの問題だ。
そのくらいのスピードで食わないと、ほんと油がだんだんキツくなってきて、食えなくなるだけだもんね。(小ダブルとか頼んで、麺だけ食べ進んで、終わったかと思った最後のほうに、スープのなかにひそんでたブタの塊を発見したときゃあ、ほんと大変!)
で、食い終ったら、自分でドンブリをカウンターの上にあげて、おカネ払う。当時は、小ダブルで370円だった。大ダブルがいくらだったかは、たまにしか食わないから忘れた、400円か420円かそのくらい。
「ごちそーさまー」って、スープまで余さず飲んでドンブリかえすと、私の友達は「オヤジさん、すげえ嬉しそうだった」とか言うんだけど、私の見たところでは、ドンブリが空であろうがなかろうが、分け隔てなくオヤジさんは「ありがとー」って言ってくれてたと思いますけどね。
で、当時は、カウンターの上に、小銭が散乱してて、ちょうど払うときは「370円、ちょうど置いてきまーす」とか、百円玉4枚置いてくときも「おつりもらってきまーす」って言って10円玉3枚持ってきゃいい世界でした。まちがって千円札しかなかったときには、忙しい合間をぬって、おばさんがコインの濡れた水っ気をタオルでとりながら、おつりかえしてくれたりしました。
そう、私が通ってたときは、オヤジさんとおばさん(暗黙に奥さんなんだろなと皆思ってた)の二人でやってたんだよね。そのあとしばらくして、おばさんの顔が見えなくなって学生みたいな若い衆が手伝ってたときもあったけど。
んで、そのへん、私より10くらい年上の、私の先生に言わせると、「むかしはもっとうまかった、オヤジさん一人でやってて、ドンブリ洗ってなかったからね」(下げたドンブリは重ねて上から水道を細く出して流してただけ)ってことらしいんだけど、そう言われちゃうと負けた気になる。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする