メディカルツーリズムにおけるホテル・旅館との協働

2010-07-13 20:12:26 | Weblog
メディカルツーリズムとホテル・旅館の協働

皆様のご清栄をお慶び致します。
さて、東南アジアで誕生して、今や世界の30~40カ国で発展し続けていると言われている医療と観光が組み合わされたメディカルツーリズムについては、成功の為の最大の秘訣は、高水準の医療サービスのみならず、豊富な観光資源の有無がカギになっていると指摘されています。(「メディカルツーリズムとは何か?」岩波書店・真野俊樹著)
幸い、我が国は、世界に冠たる長寿国であり、このことが我が国の医療水準の高さを端的に証明していると言えるでしょう。
また、観光資源の豊富さについても格別のものがあると言えます。なぜなら、地理的には東洋世界の一角に位置しつつも、四方を大きな海洋で囲まれているがために独立性が高い文明を築きあげる条件がある上に、国土の大半が四季折々に美しい変化を見せる山野に覆われ、河川に恵まれるという地勢的条件に影響されて、東洋文明とは一線を画し、自然との一体性を尊重する独自の文明を築きあげてきた歴史に育まれているからです。
そこで、このような好条件を活かして、メディカルツーリズム(=医療の国際化)に進んでいくことが、少なからざる数の病院や民間企業の期待を背に、政府の新成長戦略の要の一つとされています。
しかし、メディカルツーリズム発展を支えてきた東南アジア各国の病院は、米国などからの豊富な投資を助けにしつつ、丸で超一流ホテルや劇場並みの豪華な建物の下に全入院患者向けに個室を用意し、最新式の医療機器を完備するのみならず、十数カ国語にも上る専門の通訳者をも揃えて24時間365日待機させるなど、ハードとソフト両面にわたるそのサービスの充実ぶりは想像を絶する程のものです。
これに対し、我が国の病院施設については、厳しい国民医療費抑制政策の影響もあってか、画一的・質実剛健タイプが多く、とても装飾性や患者の快適さ優先思想で造られてきたものとは言い難いものが主流となっています。
そのため、東南アジアの国々のメディカルツーリズムと競争して世界を舞台に争うには、病院の外観や内部諸施設・通訳者の準備などの諸点に於いては、あまりにも非力であると言わざるを得ません。実際のところ、いくつもの病院を訪ね歩いてきましたが、(富裕な)外国人顧客・患者を受け入れる特別施設の不備を嘆いておられる病院が多く、外部機関ないしは、ホテル・旅館側からの支援を望んでおられます。
重症患者等については、病院内での入院が避けられないでしょうが、軽度の症状の患者や付き添いの家族・スタッフ等向けの宿泊サービスなら、既存のホテル・旅館でも何らの特別の用意も不要で受け入れが可能でしょう。
それ故に、全国各地に於いて、既に相当にレベルの高い設備や顧客歓迎の丁重な姿勢をもって誇りとされるホテルや旅館のご理解と支援を得なければならないでしょう。
即ち、医療サービスそれ自体についてなら、世界のどこの国にも負けない程の高度な水準を保つ我が国医療業界と、とりわけ設備とおもてなしの姿勢を充実させておられるホテル・旅館とが連携し合い一体となって、外国人顧客・患者歓迎の態勢を整えられるならば、我が国へのメディカルツーリズム招致についても、勝ち目が見えてくるでしょう。
メディカルツーリズムはもともとが、医療と観光との組み合わせのツアーですから、病院と宿泊施設との協働関係構築が、最も望ましいのです。

そこで、このように大きなビジネス・チャンスに恵まれたメディカルツーリズムを我が国に於いても、末永く根付かせ成長させるために、メディカルツーリズム全体の仕組みや内容などを、自らの役割認識と共に徹底的に研究し、病院やホテル・旅館業界における経営改善のきっかけにすることが強く望まれます。
そのための端緒づくりとして、東京通訳アカデミーは、メディカルツーリズム全体を取り仕切る司令塔の役割を果たす「メディカルツーリズム管理者」養成を鋭意推進中です。
そこで、ホテル・旅館業者の方々におかれましても、是非ともこの「メディカルツーリズム管理者」講座の受講をご検討戴きたいと願います。

≪参考≫
「メディカルツーリズム管理者講座」
通学講座=毎日曜日・午前10時~午後4時、7月~12月の6ヶ月間。学費は20万円。
但し、インターネット配信の[通信講座]もあります。
試聴用のインターネット配信サイトは、http://medical-interpreters.jp/

平成22年7月13日 火曜日
東京通訳アカデミー・学院長・岡村寛三郎
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